セクハラにパワハラ、モラハラなどいろいろなハラスメントが問題視されている現代。暑くなるこの時季に気をつけたいのは、ニオイで周囲を不快にさせる
スメルハラスメント=スメハラ
ではないでしょうか?まさに今朝、ふみっちーは満員電車で「ン!?このニオイは何!?」と顔をしかめたばかりです。
「最近学会でも使われるようになったのが〈皮膚ガス〉という言葉です。さまざまな物質が気化して体表面から放散し、空気中を拡散して嗅覚で認識される臭気のことで、その経路は〈表面反応由来〉〈皮膚線由来〉〈血液由来〉という3種類に分けられます」
そう説明してくださったのは、皮膚ガス研究の第一人者としてTV等でも活躍している東海大学 理学部 化学科 教授の関根嘉香(よしか)先生です。
「加齢臭は〈表面反応由来〉。本来はニオイがない皮脂が過酸化物と反応することで2-ノナネールというニオイ成分を発生させます」
この加齢臭は50代以降から一気に多くなるそうですが、実は女性も30代後半から増加してしまうことがわかっています。自分からあのニオイがするなんて耐えられないっ!と自分をクンクンして確かめてみて、ホッとひと安心したと思ったら…
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「ニオイに敏感な人でも、自分のニオイには慣れてしまうのでわからないことがほとんど」と関根先生。つまり
他人がクサイのはわかるけど
自分のニオイはわかりにくい
う〜ん。「クサかったら誰か注意して!」とも思いますが、家族やパートナーならともかく、会社の人や知人にはなかなか言いづらいですもんね。
加齢臭よりもうちょっと若い30代からプンプンしちゃうのが後頭部を中心に発生するミドル脂臭と呼ばれるもの。こちらも〈表面反応由来〉で、ジアセチルというニオイ成分が犯人だそう。
「いわゆる働き盛りのおじさんのニオイで、そのニオイがどこまで届くかは部屋の換気も影響してきます。締め切った寝室などでは、部屋を開けた途端に“お父さんのニオイがする!”となり、オフィスなど換気のいい場所では“課長とは25cm離れていれば大丈夫”となるわけです」
ふみっちーが電車で「んん!?」と顔をしかめたのがまさにコレです!関根先生はニオイの元を“お父さん” “課長”と説明してくださいましたが、このミドル脂臭は女性が発生させてしまうこともあります。そういえば、友人が「自分の枕のニオイを嗅いで、いつのまにおっさんが使ったのかと思ったわ」と笑い話として聞かせてくれたことがあったっけ。普段、彼女はいいニオイがするので、すごく気をつけているんだろうなぁ。
そして〈血液由来〉は、お酒を飲んだり、ニオイのキツいニンニクを食べたときなどに発生するもの。食べ物のニオイは口からするものと思いがちですが
「呼気は4時間でニオわなくなります。しかし、その後血液を通って皮膚ガスとなると、体から発生するニオイは24時間も残ります」
たしかに、前日に深酒をした人の体臭が「お酒クサ〜い」って感じることがあります。タバコを吸う人のニコチン臭も疲れたときに発生する疲労臭も、この〈血液由来〉の皮膚ガスなのだそう。
聞けば聞くほど、スメハラの元はあちらこちらに潜んでいます。どんな生活が皮膚ガスを発生させてしまうのか、次のページでチェックしてみましょう。
自分のニオイは、どれだけニオイを発生しやすい生活をしているかに左右されます。
関根先生がチェックポイントとして紹介してくださったのが、上の8つ。3と4は汗をかかない生活をしているため、濃い汗をかきがちになり、〈皮膚線由来〉の皮膚ガスを発生しやすくなるのだそう。6のストレスと7の睡眠不足は、疲労臭の原因になるそうです。8については「ニオイの原因となる皮脂をしっかり洗い落とすことは大切ですが、洗いすぎると皮脂分泌がかえって増えてしまうので逆効果です」とのこと。お酒もお肉も、そして心配することなど何事もほどほどが肝心ってことですね。
ニオイの強さを「見える化」する新製品が登場!
7月1日(日)に、タニタから「ニオイ」をセルフチェックできるにおいチェッカー「ES-100」が新発売!上部のセンサー部分を展開すると自動で電源が入り、ニオイを測りたい部分に約10秒間近づけるとニオイの強度が数値化されます。「いいニオイ」「クサイ」を判断するものではなく、ニオイの強さを0〜10のレベルで数値化します。
こんな感じで測るわけです。5を超えると、ニオイのケアを検討したほうが良いレベルなんだとか。ふみっちーの袖あたりを測ってみたところ、数値は1でした。ホッ。
会場にはニオイが強いものとして〈ドリアン〉や〈お酢〉〈タバコの吸い殻〉などがビーカーに入れられ、計測体験が出来ました。写真は〈ブルーチーズ〉で、においの強さは8という結果でした。
そのほか、〈柔軟剤〉のニオイを閉じ込めたビーカーも!うんうん、このニオイが強すぎる人も気になりますよね。以前、ニヒルなおじさまが「娘のものと一緒に洗われ、自分の下着がフローラルの香りになって悲しくなった」と話していたのを思い出しました。自分にとってイイ香りでも、他人には不快という場合もありますよね。
たかがニオイ。されどニオイ。人は誰しもニオイを発するものですが、他人に不快だと思われないよう、気をつけていきたいものです。