見るからに美味しそうなこちらは、ヘルシーさにもこだわった「ひよこ豆と人参のコロッケ」です。
実はこれ、2012年に開催されたロンドン五輪の選手村で出されたメニューを再現したものなんですって。
ほかにも、パキスタンが発祥だというイギリス式カレー料理「鶏肉とトマトのバルチ」(ロンドン五輪)、「鶏と人参と米のブラジリアンスープ」(2016年リオ五輪)などの再現メニューが用意されていました。この後試食タイムにいただきましたが、おいしくてびっくり! 選手がうらやましくなりました。
さて、この日訪れたのは、農家直営のビュッフェダイニングが開催する「オリンピアンが考える2020年のおもてなし」フェアを記念した試食会です。
会場はこちら、丸太を利用した写真の看板が目印。今年3月に東京銀座の銀座インズ2の2階にオープンした「グランイート銀座」です。
農家直営というだけで「新鮮!美味しそう!」というイメージが浮かびますが、ここのこだわりはもっと深く、オリンピック選手村で使う食材の調達基準GAP(Good Agrictural Practice)認証の食材をふんだんに使用しているんです。安全・安心の証であるGAPの認証を取得するには、100項目以上の厳しい審査基準をクリアしなければならないんですって。狭き門なんですね。
今回のフェアでメニュー考案に携わったのは、北京・ロンドンオリンピックにバドミントン日本代表として出場した池田信太郎さん。2020年東京オリンピックの組織委員会ではアスリート委員、飲食戦略検討委員として活躍されています。
「リオ五輪にもメディアとして参加しているので、選手村での食事を3回経験してきました。そこで強く感じたのは、ヴィーガンやハラールなど、国によって異なる文化や宗教にも対応するメニューが必要だということ。食事は選手のパフォーマンス維持にも大きく関わります」
ヴィーガンとは「動物性食品を食べない完全菜食主義」のことで、日本でも認知度が高まってきていますよね。ハラールは、イスラム教の教えで豚肉、アルコールが禁止されています。調理道具も豚を使用したことのない専用のものを使うし、アルコール消毒も使ってはいけないのだそうです。また、ヴィーガンもハラールも、その方ごとに、OKなもの、NGなものの範囲が違う場合も多いのだとか。飲食店でも、いろいろ勉強が必要ですね。
メニューを考案した人はもう一人…。
池田さんとともに今回のメニューを考えたのは、広尾にある日本初のケアリングフードレストラン「エピキュール」のオーナーシェフである藤春幸治さん。ケアリングフードとは、食の志向が違う人たちも同じテーブルで一堂に食事が楽しめるよう、個々に調理をするものなんだとか。
「ダイエットやアレルギー、宗教などで食べられないもの、食べたくないものがあるという人は多くいらっしゃいます。そんな方たちに対応するメニューを考えました」
そんなお2人によって考案された「オリンピアンが考える2020年のおもてなし」メニューがこちら。ベジタリアン、ヴィーガン、グルテンフリーなどに対応した美味が8月4日(日)までの期間限定で楽しめます。
ヴィーガン対応の「長ねぎと青のりの生春巻き」
ハラール対応の「ハラール認証の鶏胸肉のポシェ スパイス焼き」
そのほか、「グルテンフリーのパスタサラダ」やグルテンフリーにも対応の「ヴィーガン担々麺」「ヴィーガンフォー」など、食材に制限があっても「こんなメニューまで楽しめるの?」と驚かされるお料理がいっぱい! しかも、制限があるとあっさりした味になりそう、満足感が…なんていうのは、思い込みだったと反省。どれも本当に美味しい! また、過去の選手村再現メニューも、種類を随時変えて登場します。
ランチタイム(11:00〜15:30※最終入店14:30)90分制 食べ放題+ソフトドリンク飲み放題で平日¥1,950、土・日・祝¥2,300
ディナータイム(18:00〜22:00※最終入店20:30)は120分制 食べ放題+ソフトドリンク飲み放題で平日¥3,500、土・日・祝¥3,800
※ランチ、ディナーともに子ども料金もあり
東京オリンピック開催まであと1年。海外からやってくる多くの人たちのためにも、多種多様な食習慣や宗教を考慮しながら一緒に楽しめる食事を提供することは、今の日本のレストランにとっての重大な課題なのかもしれません。そんなメニューをいち早く考えた「グランイート銀座」のこのフェアは、食事制限をしている人もしていない人も、あるいはグルテンフリーに興味がある、なんて人も、1度食べてみると目からウロコ!ですよ。
「グランイート銀座」