会場の外には、工学博士であり、生活史と家具インテリア史の研究家である小泉和子さんが監修した「日本人と拭き掃除」の歴史を紐解くパネルが展示されていました。
日本の拭き掃除の歴史は古く、古代には柄の付いた「棒ぞうきん」が使われ、室町時代から木綿の古布を使っての拭き掃除がされるようになったとか。明治以降にはバケツが登場し、ぞうきんを洗っては拭くというお掃除が一般的に。右の写真は昭和時代。見たことのある懐かしい風景です。
左は1953年に撮影された写真。それよりちょっと後の時代になるけれど、私たちOurAge世代も小学校で机を拭いていましたよね。そして時代は変わり、平成には拭き掃除ロボットが登場したのです。
お掃除ロボットと言うとゴミを吸い取る掃除機のイメージがありますが、床はフローリングが主流の現代、裸足で気持ちよく歩ける床をキープするには、掃除機とは別に拭き掃除も必須です。とはいえ、床全部となるとなかなか面倒で手抜きをしたくなることも…。そんな拭き掃除までロボットがしてくれるとは、本当に便利な世の中になったものです。
右が、7月26日(金)に新登場したアイロボットの床拭きロボット「ブラーバ ジェットm6」(¥75,470※公式オンラインストア価格、税込。以下同)です。
アイロボットでは以前にも床拭きロボットを発売していますが、令和元年の新製品は改良版というよりルンバ最高峰の拭き掃除版といったところ。まず、写真左のロボット掃除機「ルンバi7+」や「ルンバi7」と連携、掃除機でのお掃除が終わると自動で拭き掃除が始まります。※2019年末にはルンバ900シリーズとも連携が可能になる予定
ルンバを使っていない人にとっても、さらに賢く便利に使える新機能を備えています。まず、家中の間取りを学習・記憶するマッピング機能を新たに搭載。家具やカーペットなどの障害物も記憶して最適なパターンで動いて拭き掃除してくれるんです。
「部屋を区別出来るので、家全体は2日に1回、汚れやすいリビングは毎日などと設定することも可能です」とは、プロダクトマーケティング部長の山内洋さん。充電切れになったらホームベースに戻って自動で充電、さらにお掃除を自動的に再開するのもこの機種からの新たな機能とか。まさにルンバ並みの学習機能を備えたわけです。
iRobot HOMEアプリを使えば、お掃除する時間や部屋の選択といった操作を外出先からでも設定できるように。また、この秋には、進入禁止エリアの設定ができるようアップデートされるとのこと。例えばペットの食器まわり、花びんや靴が置いてある場所などを避けて拭き掃除するよう学習してくれるんです。
実際に動く様子も見学してきましたよ。
デモンストレーションでは、iPadで操作していました。登録されたお掃除ロボットの名前は「ルンちゃん(ルンバi7+)」と「ブラーバ君(ブラーバ ジェット m6)」!(笑)。ルンちゃんが玄関を掃除した後、ブラーバ君がリビングを拭き掃除するよう設定しています。
ルンバとブラーバが置かれている手前の床がリビング、ラグが敷かれている奥の床が玄関としています。アプリで設定した通り、まずはルンちゃんが玄関に向かい、隅々までキレイに。ホームベースに戻ってきたら、今度はブラーバ君がリビングを丁寧に拭き掃除し始めました。
家電だけど、何だか可愛い〜。ルンちゃん、ブラーバ君と名前を付けたくなっちゃうのもわかります。Cloudを通して動いているので、同じ部屋に置いてなくてもきちんと連携されます。GoogleアシスタントやAmazon Alexaを使っているご家庭なら、話しかけるだけで操作することも可能になったとか。
から拭きモードだけでなく、ベタベタした床などは水拭きモードで。本体からジェットスプレーで水がシュッと出てきます。障害物を感知して動くので家具やじゅうたん、壁などを濡らす心配は不要。もちろん、段差も感知するし、薄型なので手の届きにくい家具の下などもスイスイ入り込んで拭き掃除。
本体のタンクに水と一緒に入れて使うブラーバ ジェット床用洗剤(¥950)もあります。こびりつき汚れやキッチンの油汚れなどに使うと良さそう。さわやかな香りです。
「私たちが目指すスマートホームとは、ロボットの集合体が家になること。例えば玄関の前に立つと自動で玄関が開き、部屋に入るとエアコンが既に稼働している。ジュースも出てくるなどと家にあるロボットが連携しているわけです」とは、この発表会の冒頭での代表執行役員 社長の挽野元さんの言葉。
現代は、設定しておけばその時間にエアコンや部屋の電気が稼働したり、お風呂が沸いたり、音楽が流れたりといろいろなことが自動化されてきていますよね。でも、それらはそれぞれにリモコンがあったりして、煩雑なのが現状。そこで「ロボット同士が連結すること」を目指しているんだそうです。
今回の新製品では、ルンちゃんとブラーバ君の連携が叶えられました。理想とするスマートホームが現実になるのも、そう遠くないのかもしれませんよ。