・「フランス人は10着しか服を持たない」
・「フランス人の40歳からの生きる姿勢」
・「パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ」
・「パリ流おしゃれアレンジ!」
……
「フランス 本」で検索すると出てくるわ出てくるわ、フランスやパリジェンヌを題材にしたエッセイ。
そういえばOurAgeでも、「読書でワクワク!アンチエイジング」で、ライター山本さんが「それでも暮らし続けたいパリ」という本を取り上げてくれましたっけ。
日本人はやっぱりフランス好き。かくいうふみっちーもその1人です。
パリくらいしか知りませんが、あの美しい街を歩いているとワクワクするんですよね。暮らしているといろいろなストレスは溜まりそうですけど…。
そんなパリ暮らし20年!フレンチエスプリを存分に吸収した真打のエッセイが登場です!
「人生後半をもっと愉しむ フランス仕込みの暮らし術」
(家の光協会刊 1,500円+税)
著者はエッセイスト吉村葉子さん。1979年に渡仏し、20年間をパリで暮らします。その間に子育てを経験し、取材活動を続けました。帰国後は日仏文化の違いをシャープに捉えたエッセイを多数発表、また趣味が高じてフランス風焼き菓子店を開いていたほどの料理好きでもあります。
そんな経験から描かれるエッセイは、もちろん「パリ最高!」一辺倒の本とは一線を画しています。
パリをはじめフランス、ヨーロッパで集めてきた小物、食器(スゴい量!)、本、ファブリックなどは登場しますが、テーマは一貫して「日々を愉しみ、心地よく暮らす」こと。そこに20年のパリ暮らしで培われたエスプリが遺憾なく発揮され、思わず目からウロコがボロボロ。
たとえば…
・装いはあくまでも「自分らしさ」に軸足をすえて考えてみることです。Tシャツを1枚買うときも何枚か選んで鏡をのぞいてみましょう。そして「鏡よ鏡、どれが私に似合うかしら」と、鏡に問いましょう。
・料理も文章と同じで、うまい必要はないと思います。巧みでなくても、胸にジーンとくる文章を私たちは読みたいわけです。料理にしても、小手先だけのきれいなものより、作り手の心がこもった料理がうれしい。
・人生、苦しいことばかりだと思っていては、とどのつまり自分が損です。40代以降は、50代も60代も70代も同じ。心の持ち方しだいで、人生が明暗を分かちます。さあ、これからがおもしろい私たちの人生の幕開けです。
パリ暮らしは吉村さんにとって、貴重なエッセンス。その養分を活かしきり、生活を思う存分愉しんでいる姿が見事です。巻きスカートやエプロンを手作りしたり、焼き菓子店で大人気だった14種類のクッキーを作ったり、掃除を段取ったり。本当にごくごく日常の営みですが、心から愉しんでいる様子が伝わります。
そして、読んでいると心地よいのは、日本語が美しいこと。これもパリと日本を行き来するなかで培われたものかもしれません。ハンパに流行語を使ったりするより、丁寧で美しい日本語で文章を書いたり話したりする方が、エレガントだということを学ばされて、思わず襟を正したふみっちーなのでした。
みなさんもゼヒお手にとって、読んでみてくださいね!
<吉村葉子さんHP>