幸せそうなジョージ・クルーニーに会いました。
”結婚に向いてないタイプ“と自ら言っていた彼ですが、最初の結婚が離婚に終わって、20年以上バチェラー(独身)人生を貫いた後、レバノン系英国人の才媛、人権問題を扱う弁護士アマル・アラムディンと2年前に突然結婚しました。ヴェニスでのとっても派手な結婚式を、世界中のメディアが報道してましたよね。
今年の1月末にコーエン兄弟が監督した『ヘイル、シーザー!』(日本公開は5月13日)の公開時にインタビューしました。そのとき「今、すごく幸せだよ。どうしても結婚したいと思う女性に巡りあうことができたんだ。 人生、チャンスに恵まれたらそれをつかみ取らなければね」とニコニコ顔。この時“desperately “ 結婚したかった、と言ったのですが、 これは“必死で”とか“絶望的に”といったニュアンス。この一言で彼のアマルに対する強い愛が伝わって来ました。
ミセス・クルーニーのアマル・アラムディンは他のインタビューで、「恋に落ちたから結婚したい、というような簡単な決断ではありませんでした。ジョージと徹底的に話し合った結果の結婚です」と言っていました。
去年のゴールデン・グローブ賞でライフタイム・アチーブメント賞に選ばれ、新妻アマルを連れて来たジョージに「ジョージ、あなたはなんで自分と同じ年代の女性とつき合えないんでしょうか?」との司会者のジョークに、会場は大爆笑でした。彼55歳、アマルは38歳で年の差は確かにあります。やはり地球規模で人権問題に取り組んでいるジョージにとって、探し続けた理想の女性だったんだと思います。
「人生変わりましたか?」と聞かれて「誰の人生でも良い時ばかりなんてあり得ない。人生にしてもキャリアにしても、常に山頂に留まる事はできないし、アップとダウンを繰り返して進んで行くのが人生だと納得してる。ダウンの時はアップの時より時間がゆっくり経過するように感じ、暗雲が晴れる事はないんじゃないかと思ってしまう時もある。
いろいろな体験から、人生は運という自分でコントロール出来ないものに左右されていることも十分承知するようになった。だから素晴らしい幸運に巡り会えたらそれをものにしなければね」と真面目な顔で答えてました。
ジョージ・クルーニーは人間として素晴らしい人だと思います。男っぽいという言葉がぴったりな人です。最初に会ったのは1997年『バットマン&ロビン』の時ですから、20年前。自分を笑える“正直な大人の男“の印象はずっと変わっていません。もちろん頭脳明晰でユーモア抜群です。
一時、ガールフレンドが置いて行ったペットの豚のマックスが同居人だったのは有名でした。マックスは何年か前に他界して、今は犬が二匹いるそうです。一匹はジョージが三年前にレスキューしたアインシュタインと言う名の雑種犬で、もう一匹はバセットハウンドのミリーで、アマルが気に入ってレスキューした犬だそうです。捨て犬や捨て猫を収容しているところに犬を探しに行った時、このバセットハウンドが檻の中からじいーっとジョージとアマルを見つめていて 、この犬を連れて帰ろう、とふたりは決めたそうです。
住んでいるハリウッドヒルズの家から1時間はかかる捨て犬収容所まで出向いて行ったというのが、人権問題の為に世界中を回る彼らにピッタリで微笑ましいですね。 ロンドンをベースに活躍するアマルですから、ふたりはイギリスにいる時間が多いわけですが、現在の生活のベースはL.A.、ロンドン、イタリーで「この3箇所が僕たちのホーム」だと言ってました。人当たりが柔らかく、いつも目元に優しさを漂わせているジョージですが、彼がここまで来るのには、自分に、人生に、仕事に対する厳しさを持って進んで来たはずです。
「どんなに遅く寝ても朝7時には起きてコーヒーを沸かし、もちろんネスプレッソで作るんだけど(笑)、それから一日のスタートとしてやることがたくさんある。僕にはいつも守ってるある種のシステムがあって、けっこうそれをきちんと守って生活するんだ。それが妨げられて脱線してしまうのを極力避けてるんだ。ロンドンにいる時は書き物が進む。ロスにいる時より世事から自分を隔離しやすい環境だからね。アマルはその反対でロンドンでは友達に会ったり家族に会ったりで忙しいけど、ロスではそれがなくて仕事がしやすいと言ってるよ」。アマルとの幸せな日々を覗かせてくれたジョージ。
つい先日ヒラリー・クリントン大統領候補のために、基金集めのディナーパーティを自宅で主催、George & Amal Clooney の名前で錚々たるメンバーを招待し、多大な基金を集めたばかり。1人あたり3万4千500ドル(約380万円)。バラク・オバマ現大統領のためにも1億6千万ドル集めたそうです。
ハリウッド人種は計算の物差しが違いますね。