なにかとセクハラ事件が話題になっているここ数ヶ月ですが、ケースも様々で、数名の女性職員から訴えられ、辞任した某市長も1ヶ月の間にげっそり老け込み、それでも当人は「身に覚えが無い」で通しています。きっと日常化していて、基準が全然わかっていない男性なのだとお見受けしました。
「セクハラルールの3原則は『誉めない、けなさない、触らない』でしょう」と、豪語しているコメンテーターがいました。
ここで、いくつかセクハラを受けた女性のエピソードをご紹介しましょう。
もう30年以上前のエピソードになりますが、私が駆け出しのコピーライターだった、まだセクハラという言葉もない頃のことです。
バイトをしていた制作プロダクションの女社長が、取引先からいきなり電話で「週末、体空いてる?」と、わけのわからない誘いを受けたとか。
「忙しいです」と断ると「あっ、そう!」と得意先からは素っ気ない返事が。「そんなんじゃ、仕事取れないよ」と、嫌みを言われたそうです。
また、フリーランスのデザイナーの先輩は、30歳を過ぎて独身だったため、「もう、俺の愛人になるしかないな」と行く末を勝手に決めつけられ、断ると露骨に契約を解除されてしまい、激怒していました。
歌手志望の若い女性と会食後に、ディレクターが「君のこと、もっと知りたいから、ちょっと待ってて」といきなりコンビニに入り、ポンとテーブルの上に歯ブラシセットを置くという変化球! これには女性も目が点になり「このまま、帰ります」と言うと、「つまんねー女!」という捨て台詞を吐かれ、悔しくて、泣きながら帰ったとか。
逆に“おもしろい女”は、果たしてこんな横暴な男について行くのでしょうか。
皇室から勲章も授与されている、ある有名な女性写真家は、若い頃、優秀な成績で専門学校を卒業し、いざ働こうとすると「お茶をするのは女性がいいけど、仕事をするのは男性がいい」と言われ、なかなか仕事が取れなかったのだとか。食事はしても、その先の二次会を断ったら明らかにムッとされたり。
仕事がないので、仕方なく自身の作品制作に励んで、自費で個展を開催していたところ、それが大きな賞を受賞すると、今度は逆に「女だから取れたんだ」とやっかみの対象に。
70歳を越えられた今になっても、それまでのトラウマが抜けないようで「勲章をいただいた時も、その呪縛に捕らわれていて、パーティーを開く気になれなかった」とおっしゃっていました。
『セクハラ』『パワハラ』と名称がついた現在は便利なもので、「それセクハラです」や「パワハラじゃないですか!」という言葉がストッパーになるのですが、こういった言葉がなかった頃は、やられて女性が文句をいうと、「自意識過剰」や「女のくせに生意気」、「減るもんじゃなし」などと言われ、騒ぐ方が悪い、という風潮がありました。
そんな時代を過ごしてきたからか、特に50~70代ぐらいにセクハラの自覚が全くない男性も多いように思います。
「自給自足とオーガニック」に関するオープンカレッジを開く70代半ばの大学教授から「うちの講座は、とても人気があるんだけど、一度来た女性が二度目はほとんど来ない。どうしてだと思う?」と尋ねられたので、試しに一度参加したところ、講座のあとの飲み会でびっくり!
セクハラ発言しかしない英米文学の教授や、東南アジアで買春して、それこそが人助けだと豪語する会社社長など、女性陣は聞きたくもない話を次々と聞かされるはめに。
先生の講座自体はためになるので、とても残念でした。
「セクハラと、酒癖が悪いのは、とにかくアウトです!」と指摘しても、「だって、男は若くてきれいな女性が来たら、そういうもんでしょう?」と、全く理解してくれない男性陣でした。
では、そもそもセクハラされないように予防するには、どうすればいいのでしょうか?
まずは普段から「こういうことするとセクハラになるんですよね〜」などと、男性の耳に入れておくこと。
さらに「○○さんも以前、『セクハラなんて考えられない』って言ってましたよね」などと予防線を張ることです。男性はメンツを重んじるので、一度言ったことは守ろうとしますから。
下心が見えている相手なら、「そんなつもりなく食事をしていたら『この後どう?』なんて誘われて困りました。○○さんはそういう人じゃないから安心なんですけど」などと、“あなたは違う”感を出しておくことです。
男性は格好つけで見栄っ張りの人が多いので、そう言われてしまうと、なかなかそれ以上踏み込んで来られないものです。
それでも開き直って口説いて来るような相手には、「ちょっとなんか、Hなこと考えているでしょう?!」と周りに聞こえるように明るくおおげさに言うとか、「私、おしゃべりなんで、すぐに言いふらしますよ!」と、脅迫口調ではなく、茶化して言うことです。
世間体を気にする男性は、バラされてはかなわんと脅威に感じて手を出してきませんし、冗談にしてしまうことで、ムッとされたり捨て台詞を吐かれたりせずに済むのではないでしょうか?
いつか
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