キユーピーの大人気見学施設「マヨテラス」をご紹介した前回の記事に続く第2弾! 今回は、マヨネーズ以外の注目アイテムについてお届けします。
写真は「マヨテラス」にディスプレイされていたキユーピーグループの商品。マヨネーズをはじめ、ドレッシングやパスタソース、アヲハタブランドのジャムなどが並んでいます。現在は2000種類ほどのアイテムを展開しているんですって。その右端、真ん中の棚を見てみると…
スキンケア商品に日用品も並んでいます。「愛は食卓にある。」がキャッチフレーズのキユーピーが、なぜ食卓以外のアイテムも!?
そこで、そのうちの2つのアイテムをピックアップ! 開発担当者からお話を伺ってきました。
今回は巨大な「マヨネーズドーム」のある「マヨテラス」を後にし、「仙川キユーポート」のオフィス棟に潜入取材です(一般公開はされていません)。
おお、ビルの網目は、見慣れたキユーピーマヨネーズのパッケージとお揃いですね。
オフィス棟の1階受付スペースも、何やら楽しそうなディスプレイです。
ここでちょっと豆知識。2013年に完成した「仙川キユーポート」は、約60年稼働していたキユーピーの仙川工場の跡地に建てられた複合施設。「キユーピー(kewpie)」と「港(port)」を組み合わせて「キユーポート」という名称になったそう。
六角形の建物が「仙川キユーポート」。研究所や品質保証本部、グループ会社などが集約されています。周辺地域に配慮して六角形になったとのことですが、上下階の回遊性や社員同士のコミュニケーションアップにもひと役買っているとか。フロアをグルリと一周できる通路は1周3分で、その目安となる数字も壁に記されていましたよ。また、外光が差し込む明るく広い社員食堂も見学させていただいたところ、大きなサラダバーと、キユーピードレッシングがズラリと並べられていました!
新しい発想のアイテムは、こんなこだわりの空間から生まれていたんですね。
次のページで、日本初の肌の機能性表示食品についてご紹介します。
「飲むヒアルロン酸」はタマゴの研究から生まれた!
まずはひとつめのアイテム。キユーピーが展開する機能性表示食品についてお話を伺いました。説明してくださったのは、商品開発研究所 ファインケミカル開発部の兼田春奈さん。リケ女(理系女子)の、データに基づいた明快な説明は説得力がありましたよ~!
そもそもマヨネーズの原料でもあるタマゴには、生命の誕生に必要な成分がすべて含まれています。そんなタマゴに含まれる有効成分についてキユーピーでは30年以上も研究を続けきて、タマゴを産むニワトリにも着目したそう。
「トサカは何のためにあるのか、体温調節のラジエーターという説もありますが、私たちが注目したのは水分を溜め込むヒアルロン酸をたっぷり含んでいるということ。そこから、研究がスタートしました」
ヒアルロン酸と言えば、乾燥を防ぐ、関節の動きを良くするなどとして医薬品や化粧品、食品にも幅広く活用されていますよね。その原料として、このトサカ由来のほかに、微生物発酵由来のヒアルロン酸も使われているのだそう。キユーピーでは、この2つの原料の研究・生産に取り組み、どちらも安全性を確保しています。
美肌に必要な成分と言えば、ヒアルロン酸のほかにコラーゲンもありますが…。
「ベッドにたとえると、コラーゲンはいわばスプリングで、ヒアルロン酸は間に入っているクッションの働きをしています。つまり、この2つは役割が違うため、どちらも美肌のために必要不可欠なんです」
しかし、どちらも歳を重ねることで減少してしまう傾向にあるため、効率よく補うことが美肌キープのポイントに。コラーゲンは食事のたんぱく質で補うことができますが、ヒアルロン酸を食事で摂るとなると…。楊貴妃はトサカを食べていたと言われているそうですが、それはなかなか難しいもの。そこで、役立てたいのが「飲むヒアルロン酸」というわけです。
2002年にヒアルロン酸を配合した健康食品「ヒアロモイスチャー」(左)が登場。さらに研究を重ね、2009年にはヒアルロン酸を配合した栄養機能食品「ヒアロモイスチャーbio」(右)を発売。こちらは50万袋以上売れたという大人気商品です。
そして「ヒアロモイスチャー」15周年を迎えるこの節目に、さらにパワーアップして改良新発売となったのがヒアルロン酸を配合した機能性表示食品「ヒアロモイスチャー240」。
キユーピーでは医薬品のヒアルロン酸も製造していることから、そのノウハウを生かしてヒアルロン酸の高純度化に成功。純度90%以上のヒアルロン酸を配合しているのも注目したい点です。飲みやすく、続けやすくするため、出来るだけ小さなソフトカプセルにしたのだそう。1日4粒でヒアルロン酸を240㎎取れます。1袋で30日分。
ヒアルロン酸は、肌だけでなく体の至る所に存在しているため、せっかく飲んでも肌まで届かないのでは?と考える人もいるはず。その点、「ヒアロモイスチャー240」は、肌の水分保持に役立ち、乾燥を緩和したという研究データやメカニズムを明確にしたことで、日本初の肌の機能性表示食品として認められたのだそうです。これは頼もしい味方ですよ!
