こんにちは、水ソムリエ&水鑑定士の竹村和花です。
夏のバカンスでは、お盆休みを避け少し前後して休暇を取られる方も多いのではないでしょうか。
この季節は、ついつい暑さに体力を奪われ、バカンス先でもつい“守り”に入ってしまいがち。
でも。時にはいつもの思考サイクルから抜け出し、色々なアクティビティに挑戦してみてはいかがでしょうか。
今回はドイツ・ザクセン自由州から、冒険に満ちた湖畔の自然体験プログラムを紹介します。
<ザクセンで過ごす夏休み ~湖水地方の豊かな自然~>
ザクセンは1990年、ベルリンの壁崩壊から始まったドイツ再統一によって加わった連邦州の1つです。
正式名称は「ザクセン自由州」。
日本人にとっては、州の名前よりもドレスデン(州都)の名前の方が分かりやすいかもしれません。
クリスマス・ピラミッドや木製のオーナメント、クルミ割り人形で有名なザイフェン村があるのもこの州です。
素朴で美しく繊細なザイフェンの木工細工やガラス装飾品は、エルツ山地の鉱山鉱脈やそれに伴う森林開拓という地場産業から生まれてきました。
ザクセンをはじめ旧・東ドイツのエリアには、今も昔と変わらない豊かな水辺の風景が残されています。
ミュンヘンやフランクフルトからドレスデンまではICE(Inter City Express 高速列車)で約6時間。ベルリンへは、ここから更に3時間の鉄道旅行です。
2008年以降、幾度となく訪れたこのエリアの中で、私が最も心惹かれたのはドレスデン発着の列車から見える窓辺の風景でした。
春の車窓には、水が温み、川からあふれ出した水が湖のように広がり、森の中にまで浸透していました。
またクリスマス前には、凍てついた森の足元を川べりからあふれ出した水と氷が折重なり、静けさに包まれた風景は、まるで絵画のようです。
<ザクセンの自然に包まれた水辺のシンボル>
森と湖の広がるザクセン。
その豊かな森の中に、幅502m高さ80mもある巨大な表土運搬ブリッジをシンボルにした「F60」があります。
ドイツ統一以降、慎重にすすめられて来た湖水地方でのリゾート開発は、大小さまざまな湖づくりと魅力的な自然体験アクティビティが注目を集めています。
「F60」は、ザクセンの豊かな自然に囲まれた湖畔コンサートや花火フェスタの会場としても人気があります。
天気の良い週末には、白い砂と水辺のアクティビティを求めて地元のカップルや家族連れが訪れます。
のんびりと日光浴を楽しむ女性たちやグループで来てビーチバレーを楽しむ人々。時にはライフ・ジャケットを付けた小さな子ども達に、湖で泳ぎを教えるパパの姿もあります。
シンボル・タワーとなっている高さ80mのブリッジにはガイド・ツアーがあり、実際に先端部まで歩いて登ることができます。
ヘルメットをかぶり、安全柵で守られたブリッジを登ると、そこから先は地上60m。ブリッジの先端に向かって細い通路が続きます。
足場はゆるやかな上り坂ですが、開発当時の様子が体感できるよう、通路の足場を工夫して誰でも歩けるような安全なつくりになっています。
写真は、ブリッジの最上階から見た森の姿。遠くに風力発電の白いプロペラが見えます。
ここに立つと360度延々と広がる森の中に、小さなスポットのように湖を生みだしたことがよく分かります。
この作られた湖も20~30年というサイクルの中で、やがて自然の湖へと還っていけるよう、現在も注意深く環境調査が行われています。
こちらで体験できるアクティビティを、次ページにご紹介!
<水辺のアクティビティ ~慎重でアグレッシブなドイツの人々~>
もう1つ。
ここにはミドルエイジの女性に是非チャレンジして頂きたい自然体験のアクティビティがあります。
「F60」に隣接したオフロード体験です。
このアクティビティには、ジープで巡るオフロードと四駆のサンド・バギーで周るオフロードの2つのツアーがあります。
頭からそんなチャレンジは無理…なんて思わないでくださいね。
私も最初は「オフロードは自分には無理、無理」と思っていました。
運動神経はないし、原付に乗るのだって10年ぶり。いくらハンドリングの説明があったとしても不安が大きすぎて。
でも、それは喰わず嫌い。サンド・バギーで周るオフロードは、人生を変える冒険になること間違いなしです。
一緒にチャレンジしたスコットランド人のマダム・モイラは50代半ばの上品な女性でしたが、約1時間のオフロードを体験した後こう言ったのです。
―私の人生において、これほどの挑戦は未だかつて一度もなかったわ!
