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年をとると顔が大きくなって、四角化していくのは気のせいじゃなかった。その理由とは? 

40代、50代になって、前より顔が大きく、しかも四角くなってきた気がする…。そう感じている人、意外と多いのではないでしょうか? 実は、これは気のせいではなく、実際、加齢とともに大顔化、四角化しやすいのだそう。その仕組みや対策を、皮膚科医の慶田朋子先生に教えていただきました。対策を講じてくい止めましょう!

 

筋肉と脂肪だけじゃない!コラーゲンやエラスチンの劣化・減少、各部位ごとの緩みや肥大化などが原因で大顔&四角化

年をとるとともに顔が大きくなってきたと感じている人は、少なくないと思いますが、なぜこのようなことが起きるのでしょうか? 慶田朋子先生に伺いました。

 

「加齢とともに顔の筋肉を引き上げる力は衰えていき、逆に顔の筋肉を引き下げる力は強くなっていきます。また、肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンは劣化・減少していくうえ、脂肪は萎縮してボリュームがなくなっていきます。

 

さらに、この連載の第1回でご紹介したような顔面の骨やせも起こるうえ、脂肪や皮膚を支える靭帯も緩んでくるので、皮膚が伸びて下に向かってなだれを起こし、たるんでいきます。

そしてたるんだスペースに余分な水分がたまりやすくもなるので、顔が下に大きくなり、首との境界線が失われていきます。

 

また、その一方で30歳前後から起こるのが、嚙むときに使われる咬筋(こうきん)や側頭筋、下あごのオトガイ筋などの筋肉肥大です。

特にストレスなどから食いしばる癖があると、咬筋や側頭筋、オトガイ筋が過剰に発達してしまい、輪郭が四角くなっていきます。こういった複合的な原因で大顔化、四角化が起きるのです。

ただし、これは40代、50代から急激に起こるわけではありません。30代前後から少しずつたるんでいき、大顔化が始まります」

 

加齢に伴い、皮膚の伸びや筋肉肥大、脂肪の減少が起きやすいパーツ

 

美容医療の「サーマクールFLX」などで皮膚を引き締めることで小顔化が可能

では、大顔化・四角化を改善するには、どうしたらよいのでしょうか?

 

「美容医療で改善するなら、あご下やフェイスラインなどに高周波の作用で強力に皮膚を引き締める『サーマクールFLX』を照射するのが効果的です。

サーマクールで高周波を照射すると、熱によって皮膚を支えるコラーゲン線維が収縮し、施術直後から引き締め効果が表れます。

 

さらにその後、約6カ月にわたってコラーゲンの産生が促進し、太くて強度の高いコラーゲン線維と置き換わります。その結果、肌全体のハリと弾力が高まり、シワやたるみが改善。

また、サーマクールの引き締め作用は顔全体のボリュームを縮めるように、縦、横、奥行きの3次元に働くため、輪郭のくずれや、フェイスラインやあご下のもたつきが改善し、小顔になるのです。

 

 

ただし、むやみに照射をすると、顔がぺたんこに引き締まって逆にこけてしまうことがあるので、熱を強く入れるべき部分と弱めに入れる部分の見極め、照射する方向など、顔立ちやたるみの程度、脂肪量などを考慮してデザインするように照射することが大切です。

高いテクニックで行えば、痩せ型の顔立ちでもこけることなく、緩みが消えて美しい輪郭がよみがえります。

そしてその状態をキープするには、半年に1回程度、メンテナンス照射することを推奨しています。

 

そのほか、『ウルセラ』も効果的です。ウルセラはハイフの最高機種で、超音波を照射することでコラーゲン線維を引き締めつつ再生を促し、緩んだ皮膚を強力に斜め方向に収縮させます。皮膚を支える土台のSMAS層(表在性筋膜・皮膚の表面から、表皮-真皮ー皮下組織ーSMAS層ー筋肉という層になっている)や、顔面の靭帯にも作用し、顔を土台から引き上げてくれます。ウルセラは10カ月~1年に1度程度受けると、より効果の持続が期待できます。

 

脂肪量が多く、垂れ下がった脂肪が頬やあご下にたまっているタイプは、脂肪溶解注射の併用もいいと思います。不要な脂肪を溶かす薬剤を細い針で注射し、理想の形に整えます。脂肪吸引手術のように凸凹になる心配もなく、腫れが少ないのも魅力です。

 

大人の大顔は、たるみを伴っているので、サーマクールやウルセラなど照射治療と必ずセットで行います」

 

【慶田先生の銀座ケイスキンクリニックでの脂肪溶解注射と照射治療の症例】

BEFORE

 

 

AFTER 2週間

 

 

では、大顔化・四角化をセルフケアで防ぐには?

 

「お酒をたくさん飲む習慣があると、余分な水分がたまることで顔がむくんで大きくなりやすくなります。アルコールの代謝過程で発生する活性酸素はコラーゲンの分解を進め、代謝産物のアセトアルデヒドはコラーゲンの糖化を進めてしまうこともわかっているので、お酒の量は控えめにしましょう。また、たるみは光老化によっても加速するので、紫外線対策は万全にしましょう。

 

前回ご紹介した、骨やせを防ぐ方法を取り入れるのもおすすめです

 

 

【教えていただいた方】

慶田朋子
慶田朋子さん
皮膚科医
公式サイトを見る

銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。2001年、東京女子医科大学皮膚科助手、聖母会聖母病院皮膚科医員、美容クリニック勤務(兼務)。2006年、有楽町西武ケイスキンクリニック開設。2011年、 銀座ケイスキンクリニック開設。最新の照射治療と注入治療を組み合わせ、メスを使わずに肌質を高め、バランスのとれた若々しい顔立ちに変える治療が人気。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)などがある。

 

写真/Shutterstock イラスト/平松昭子 取材・文/和田美穂

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