「幸せ美人顔」メイクのカリスマ、レイナさん流。
ティントリップとリップペンシルの合わせ技で自然な血色、ツヤ、ふっくら感がよみがえる!
40代、50代になると、唇のボリューム感がダウンし、しぼんで薄い印象に。
また血色感が薄れ、くすんでしまいます。
20代、30代の頃によくつけていたリップの色が似合わなくなったと感じたり、リップを塗るとかえって老けた印象になってしまうことも。
そんな老化サインに悩む40代、50代はどうしたらいいのでしょう?
同じOurAge世代でもあるレイナさんに、メイクでの解決法を教えていただきました。
レイナさんは、プロのメイクアップアーティストとして第一線で活躍しながら、自身のプライベートサロンで長年にわたって一般女性にメイクレッスンを行ってきた、美人顔づくりのカリスマ。
そのメイク術は、メイクに苦手意識を持つ女性でも簡単に実践でき、見違えるようにイキイキとしてメリハリ感がアップすると評判です。
レイナさんは、40代、50代の普段メイクで、流行色やくっきり発色するようなリップを、無理して塗る必要はないと言います。
「もちろん似合っていて、ご本人も満足のいく仕上がりだったら問題ないのですが、くっきりとした色が主張するリップは、年齢を重ねた世代のやせた唇に塗ると、より薄くしぼんだ印象になってしまいがち。
顔から浮いて、まわりの肌をくすませてしまうこともあります。
40代、50代になったら、日常的につけるリップは、ほんのり色づいて血色をプラスする、つややかな粘膜カラーがおすすめ。
さらに、リップライナーで唇の輪郭を補整すると、ふっくらボリューミーに見せることができます」(レイナさん)
粘膜カラーとは、唇の内側の粘膜部分の延長のような、自然な血色感やツヤのある色のこと。
今回のテーマは、大人のリップメイク。
「粘膜カラーのリップ+輪郭補整」でふっくらボリューミーな血色唇に
40代、50代になって、メイクの要であるはずのリップが、きれいになるどころか、塗ることでかえって老け見えし、違和感を感じている人も多いはず。
なぜそうなってしまうのでしょう?
「年齢とともに、肌と同じく唇もやせてボリューム感がダウン。
血流の滞りや乾燥などによって唇がくすみ、ハリがなくなって縦ジワが目立つようになったことが原因です。
発色のよすぎるリップを塗ると、唇の薄さを強調してしまい、かえって鼻の下が間延びしたような印象になりかねません」
レイナさんは、くっきり発色するリップはあえて使用せず、まるで素の唇の血色がよくなったように見せてくれる粘膜カラーのティントリップと、ピンクベージュ系のリップライナーでメイクしています。
「この組み合わせは、大人の唇を魅力的によみがえらせるテッパン中のテッパンです。
服もシーンも選ばず、唇そのものがきれいに見えて、顔全体のイキイキ度もアップ!
私は仕事のときもプライベートのときも、このリップメイク一択です」
ここで、リップを塗る前と後のレイナさんの顔の変化を見てみましょう。
上は、連載の第8回のアイメイクまでが終わったところ。
リップはまだ塗っていません。
十分きれいですが、下の「リップを塗った後」の写真と比べると、唇が薄く見えて寂しい印象。
上は「リップを塗った後」の顔。
自然な血色感の延長のような粘膜カラーのティントリップをつけた後は、顔立ちが華やぎ、グッと若々しい印象に。
唇そのものもふっくらボリューミーに見えます。
「肌なじみがよくツヤ感のある粘膜カラーのリップを使ったことで、みずみずしさと血色感がアップ。
また、ピンクベージュ系のリップライナーで輪郭を補整したことで、無理なく唇のボリューム感を出すことができたと思います。
ティントリップもリップライナーも、にじみにくくてメイクもちが抜群。
それもこのリップメイクをするメリットです」
■唇のしぼみ感、くすみを解消するリップメイク・プロセス1
粘膜カラーのティントリップを直塗り
「リップはほんのり色づく程度が正解。
ティントタイプの、唇を染め上げるような、みずみずしく自然な仕上がりのリップがおすすめです。
色は理想的な血色を再現する粘膜カラーを選びましょう」