汗をかく夏は肌の乾燥悩みから解放された気になりがちですが、紫外線ダメージを受けやすい季節でもあります。また、かかとがガサガサではサンダルのおしゃれも台無し。内側からの潤いケア、今から考えてみてはいかがでしょう?
さて、今度はもうひとつの注目アイテムについて、次のページでご紹介します。
もうひとつの注目アイテムは、以前OurAgeで紹介(「ノロウイルス注意報!キユーピーからウイルス対策スプレー「ケイ ブランシュ」が登場。抗ウイルス成分はなんと卵由来!」)し、話題となった、あのスプレーです!
タマゴの力を、菌やウイルス対策にも!
「K Blanche(ケイ ブランシュ)」税込1,200円
生ものなのにタマゴが日持ちする秘密は、卵白に含まれているたんぱく質「リゾチーム」の働きが大きいのです。今までも医薬品や食品用途で活用されている成分だそうですが、キユーピーでは新たな活用性を見いだすためにさまざまな研究を重ね、独自の加工技術によって新たな抗ウイルス機能を発揮することを発見! これを「ノロクリアプロテイン」と命名し、配合したアルコール除菌スプレーが「K Blanche(ケイ ブランシュ)」です。
「ノロウイルス不活化の確認試験では、シャーレ内のウイルス量を測定して評価します」と説明してくださったのは、技術研究所 機能素材研究部 タマゴ基本素材チームの市川将弘さん。タマゴにはどんな成分が含まれ、どのようなメカニズムで働いているかなど、分子レベルで研究を続けているのだそう。
ノロクリアプロテインの可能性
最初に顕著な効果が確認されたノロウイルス以外のウイルスにも効果が期待できるとして、肝炎ウイルス等への応用についての研究も進められているようですよ。研究室ではこのシャーレーにウイルスや菌を加え、シュッとひとスプレーしてからそれらの量をひとつひとつ再測定するという、気が遠くなりそうな試験を日々繰り返しているわけです。研究者って、熱い気持ちがなければ続きませんね。もうホントに、感謝しかありません。
「K Blanche(ケイ ブランシュ)」は、原材料が、タマゴ由来の「ノロクリアプロテイン」とアルコール、水だけ。これはキッチンで使うのに、本当に安心感がありますよね。この時季は、O157を含めた食中毒やニオイの対策にも気をつけたいもの。キッチンに出しておいてもOKなおしゃれなパッケージも大きな魅力。まな板に、お弁当箱にと大活躍してくれること間違いナシです!
そのほか、「ヒアロモイスチャー240」についてキユーピーグループの通販サイト「キユーピーアヲハタネットショップ」を運営するトウ・キユーピーの井上泰孝さん(右)、「K Blanche(ケイ ブランシュ)」についてマーケティング本部の坂部展久(左)さんからも製品愛にあふれたお話を伺うことが出来ました。
キユーピーは、「愛は食卓にある。」どころか、製品に関わるすべての人たちに愛と情熱がいっぱいの会社でしたよ。
キユーピーのタマゴの研究から生まれた「ヒアロモイスチャー240」と「K Blanche(ケイ ブランシュ)」は通信販売専用。下記のサイトほか、一部のネット通販で販売されています。