1万枚に3枚しか取れないという、日本一美味しい海苔「有明海一番」について調べていたら、『あさご藩』という、ユニークなサイトに巡り合いました。
最初に、はなわさんご兄弟や優木まおみさんが主演する動画(私の好きな江頭2:50さんもラストに出てきます!)を観た私は、何かの映画の予告編かと思いきや、なんと佐賀県の食産品をPRするオリジナルムービーだったので、驚きました!
このサイトに興味を持った私は、今回初めて佐賀県を訪れ、食材をベースに巡る旅をしました。
ミネラル分豊富な有明海の干拓地では美味しい作物が穫れるということで、ホワイトアスパラ、光樹トマト、白石玉ねぎ、さがほのか(いちご)を栽培している農家を巡り、有明海に面した太良町で開催された、「まえうみもん」試食会にも参加させていただきました。
ちなみに、この時受けたインタビューが、当日のサガテレビのニュースにも取り上げられました。
https://www.sagatv.co.jp/nx/news/detail.php?id=2439
「まえうみもん」とは、太良町の目の前の海(有明海)で捕れた海産物、つまり「前海物」を指した、この地方独特の言い回しとのこと。
東京湾で捕れた魚を「江戸前」と呼ぶのに近いように思い、東京生まれの私はなんだか嬉しくなりました。
しかも「江戸前」と言うと粋に気取った感じがしますが、「まえうみもん」は海に呼びかけてでもいるかのような、愛情が感じられます。
この呼び名も含め、独自で豊な表現方法を持つ人々を、内心羨ましいと思いました。
この他にも、今回の旅で様々な人に会い、佐賀県各地の方言に触れることができました。
生まれた時から標準語で育った私は、方言というものを持ったことがありません。
逆に方言が無いことにコンプレックスがあり、英会話を学び、叔母のいるアメリカをはじめとし、仕事を含め世界旅行に出掛け始めました。
なので、この方言を使うというテクニックを使えないのは、惜しいなといつも感じています。
スタッフには大阪人がおり、会話が盛り上がると関西弁を使って笑いを取り、場をさらっていきます。
したがって、1番お得なのは「標準語」「敬語」「方言」を自由自在に使い分けられること!
普段は標準語で話していても、同郷の人と出会った時にはいきなり方言に変わって親近感を出し、ビシッとした場では、敬語で丁寧に場を締めることの出来る自由自在さを兼ね備える。
よく、上京してきて方言を恥ずかしがる人がいますが、コツとして覚えてしまえば、むしろ強みで、引け目に思うことなどないわけです。
今回の旅をナビゲートしてくださった県庁の方々などは、まさにこの使い分けが完璧でした。
彼らの名刺の裏には、大きく「よか、うまか、佐賀」とあり、その下に小さく「佐賀の自然が織りなす、趣のことなる二つの海と大地。美味あり、珍味あり、新鮮あり、伝統あり。」と書かれています。
これは「良い、美味い、佐賀」という意味の方言で、「二つの海」とは玄界灘と有明海を指しています。
標準語と比べてみると、やはり方言のほうがリズムと温かみがあります。
取材の道中で、普段よく使う佐賀弁を教えてください、と尋ねてみました。
・ばってん=だけども
・そいぎ、そいぎんた=そしたら(バイバイの代わり)
・やけん=だから
・いうたろう=言ったでしょう
・好いとう=好き
・えすか=怖い
・ばさらか=たくさん
・ぬらーぬら=ゆっくり
・あー、えーくろーたー!=あー、酔っぱらった〜!
・ぞーたんのごとっ?=冗談でしょ?
などなど。
ちなみに漫才師の島田洋七さんのベストセラー『佐賀のがばいばぁちゃん』で有名になった「がばい」と言う言葉は「ものすごい」という意味だそうで、本に登場するおばあちゃんの生き様はとてもたくましく、笑いと共に元気をもらえる1冊です。
また、現在佐賀市では、明治維新から150年を記念して、『肥前さが幕末維新博』が、 2019年1月14日まで開催されています。
産業革命や教育革命により、明治維新の鍵を握っていた佐賀藩の歴史を知り、文化やアート、食を体感でき、楽しめる会場やイベントがたくさん用意されているのですが、特にメインパビリオンである幕末維新記念館では、佐賀藩主・鍋島直正公(地元の人々は鍋島閑叟のことを、敬愛を込めてこう呼びます)と、弘道館で学んだ偉人たちによる対話が、佐賀弁で話されていることで、当時の熱い息吹が伝わってきました。
いつか
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