こんにちは、水ソムリエ&水鑑定士の竹村和花です。
いよいよ本格的な夏が近づいてきました。海や湖、渓流や谷川など水辺へのお出かけが恋しい季節です。
海辺の風景や水の音色や波の音など、水には様々な癒し効果もあると言われます。
夏場、水辺の旅は涼やかで楽しく、旅先の自然やその土地の持つ豊かな暮らし文化に触れることもできます。
今回は夏のヨーロッパから、この季節にこそ訪れたいドイツ・ライプツィッヒの水辺の旅をご紹介しますね。
<水でめぐる旅 ―ドイツ・ライプツィヒ->
ドイツ東部(ザクセン州)にある観光都市・ライプツィヒ。
ここはメンデルスゾーンやバッハ、リスト、シューマン、ワーグナーなど有名な音楽家ゆかりの都市として国際的に知られています。
ライプツィヒという街の名前から、誰もが最初にイメージするのは“音楽”ですが、実はライプツィヒで暮らす人々の身近な生活要路として“運河”があります。
市内中心部からトラムでアクセスできるKarl-Heine-Kanal(カール-ハイネ運河)。
高級住宅地とビジネスゾーンを結ぶ水路は、なんと全長200kmもあります。
水辺にはモーターボートでの往復ツアーやレンタル・カヌーなど、観光客でも気軽に運河めぐりを楽しめるボートハウスが点在します。
ビジネスや観光客それに学生など人々が密集する市内中央部の喧騒に比べ、静けさに満ちた水辺のエリアは、ライプツィヒに暮らす人々の日常に触れられる特別な場所です。
ところが誰もが気軽に楽しめるこの運河クルーズは、日本ではあまり知られていません。
<暮らしに溶けこむ水路 ―気軽に運河クルーズ―>
ライプツィヒの人々が愛する、水辺の自然と触れ合う暮らし。
それを気軽に体験できるのがKarl-Heine-Kanal(カール-ハイネ運河)のボート・ツアーです。
カヌーやカヤックはもちろん、ボートだって一度も体験したことないのに…なんて心配は無用です。
運河沿いにあるボートハウスの中には、モーターボートでのんびり水路をめぐるコースもあり、観光客でも気軽にクルーズ体験ができます。
カヌーやカヤックのように水濡れの心配もなく、水路なので大きく揺れることもありません。
何より楽しいのは、ボートから見る風景。そこにはライプツィヒで暮らす人々の日常があります。
今回ご紹介するのはKlingerweg通りの名前がついたボートハウス・クリンガーヴェーク。
運河クルーズの所要時間は70分ほどで、1人あたり12ユーロ(2016.6現在)ほどです。
定員20名程のボートが波止場から離れると、すぐに近代的なガラス張りの高級マンションやカフェ、レストランが登場します。
また水辺には生きる沢山の生きものが次々と姿を現します。
萱(カヤ)の群生地で暮らすヌートリア、美しいレストランやヴィラの桟橋で羽根を休めるカモ。
アーチ形に弧を描く橋や古いブロック橋、鉄筋で両岸を繋ぐ近代的な車道橋。
時には頭上ギリギリの歩道橋を幾つもくぐりながら、ゆったりと水辺を進みます。
流れに乗って、静かに並走するプライベート・カヌー。
すれ違うカヤックには、まだ2歳ほどの小さな子どもに浮き具を着せてお買いものに出かけるママの姿も。
水面に大きく枝を垂れた柳の古木、群れ賑わうスイレン。
まるで物語に登場しそうな緑や花に包まれた家。小さな桟橋につながれたボート。
人びとの暮らしの中で、この水路がいかに豊かな存在になっているのかが良くわかります。
静けさに満ちた水辺の風景は、ライプツィヒの人々が最も愛する身近で日常的な自然との関わり方そのもの。
これが同じライプツィヒかと思うほど、全く異なるイメージ、違うアングルで街が見えてきます。
【運河クルーズ】
店舗 Boathouse on Klingerweg ※カール-ハイネ運河めぐり/モーターボート往復旅行ほか
住所 Klingerweg 2.04229 , Leipzig
☎ +49 0341 4806545
夜には、また違った楽しみが! 次のページに続きます。
<音楽の街・ライプツィヒ>
緑輝く夏場、水辺をめぐる運河クルーズは一番のおすすめですが、夜はライプツィヒ本来の持つ魅力的なコンテンツとして音楽も楽しみたいもの。
トーマス教会少年合唱団やゲヴァントハウス管弦楽団。
それに作曲家バッハ、メンデルスゾーン、シューマン、ワーグナー、瀧廉太郎らゆかりのこの街では、夏場、週末が近づくと美しい中庭に面したレストランのテラスなどで夜会コンサートが開催されます。
私が出会ったのは、屋外での夜会コンサート。夕食のあとホテルに戻る途中でのことでした。
石造りの街並みに木霊するフル・オーケストラの凄まじい演奏。
熱っぽい演奏に惹かれて足を止めた観客が群れ、通りにあふれていました。
コンサート自体は21:00に終了していたのですが、観客の熱烈なアンコールを受け時刻は既に22:00を過ぎていました。
楽曲は進み、コンダクターのスピーチの後、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のテーマが始まると、観客の盛り上がりは凄まじく、演奏は最高潮に。
ライプツィヒには「ライプツィヒの自由(Leipziger Freiheit)」の精神が息づいています。
それは、小さな日常の暮らしスタイルの中にも、音楽家をめざす多くの奏者たちの中にも。
躍動する精神と、穏やかで静かな水辺の暮らし。
相対する街の顔は、ライプツィヒの魅力をより立体的に、より深い旅の経験へと導いてくれます。
この夏ドイツへの旅を予定されている方には、ぜひライプツィヒで過ごす水と音楽の旅を楽しんで頂きたいと思います。
取材協力:ドイツ政府観光局
<7月のおすすめ銘柄-2>
HOLLEN SPRUDEL(ヘーレン シュプルーデル)
「乳幼児でも安心」マーク付きの炭酸水です。日本など海外流通量は決して多くないのですが、クセがなく飲みやすいのが特徴ですので、ドイツを旅行される時には一度ぜひ試して頂きたいと思います。ホテルやレストランなどでは、レモンやライムを入れたフレーバー・ウォーターとして提供されることもあります。
【水タイプ】
産地泉源:ドイツ/フランケンヴァルト山地
湧水温度:未記載
知覚ほか:無臭/pH 未記載
ミネラル:炭酸水素862.6mg,硫酸塩4.44mg,塩化物2.33mg,カルシウム217.4mg,ナトリウム13.11mg,カリウム1.48mg,マグネシウム33.8mg ※ドイツ国内での分析による(per.L)
【水ソムリエの飲み方レシピ】
夏場は汗と一緒に奪われるミネラルも多く、カラダは自分で意識するよりもずっと水分を求めていることが多いもの。のどが渇いた時に、一度に沢山の水分を取っても吸収率は上がりません。席を立つついでに、小まめにひと口、ふた口と水分補給をして下さいね。
<ショップ情報> アマゾン・インターネットショップなど