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大人のきれいは、
「今」の自分を知ることから始まる
山本浩未さん
Hiromi Yamamoto
1964年生まれ。資生堂ビューティークリエーション研究所でヘア&メイクアップアーティストとして宣伝、広報、商品開発などに携わったのちフリーランスに。「今すぐ実践できるメイクテクニック」をモットーに、洗顔料を使わない「スチームON顔」など、ユニークなオリジナルスキンケアを提唱、大人をきれいに見せるセンスと技術で、幅広い支持を得ている。「拡大鏡は倍率9~10倍のものがおすすめ」とのこと
著者interview
素敵な大人の女性は
きれいでいることの
心地よさを知っている
シンプルかつ上質感のあるメイクで、幅広い年代にファンを持つ山本浩未さん、自身が50歳になり思い知ったのは40代との差。
「40代までは大丈夫だったのに、50代に入ったとたん素顔でいると疲れてる? 怒ってる? と言われてしまうように…」
その原因は、顔に余分な影ができて「色みがトーンダウンする」のと、たるみやシワといった「型崩れ」が同時に起きはじめたからだそう。メイクでそれらを上手にフォローすべきなのに、多くの女性が逆効果な結果に。その理由を、山本さんは次のように分析しています。
「素敵な大人の女性というのは、ヘア、メイク、ファッションなどがトータルでバランスよく整っていることが大事。メイクだけで若々しく見せるのはそもそも無理なのです」
しかもいちばんきれいだった(!)ときの自分に固執してしまいがち。
「年齢を重ねると、その人の持ち味がさらに濃縮されるもの。一途な人はかたくなに、メイクも盛るのが好きな人は盛りすぎに」
わかっていても、そのさじ加減は難しいもの。
「ほんの少し、持ち味にないものをプラスしてあげるだけでバランスがよくなり、アカ抜けた印象になるんです。例えば、タレントのYOUさんは、"可憐な"雰囲気の持ち主ですが、服はエッジの効いたものを合わせていて、それが彼女のおしゃれ感の秘訣。大地真央さんは宝塚時代男役トップでしたが、今は真逆の女らしいキュートなニュアンスを取り入れることで、現在も若々しいイメージをキープしています」
そこで山本さんが大人が目指すメイクとして提唱するのが「白・黒・赤メイク」。「白」は明るい肌色、「黒」はメリハリの利いた目元、「赤」は頰や唇の血色で、この3色が顔にあれば、大人のきれいは整うと断言。
「まず、拡大鏡を用意しましょう。自分の顔をじっくり見て、何がどういう状況なのかチェックすることが大切。私も自分のメイクをするときは、必ず拡大鏡でチェックしています」
「今」の自分のありのままを知ること。耳が痛いお言葉です。
さらに山本さんは、セルフケアを推奨。
「それは、ヘッドマッサージでもハンドマッサージでも、なんでもいいんです。何かひとつ、自分で自分に手をかけてあげることが大人の美容には大切。続けることで自信につながるし、お手入れすれば必ず肌は応えてくれますから」
まず今の自分を受け入れる。そして足りない部分を補い、整える。
「何よりきれいでいることは心地よいし、自分が心地よければまわりにもそれは伝わります。メイクは気持ちが元気になる方法として、いちばん手っ取り早くて効果的。利用しない手はありません」
と話す山本さんの、すっぴんにしか見えないその肌が、何よりの証拠。納得です。
『おとなメイクは白・黒・赤だけでいい』
山本浩未 著/宝島社
1,200円
明るい肌、印象的な目元、健康的な血色。「白・黒・赤メイク」は、足りなくなった3つの要素をプラスして、大人の目指すべききれいを伝授。顔立ちから4タイプ別に、メイクの仕方をわかりやすく解説。特別なコスメやテクニックがなくてもOK、今日から実践できます。
撮影/浅井佳代子 取材・原文/佐野美穗