一般的なリップは唇に色を「のせて」います。
それに対し、ティントリップは、唇そのものが「色づく」ように処方されていて、もちがよく、こすれにも強く、落ちにくいという特徴があります。
リップは直塗りします。
リップの角で素の唇の輪郭に沿って塗ると、リップブラシに取ってからつけたりしなくても、きれいに塗れます。
使ったアイテムはこれ
●オペラ リップティント N 15 ¥1,760/イミュ
植物性スクワランオイルでしっとり保湿しながら、透けるような色みで唇そのものを色づかせるリップ。
唇の水分に反応して色づくように作られたティント処方で、色落ちしにくく、つけたての色をキープ。
この15番のカラーは、唇の内側の粘膜の色を再現したようなヌードオレンジ。
ちらちらと光る繊細なパール感が、唇に自然なふっくら感を演出します。
■唇のしぼみ感、くすみを解消するリップメイク・プロセス2
リップライナーで、リアルな輪郭の「外側」に輪郭を描く
「リップライナーは、通常はリップを塗る前に使いますが、私はあえてリップを塗った後に使用。
補整した輪郭が強調され、よりボリュームアップして見えるのです」
【1】
粘膜カラーのティントリップを塗った後は、リップライナーペンシルで、唇の中央から外側に向かって短めに輪郭を描きます。
「プロセス1」では、素の唇の輪郭のとおりにティントリップで色づけしましたが、このリップライナーペンシルを使うプロセスでは、上唇の山は、元の輪郭よりも少しだけ外側をなぞるように描いて。
同様に、下唇の中央も、元の輪郭の少しだけ外側をなぞります。
【2】
次に口角から、【1】で描いた「唇の中央の輪郭」に向かって描き、輪郭をつなげます。
上唇は丸みを持たせながら、輪郭よりやや外側をなぞります。
下唇は、輪郭より外側にオーバーして描くと口角が下がって見えてしまうので、口角から元の輪郭のとおりに描いて「唇の中央の輪郭」とつなげます。
使ったアイテムはこれ
●サティシェ スムースタッチ リップライナー ペンシル PK ¥2,750/CPコスメティクス
するするとなめらかに描ける、柔らかなタッチのリップライナー。
乾燥しがちな口元にもぴたりと密着し、リップのにじみもブロック。
素の唇の色を再現するピンクベージュです。
──「リップには、赤やピンク、ボルドーなどさまざまな色の選択肢があります。
もちろん、そんな色のバリエーションを楽しむこともメイクの醍醐味ですが、色の存在感が大きければ大きいほど、人の視線は唇に集中。
しぼんで薄くなった唇をかえって強調しかねません。
今回紹介したのは、唇を自然にふっくらボリューミーに見せて、つけた方のパーソナリティそのものまでイキイキと見せる効果のあるリップです。
これを毎日のメイクの基本にしておくと本当に安心。
プライベートでも仕事のシーンでも、自信を持って臨めるようになりますよ」
大人になると、あれこれ色を楽しむというより、無理なく自分自身を輝かせることがメイクの主軸に。
「粘膜カラーのリップ+輪郭補整」でメイクした唇は、とても自然で若々しく、笑顔が似合う顔を演出してくれます。
このふたつのコスメの組み合わせ、リップメイクの定番としてぜひ覚えておきたいですね!
イミュ 「オペラ」公式サイト 「オペラ リップティント N」
CPコスメティクス 「サティシェ」公式サイト 「サティシェ スムースタッチ リップライナー ペンシル PK」
※この連載で紹介した内容は、レイナさんのYouTube「REINA CHANNEL」で動画で見ることもできます!
【教えていただいた方】
1978年生まれ。大学卒業後、大手化粧品メーカー勤務を経て独立。その人本来の美しさを引き出すメイクを得意とし、文化人からの指名も多数。女性向け媒体のメイク特集などで活躍するほか、完全予約制のメイクレッスンサロン「Crystalline(クリスタリン)」を主宰。著書も多く、近著に『45歳からの自分を好きになるメイク』(主婦と生活社)などがある。YouTubeの「REINA CHANNEL」でレイナさんが実演するメイクレッスンも必見!
撮影/藤澤由加〈人物〉 ヘア&メイク・モデル/レイナ 取材・文/小田ユイコ