こんにちは、水ソムリエ&水鑑定士の竹村和花です。
6月に入り梅雨空が続いています。
今回はこんな季節にこそ、華やかに楽しんで頂きたいクレンジング・ジュースのご紹介です。
FBで見つけて以来、次回帰国したら絶対行きたい!と思っていた大阪の「ビー・アップ・クレンジング・ジューサリー」さんに、カラダを内側から浄化してくれるカラフルなジュースのお話を伺ってきました。
<誰よりもクレンズの効果を疑っていたからこそ>
6月に入り、水道水であれミネラルウォーターであれ基本的に水は生のもの、というお話をしてきました。
そこで今回は、夏場いたみやすくなるビタミン・ウォーターやフルーツ・ウォーターに代わって、ぜひ挑戦して頂きたいクレンジング・ジュース(以下、クレンズ)のお店を紹介させて頂きます。
2015年秋にオープンした「ビー・アップ・クレンジング・ジューサリー」(以下、B.UP)は大阪・梅田から地下鉄・四つ橋線で一駅の肥後橋・靱公園(うつぼこうえん)エリアにあります。
B.UPのクレンズは、目にも鮮やかで気分も華やぐカラフルな生ジュース。しかも水を1滴も使わない“正真正銘の果汁と野菜汁だけでできた”クレンズです。
オープン以来お店のキッチンで徹底されていること、それは「自分の家族に食べさせられるかどうか」。
オーナーの上本さんはショップの構想段階から、本場アメリカのクレンズ・ショップを訪ね巡り「飲みやすいフルーツ」だけでも「飲みにくい野菜」だけでもない、バランスの良いクレンズを作ろうと決めました。
そのため、B.UPのクレンズは見た目も華やかで、飲み口もフルーツや新鮮な野菜の香りを感じるほど優しく、苦みや渋みなど青汁系独特のクセがなく本当に爽やか。
「どんなにカラダに良くても、おいしくないと続けられないと思って…」
クレンズのレシピはすべてオーナーである上本さんが作ってきました。材料となる野菜やフルーツの配合、栄養学的に効果があるとされているものやグレープフルーツなど医薬品との拮抗作用(薬の効果を果物や野菜の成分が阻止してしまう事)のある成分など。
「調べものをするのが好きなんです…調べて、実験してみて、エビデンスをつきつめるのが楽しい」という研究的な商品開発が生んだ、サラダジュースのようなレシピばかり。
――もともと、美容や健康やクレンズに関心が高かったのですか?――
「いえいえ。むしろその逆で、誰よりも私が一番クレンズの効果を疑っていました(笑)。でもある時、身近な友人の1人がクレンズを生活に取り入れはじめて。その時は何故そんな高いものを…と思って見ていたのですが、1年くらいした頃に、スタイルも体質も血液検査のデータもびっくりするくらい変わってゆくのを見て。1回、1回のクレンズは目に見えた変化を生むものではないけれど、続けることによって大きな変化が生まれる事に、逆にこころ動かされてのスタートだったんです」
ただ、いつも心がけているのは“それだけが全てではない”ということ。
色々なことを調べ、極め、つきつめてゆくと、ひとはどうしても「これが全て」になりがちだけれど、極めても深めても、常に“それだけが全てではない”と。謙虚さと静けさを感じる、印象的なひとことでした。
上本さんにお伺いした話は次のページにも続きます。
<ロー・ジュースとコールド・プレス・ジュース>
ところで、野菜でもフルーツでも「加熱・調理するよりも生で食べた方が栄養価は高い」というのは本当なのでしょうか?
