今日のあなたは疲れていますか? ある調査によると、現代人の8割は蓄積疲労を実感しているのだそう。
現代人の疲労は「脳疲労」
「疲労は、発熱、痛みと並ぶ身体からのアラートです。昔のヒトは肉体疲労が多かったのに対し、今は運動不足に加えて脳の過緊張が長時間続く脳疲労で、その疲れを解消出来ないまま溜め込んでいます」とは、産業医の大室正志先生。
産業医とは、企業において社員の健康管理や労働環境の快適化を指導する医師のこと。現在は30社を担当し、生活習慣病やメンタルへルス対策、過重労働面談などから健康リスク軽減に務めているのだとか。
脳疲労が蓄積疲労になってしまう原因には「解剖学的にヒトは20万年前とほぼ変わってない」ことが関係している、と大室先生。
「ヒトは緊張をすると交感神経が優位になります。人類がまだサルだった頃、緊張は敵と出くわした!など一時的なものでした」
では現代人は? 何と、現代人が1日に受け取る情報量は「江戸時代のヒトの1年分」に匹敵するんですって!
「つまり、脳はモバイル機器のようにバージョンアップ出来ていないのにアプリだけが増えているから、常に容量不足になっているようなもの。さらに、今はモバイル機器の発達でいつでもどこでも仕事ができてしまう。そのため、仕事脳からプライベート脳に切り換えにくく、脳はいつまでも緊張したままです。そんな状況に置かれていることを理解して、脳疲労とうまく付き合っていくことが重要です」
大室先生が過重労働面談を行う際、社員に質問するのが上のスライドの項目とか。
「休日に、今まで好きだったことがやりたくなくなっているヒトは疲労がかなり溜まった状態です。ランチの時もPCに向かったままというヒトは、腰や眼にも負担がかかりっぱなしでますます疲労が溜まりやすくなります」
また、お風呂に関しては残業が多い人ほどシャワーで済ませがちだそう。
自律神経は、私たちの意思とは関係なく血管や内臓の働きをコントロールしています。交感神経が優位のままで自律神経のバランスが乱れてしまうと、胃酸分泌や血管収縮にも影響を及ぼし、「だるい」「疲れやすい」といった身体の不調が表れてきます。
多忙だからと、シャワーだけの入浴では深部体温を高める機会を自ら逃すことになり、「疲れているのに眠れない」という深刻な状態になることも。
「蓄積疲労の解消には、質のいい睡眠が何よりも大切です。そのためには、何も考えない時間を作って脳の過活動を抑えること。特に睡眠障害には、湯船につかって深部体温を上昇させることも欠かせません」
ヒトの身体は血流が促進されて深部体温が高まり、その後体温が下がっていくことで休息モードに入るため寝つきが良くなるように出来ています。時間効率を求めるはずの「シャワーだけ」は、かえって非効率になってしまうのです。
さて、あなたはきちんと湯船につかっていますか? 次のページに続きます。
蓄積疲労は「フロ金」で解消を!
「花王が平日勤務のビジネスパーソン233名を対象に行った調査でも、曜日が進むごとに疲れが蓄積し、金曜には疲労のピークを迎えるという結果が出ています」
そう説明してくださったのは、花王 パーソナルヘルス事業部 インバスヘルスケア ブランドマネージャーの後藤芳子さん。
さらに、せっかくの週末は充実させたいけれど、疲れをとるために「寝てるだけの日曜だった」「無駄に過ごしてしまった」という声が多いとも。
「そこでおすすめしたいのが、いい週末のために金曜の夜に疲れをリセットすること。“花金”は1980年代、週休二日制が導入された時代に生まれた言葉ですが、これからは“フロ金”で、金曜の夜に入浴で溜まった疲れを癒してはいかがでしょう」
「炭酸入浴剤」が頼もしい味方に
温浴効果を高める入浴剤開発のために、花王では30年以上も炭酸研究を続けています。
「炭酸ガスの入浴剤と言うと、発生する泡を肌に直接当てるのが効くと思っている方が多いのですが、実は違います」とは、花王 パーソナルヘルスケア研究所の成相智さん。
炭酸の泡が見えなくなるほどお湯に溶け込んだ状態になることで温浴効果が高まり、血流循環を促すのだとか。錠剤を大きくしたり炭酸泡をより小さくして高濃度に、お湯に溶けた炭酸ガスを体の中に取り入れやすくする”炭酸ガス浸透促進剤”を使ってより高浸透にと、バージョンアップを図っています。
「忙しいからお風呂は時短」だったヒトも、あったかいお風呂が恋しくなるこの季節こそ、温浴効果がもたらす恩恵を見直してみませんか? そして金曜はのんびり、「フロ金」を楽しんで充実した週末を!