生活を楽しんでいるという充足感は幸福なオーラとなって必ず表面に表れます。
~書籍「十和子道」P17より~
<担当編集者からみたこの言葉の背景>
「窓が曇っていると、せっかくの空と木と雲がキレイに見えない。
あー、もったいないって思うんです」
そう言って娘さんと共有している青いシャツの腕をまくり、ガラスを拭き始めた十和子さん。
この日の取材テーマは〝君島家のキレイのルール〟。
ルールのひとつが〝ガラスや銀器はピカピカに光っているべきもの〟と聞き
「とはいってもガラス拭きって大変じゃありませんか。とくにこんな大きなガラスだと」
と君島家のリビングの窓を見ながらつい後ろ向きな発言をしてしまった私。
すると
「慣れればそうでもないですよ。右手に濡れたタオル、左手に乾いたタオルを持ってこうして拭いていけば……」
といつもやっている拭き方を見せてくれたのだ。
「わー、本当にピカピカになる」「手の動きが早い」などと感心しながら横でみているうちに大きなガラス一枚が拭き上げられた。
最後に拭き残しや拭き跡がないかを入念にチェックしながら
「やったらやった分だけ確実にキレイが返ってくるのがお掃除です。キレイになったときの達成感を知ってしまえば、こっちのもの」
ときっぱり。
十和子さんにとって掃除は生活を楽しんでいるという充足感を与えてくれるもののひとつなのだろう。
(食事の支度も生活を楽しんでいるという充足感を与えてくれることのひとつ。キッチンでも二人三脚、「料理はしませんが(キッチンでの)滞在時間は長いんですよ」と誉幸さん/「十和子道」p55より)
そういえばふと思い出したのだが上の娘さんが幼稚園の年長さんだった頃か、
「パパから今から帰るよって電話があったら、テーブルを拭くの」
といってダイニングテーブルのガラスの天板をキュッキュッと拭いてみせてくれたことがあった。
お母さんがいつもやっているのを見ているからだろう、指紋や拭き跡が残っていないか仕上げのチェックもちゃんとして「きれいになったよ!」と私に言ったあのときの顔も楽しそうだった。
撮影/冨樫実和
*オールカラー、自宅で撮影、オール私服、収録写真400点
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