こんにちは、イタリア在住の水ソムリエ&水鑑定士の竹村和花です。
今年は年末帰省でのんびりと日本のお正月を満喫しています。
日々ヨーロッパの温泉や水に触れていると、日本に戻るたびに水道水をはじめ、お風呂に使う水も、温泉も、日本ならではの水質・水タイプだと痛感します。
今回は日本の暮らし文化と深く関わる水に感激しきりの気持ちを込めて、水道水も含めた水タイプについてお話したいと思います。
ミネラルウォーターに限らず、食べもののラベルや温泉・水道水の分析には度々登場する言葉ですので、知っておくととても便利です。
<水タイプって何?>
「水タイプ」は、言葉通り「水の性格を示すことば」です。
日本では、よく人の性格を「血液型別」にグループ分けしたり、「県民性」を区別したり比較したりしますが、水タイプもそれと同じで、どういった基準で何を見ているのかが数字で示されています。
今回は、水道水やミネラルウォーターに表示される基本的な水タイプについて紹介します。
【水のタイプを示す言葉】
水道水も含めミネラルウォーターのラベルには必ず登場する言葉があります。
『pH(ペーハー)』と『硬度(こうど)』です。
日本の場合ボトルウォーターのラベルには、この基本的な水タイプが2つ書かれています。
『pH』は、水の酸性度(味覚としては酸味)やアルカリ度(味覚としては苦味)を示す単位です。
子どもの頃、理科の実験で酸性・中性・アルカリ性を調べるリトマス試験紙で実験したのを覚えていますか?
レモンの絞り汁のように酸度が高いものは、pH値は小さくなります(0~6)。
逆にコンニャクのようにアルカリ度の強いものは、pH値は大きくなります(8~14)
また牛乳のように酸性でもアルカリ性でもないものは、中性といってpH値が限りなく7に近づきます。
また『硬度』は、水(1L)に含まれているカルシウムとマグネシウムの量を示す単位です。
水の硬度が120mg未満であれば、軟水。120mg以上あれば硬水となります(WHO基準値による)。
硬度は公式を使って計算しますが、公式があると応用ができて便利なのでここで紹介しておきますね。
<公式> 水の硬度=(カルシウム量mg/L×2.5)+(マグネシウム量mg/L×4)
日本の場合、水道水の硬度平均は約50mgで、典型的な「軟水王国」といえます。
帰国するたびに思うのですが、日本のお水って本当にまろやか!
それに、水道水ひとつとっても水質管理が素晴らしく、安心して安全な水を飲むことができます。
しかもそのまま、飲料水として使えるなんて!
日本に居ると意識することはないかも知れませんが、世界には水道水が飲めない国も多いのです。
またpHや硬度以外にもラベルに書かれた水タイプを示す言葉は沢山あります。
例えば『発泡』と『無発泡』。これは、水の中に炭酸成分が含まれているかどうかを示す言葉です。
また『温泉』『鉱泉』※は、水に含まれるミネラルの量や湧水温度などを示す言葉です。
※日本の温泉法では25度以上の湧水を温泉、それ未満の温度の湧水を鉱泉(冷鉱泉)とよんでいます
pHや硬度はよく耳にする言葉ですが、それだけが絶対的な水タイプを示す言葉ではない、ということを覚えておいて下さいね。
また水タイプを示す色々な基準や言葉は、その意味が分かるようになると数字に振りまわされることなくミネラル水の性質を正確に理解できるようになります。
次回は『私に必要な水』の選び方と『効果的な飲用法』を紹介したいと思います。
今回のおすすめ銘柄は、イタリアのもの。次ページに、ミネラル構成や飲み方も詳しく書いていますので、見てみて下さいね。
<1月のおすすめ銘柄>
ULIVETO(ウリベト)
1868年から続くイタリアの名門ミネラル水の1つで、微量成分シリカなどを含め総量約2500mgの天然ミネラルが溶け込んでいます。味は強くて個性的。スープやシチューなど冬場の煮込み料理に使いたいミネラル水です。
【水タイプ】
産地泉源:イタリア/トスカーナ州
発 泡 性:〇炭酸のみ
湧水温度:*
知覚ほか:微酸味,無色/ pH5.8
ミネラル:重炭酸塩574mg,カルシウム172mg,塩化物81.1mg,フッ化物1.0mg,リチウム0.18mg,マグネシウム26.2mg,硝酸塩7.2mg,カリウム7.3mg,ナトリウム73.1mg,硫酸塩102mg,シリカ8.3mg,二酸化炭素1404mg,※イタリアにおける分析結果(per.L)
【水ソムリエの飲み方レシピ】
カラダの中の水分不足はお肌の状態にも大きく影響します。効果的な水を、効果的に補給しましょう。
個性的な味の炭酸水は果汁で割るのがベスト。スチールウォーターの場合は料理水として活用して下さい。
また1日に飲む水の量は、冬場でも意識して1.5Lくらいは飲んでいきましょう。
◆素肌力をUPするには◆
素肌のコンディションは1日に飲む水分量や睡眠時間、栄養・ミネラル補給をはじめメンタル環境によっても大きく影響されます。素肌力を上げたい方は、ストレス耐性をUPしてくれるミネラル成分を沢山含んでいる水を選んでみましょう。ミネラルの多い水は、どうしても味が個性的。水として飲むことに囚われずスープや洋風鍋といったお料理用水にミネラルウォーターを使ってみて下さい。お料理の味が本格的になる上に、うす味に仕上げてスープまで頂けば体も温まり、ミネラル補給もできて一石二鳥、いえ一石三鳥です。
<ショップ情報> インターネットのショップ,アマゾン,KALDIなどの輸入食料品店