BOOKS
女優に学ぶ、美しさへのアプローチ法
人生はオセロみたいなもの。だったら、楽しいほうがいい
『Age is just a number! オンナのキレイ、秘密のTheory』
萬田久子 著/KADOKAWA
1,400円
高校生のとき一念発起、ダイエットで20㎏痩せた著者。叔母が応募したミス・ユニバース選考会で日本代表に輝き女優へと道が開けた著者は、人生をオセロゲームにたとえます。未婚の母となり、事実婚の夫との死別など、まさに波瀾万丈。実践してきた今の自分を楽しむ方法には、しなやかな考え方とそれを実行するパワーにあふれていて、読むだけでも気分が上がります。
年齢を重ねてこそできる おしゃれの冒険
『草笛光子のクローゼット』
草笛光子 著/主婦と生活社
1,600円
著者は自身をおしゃれではないと断言。しかし職業柄、衣装として入手した服や小物を使っての着こなしは、どれも新たに買い集めてコーディネートしたかのように斬新でおしゃれ。その陰にはバランスボールを椅子代わりに使い、トレーニングも欠かさない日々があるからこそ。愛着はあるけど塩漬けになったままの昔の服を、今の気分で着こなしてみようという勇気をもらえる一冊。
人の心の不可思議に憑かれた 美少女の名女優への道
『美しく、狂おしく 岩下志麻の女優道』
春日太一 著/文藝春秋
1,750円
中学の頃から精神科医を目指し勉学に励んでいた少女は、勉強のしすぎで体を壊し夢を断念。目標を失ったとき、偶然出演したテレビドラマをきっかけに女優への道を歩み出します。デビュー60年になる岩下志麻は可憐な少女から妖艶な美女、極妻までさまざまな女性を演じ、そのつど見る者に強い印象を与えました。他人になれるのが女優の醍醐味と語る彼女の軌跡そのものがドラマチック。
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歌手と女優と。 二兎追いかけて今がある
『倍賞千恵子の現場』
倍賞千恵子 著/PHP研究所
920円
ヒット曲「下町の太陽」、48作続いた映画『男はつらいよ』など、歌手であり庶民派女優として活躍する著者も、時に歌手と女優の両立や演じることの難しさ、同じ役を何十年も演じ続ける重さに思い悩むことも。そんなときさりげなく支えてくれたのは仕事仲間たち。共演した渥美清や高倉健、笠智衆との信頼関係には、人はその人にふさわしい人に出会うということを実感させられます。
数字や記録ではわからない 梶芽衣子のすべてを語る
『真実』
梶 芽衣子 著 清水まり 構成/文藝春秋
1,350円
目力と自己プロデュース力で映画『女囚さそり』では、ひと言もセリフを発しないことを自ら提案、みごと大ヒット作に。「寺内貫太郎一家」では足が不自由で寡黙な長女役で180度イメージチェンジ。そして28年続いた「鬼平犯科帳」のおまさ役。媚びない、めげない、挫けないをモットーに、事に向かってきた著者は、71歳の今も前向き。遠回りでも筋を通す生き方は文句なく美しい。
作品とともに 成長する 吉永小百合という生き方
『私が愛した映画たち』
吉永小百合 著 立花珠樹 取材・構成/集英社
760円
14歳でデビュー以来120本もの映画に出演した著者。初期の代表作『キューポラのある街』から最新作『北の桜守』まで、著者自身にとってエポックメーキングとなっ た作品にまつわるエピソードが語られています。どの仕事にも真摯に、全力で向き合ってきたひたむきな生き方が現れていて、プライベートでも女優業のかたわら大学を卒業するなど、美しい人はその生き方が美しいと納得。
撮影/久々江 満 取材・原文/佐野美穂