これまでも、これからも、こんなことってあり得ない。今日のこの体験は人生最高の経験よ!―
よくドイツの人々は車の運転ひとつ取ってみてもアグレッシブだと言われます。
でも同時に、何かに挑戦する時にはとても慎重。日本人に比べ、ファースト・ステップから始まるアプローチは神経質なほど慎重で丁寧です。
バギーの扱いも、乗り方からエンジンのかけ方、止め方を1度解説し、見せてから、ツアー・ガイドが実際に乗ってデモンストレーションを行います。
その上で、それぞれの身体のサイズに合ったバギーを選び、一人ひとり個別にエンジンのかけ方やハンドルの扱い、止め方を改めてレクチャーしてくれるのです。
ですから、マダム・モイラように全くの初心者であっても3回のデモンストレーションを通して、安全に参加するための基本操作を身に付けられるのです。
小さな砂場のある広場で少し乗り込んだ後、いよいよオフロードの慣らし運転に出発します。
足もとの大地は、硬い土から、砂利まじりになり、やがて砂地へと変化します。
時速10km程度で10分ほど慣らし運転をした後で、
平地を走るか、このままオフロードに出かけるか?
それぞれのリクエストに応じて2グループに分かれます。
都会のアスファルトと違って、オフロード・コースには湖の傍らをゆく高低差3mもある砂場の坂道や草むらも。
それに、もともとの森や地形を生かした丘や林道、それにザクザクとした岩砂利、大きな水たまりもあります。
自然の造形がそのままが残る道を、ツアー・ガイドのリーダーの後ろについて走ってゆきます。
途中、自転車でオフロードの道を走っている人達や、湖の砂地でのんびり日光浴をしている人達の近くも走ります。
丁寧に、慎重に、相手との十分な距離を測りながら、水辺を、森を、風を切って走ること1時間。
その時、マダム・モイラが言ったのです。「私にとって人生最大の冒険だわ」と。
「F60」でのオフロードは、ドイツの人々が自然と向き合う絶妙のバランス感覚を一番よく体感できるアクティビティです。
安定した日常生活を続けていると、つい自分でも気づかない間に何かに挑戦する心や冒険心を失いがちです。
こころも暮らしスタイルも安定してくるミドルエイジの女性だからこそ、時にはマダム・モイラのように新しい何かにチャレンジする、そんな経験をして頂きたいなと思います。
【F60】
施設:Besucherbergwerk F60(ベズーハー・ベルク・ヴェルクF60)
住所:Bergheider Strase 4 03238 Lichterfeld
電話:+49. 3531 60800
HP:www.f60.de
【湖畔のオフロード体験】
店舗:Offroad Agentur(オフロード通信社)
住所:Am Turnplatz 3 03238 Sallgast ※F60敷地内/別棟
電話:+49 172 7933108
HP:http://www.offroad-agentur.de/
取材協力/ドイツ政府観光局
次ページには、おすすめの水の銘柄をご紹介。
<今月のおすすめ銘柄-2>
MAHALO(マハロ)
今回は「F60」と同じく自然体験のアクティビティが豊富な場所、ということでハワイの銘柄を紹介したいと思います。
マハロは水深数千mの海底を静かにゆっくり循環する「海洋大循環」を起源とした、海洋深層水です。取水地はハワイ島コナ沖で、深層水が壁面となった島の岩盤部に沿って一気に湧き上がってくることから、世界でも条件のよい湧昇域となっています。ナトリウムやマグネシウム、カルシウム、カリウムのバランスが海水のミネラル・バランスに非常によく似ているのが特徴です。
【水タイプ】
産地泉源:アメリカ/ハワイ州コナ沖(海洋深層水)
湧水温度:未記載
水タイプ:無発泡
知覚ほか:無臭/pH 未記載
ミネラル:ナトリウム:9.0mg,カリウム:0.38mg,カルシウム:0.12mg,マグネシウム:0.38mg ※ハワイ州での分析による(per.100ml)
【水ソムリエの飲み方レシピ】
海洋深層水と聞くと、にがりや塩分味があるのでは?と思われるかもしれませんが、そのまま飲んでも気にならないほどクセが少ないのが特徴です。ただし原水が海洋深層水だけに、ミネラル成分の75%以上がナトリウムのため、高ナトリウム血症など塩分摂取に制限のある方や塩分量を気にされる方は注意してください。
夏場、汗によって大量のミネラルが奪われる時の水分補給には、フルーツ果汁などで割って、少し果糖(糖分)を足して飲んで頂くと、経口補水液のバランスに近づきます。写真は、グアバの100%果汁(50ml)と沖縄産シークヮーサー100%果汁(50ml)をマハロ(100ml)で割ったもの。酸味が苦手な方は、グアバを多めにして味を調整して下さい。ビタミンCが豊富な夏向けの美肌レシピになっています。
<ショップ情報> アマゾン・インターネットショップなど