「そうですね、確かに熱に弱い栄養素が多いのは事実なのですが、ニンジンのように熱を加え、オイルで炒めた方が栄養価がプラスONされるものもあるので、やはり1つ1つの野菜種によっても違うものなんです。それにクレンズの場合、野菜の種類や育ち方によっては、寄生虫や土壌菌・病原菌の混入という事も考えなくてはならないので、無農薬であることや有機野菜だけが良いか?というと、そうでもないんです」
そのため、ショップでは無農薬の“葉もの野菜”は一株ひ一株すき間まで丁寧に手洗いします。
安全性を優先した減農薬であっても、念入りな水洗いはもちろん、家庭のキッチン同様に表の皮の部分は惜しげもなくざっくりと切り落とすなど残留農薬に対する基礎的な食材の扱いを徹底しているのです。
ジューサーにかける前に見せてもらった、キレイに輝く新鮮なリンゴも、ひとつひとつ実の具合を確かめながら洗い、磨き込まれた結果だったのですね。
そもそもロージュース(Raw Juice)とは、生ジュース。ショップで使用するジューサー機はアメリカやヨーロッパ製で、瞬間的に圧搾し皮や繊維質と水分(果菜汁)を分離して作ります。
日本の場合、北米やヨーロッパの気候に比べアジアの亜熱帯気候に近く、それはイコールで雑菌や昆虫・生物類の繁殖力が爆発的に増すことを意味しています。そのため、果肉の深くに産み付けられた卵が生ジュースに混入するのを防ぐ、という意味で野菜の安全性には高いリスク管理が必要なのです。
これに対しコールド・プレス・ジュース(Cold Pressed Juice)は、製法を2工程に分け、時間をかけて野菜やフルーツの水分をゆっくりと抽出します。上本さんによると、もともとコールド・プレス・ジュースの方は欧米ではガン患者向けの療養ジュースとして取り入れられていたもの、とか。消化吸収を助け、体内のコンディションを整え、カラダを内側から浄化してくれるもの。まさに、クレンジング・ジュースなのです。
体力のない人でも、免疫力が落ちている時でも、安心して飲めること。
B.UPのクレンズは、野菜や果物を「全て生で食べる」という意識があるからこそ、プロとして1つひとつの食材選びや製法、それに管理の仕方など細やかに慎重にならざるをえないのです。
<1ショット約1kgの生野菜を基本にしたクレンズ>
1ショット(350ml)¥780~1060のクレンジング・ジュースが、恐らく日本一コスパを重要視する大阪で受け入れられ、定着するには相当の理由があります。
カウンターでオーダーしソファに掛けると「今からこちらを搾っていきますね」と言って見せられるのが約1Kgの「お野菜くだものセット」が乗ったパレット。
そのボリュームに、まずびっくり。そして、組合わされた野菜やフルーツの種類にもびっくり。
ベテラン主婦であっても、毎日カンタンにお料理できるような一般的な野菜ばかりではないのです。ズッシリとしたパレットの重みは、そのままジュースの重みに…
思わず、「50代の女性のお客様、多いですよね」と問い直してしまいました。
女性なら、この季節、旬を迎える野菜やフルーツの種類やお値段が概算ですぐに計算できます。その上で、これだけの量を食べる事の難しさ、これだけの種類を料理する事の難しさ。そのすべてが分かるからこそ、開店以来、納得のファンが増え続けているのです。
――会社の近くに1本100円の自販機があるのに、10倍もするジュース買いに来てしまいました――
そんなことを言いながら通ってくれるサラリーマン男子もいるんですよ、と教えてくれた上本さん。
「食べものは3日単位でリセット」というキーフレーズも印象的でした。毎日たくさん野菜を取ることは無理でも、3日単位でコントロールする。気になる時に取り入れるスタイルでもいい、無理なく続けること。
大阪にお出かけするなら、ぜひ大阪人も納得のホンモノのクレンジング・ジュースを試してみて下さいね。
B.UP CLEANSING JUICERY(ビー・アップ・クレンジング・ジューサリー)
☎06-6441-9009
大阪市西区京町堀1-15-9 リンクハウス京町堀1F
http://bup-cleansing.com/
※定休日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌火曜日)
地下鉄四つ橋線・肥後橋駅7出口より徒歩11分※「京町堀1」交差点を西に入る
おすすめ銘柄は、次のページでご紹介します。
<6月のおすすめ銘柄-2>
白湯(湯ざまし/大阪市 水道水)
大阪市の水道水が劇的に美味しくなったのは、高度浄水処理システムが導入された2000年。オゾン殺菌と粒状活性炭による浄水処理で、現在トリハロメタンは規制値の1/10にまで抑えられました。導入後は夏場のカビ臭もなくなり、オゾン殺菌によって微生物の除去にも大きな効果を上げています。
今回、水道水をあえて「今月の銘柄」に推薦させて頂いたのは、夏場の衛生条件はもちろん、水道水の水源をたどると川に行きつくという水環境にあります。“水の国 日本”では、都心部であっても川が水道水源として生きていることを感じて頂きたいなと思います。
【水タイプ】
産地泉源:大阪市水道局/淀川水源
湧水温度:17℃前後 ※河川水源のため分析時の水温
知覚ほか:無臭/pH 7.5~7.6
ミネラル:亜鉛0.1mg↓,鉄0.03mg↓,ナトリウム16mg,塩化物12mg,フッ素0.08mg ※H27年度.大阪市水道局による分析(per.L)
【水ソムリエの飲み方レシピ】
今回はB.UPのオーナー・上本さんが実践されている「水道水で作る軟水のミネラルウォーター」の作り方をご紹介します。和物のインテリアとしても美しい「鉄瓶」。水道水の水を、一度しっかり沸騰させて残留塩素を飛ばした白湯を飲む方法です。鉄瓶は名前の通り「鉄」でできていますから、お湯を沸かすことで水の中に鉄が溶け出します。『軟水だけどミネラルたっぷり』な白湯で、鉄分を補給していきましょう。
<ショップ情報>
今回は各市町村の「水道蛇口」が「おすすめ銘柄」の水となります。水道週間にちなんで、地元の水道水に目を向け水源地ツアーなどにお出かけ頂くのもおすすめです。