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リマで気ままに街歩き(後編)

山本圭子

山本圭子

出版社勤務を経て、ライターに。『MORE』『COSMOPOLITAN』『MAQUIA』でブックスコラムを担当したのち、現在『eclat』『青春と読書』などで書評や著者インタビューを手がける。

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書評はちょっとお休みして、昨年末、2週間ペルーに滞在して見つけた現地の魅力をご紹介しているこのブログ。前回はリマ市内を中心にご紹介しました。今回はいよいよ、料理やレストランをご紹介します。

 

 

意外なようですが、リマは食べ物がとても美味しい街なんです。中でもペルー料理は、日本人の味覚に合っている!海が近いので新鮮な魚介類が使われているし、香辛料が強すぎないし、見た目ほど味が濃くないし。

 

 

特に私が好んで食べたのはセビーチェです。代表的なペルー料理で、白身魚やタコ、イカ、貝類などをレモンで締め、タマネギなどで和えたもの。マリネよりさっぱりしていて、お店によっては辛さや味の違うセビーチェが三種ほど盛られていたりします。

書評_photo

「アストリッド・イ・ガストン」の白身魚のセビーチェ

 

肉ではチキンがよく使われていましたが、特筆すべきはジャガイモの種類の多さとおいしさ! 揚げたりマッシュしたり、いろいろな形で使われているので、ついついそれだけ食べたりして……。

書評_photo

たくさんの種類があるスーパーのじゃがいも売り場

 

 

お店で印象に残っているお店をあげると、まずはラファエル・ラルコ・エレーラ博物館のレストラン。

 

 

この博物館には古代ペルー文明の研究者ラルコ氏が収集した土器や黄金のマスクなどが展示されていて、それ自体とても興味深かったのですが、併設のレストランの素晴らしさといったら!

 

 

食事を済ませていたので、お茶だけにしましたが、ブーゲンビリアなどの花が咲き誇り、さまざまな緑が生い茂る庭を眺めながら過ごしたひとときは、きっと一生忘れないと思います。
「なんて美しいレストランなんだろう」とひたすらうっとり……。

 

書評_photo

左手奥にあるのがラルコ博物館併設のレストラン

 

 

ミラフローレスにある遺跡ワカ・プクジャーナに併設されたレストランは、抜群の見晴らしといい独特の雰囲気といい、ちょっと他にないものがありました。現在も発掘中の遺跡を見ながらおいしいペルー料理に舌鼓を打つという貴重な経験に、なんだか感動すら覚えてしまって。

 

書評_photo

ワカ・プクジャーナのレストラン

 

 

ちなみにここは、日本人駐在員の方々の会食にもよく使われるとのこと。周囲を見回すと、「現地の方々の社交の場」という感じでした。

 

 

 

次のページに続きます。

 

 さきほど「リマは食べ物がとてもおいしい」と書きましたが、実際ここには世界のベストレストラン50に入った店もいくつかあるそう。

 

 

 

そのひとつが前衛的なペルー料理のお店で、サン・イシドロにある「アストリッド・イ・ガストン」です。
「料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命」という映画が日本でも公開されたので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

私が感じたガストンの料理の特徴は、どこまでも素材を生かした調理法で、盛り付けには和食のような繊細さがあること。
コース料理を頂きましたが、すべてが「ちょっとずつですごく美味しい!」。いつのまにかお腹いっぱいになる感じで、味も見た目も存分に楽しむことができました。

 

 

なかなか予約がとれないお店なので、帰国の日のランチをここで頂けたのは本当にラッキー。いくつかのハプニングはありましたが、最後までいいこと尽くしの旅になりました。

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表面がカリカリに焼かれて美味しかったウサギのお肉

 

 

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これだけでも大満足だった絶品のパン

 

振り返ってみると、私が歩いたリマ(主に新市街)は「庶民的なリゾート地」という印象。ペルーの方々は割合小柄で柔和な感じだったことも、くつろげた理由のひとつかもしれません。

 

 

ただ、スペイン語しか通じない場所が多いので、そこはちょっと大変かも。(私は息子夫婦が通訳してくれたので助かりましたが)それと、交通手段がほぼ車で、移動するときはアプリでタクシーを呼ぶしかないのも、慣れないと苦労する点だと思います。(現地の方はバスなどを使っています)

 

 

<おまけ>
旅行中に読んだ本のリストがこちら。すべてkindleに入れておいたものです。特に旅を意識してチョイスしたわけではないので、ジャンルも作者もバラバラですが……。

 

 

『陸王』池井戸潤 集英社……老舗の足袋メーカーがランニングシューズ作りに挑む小説。
『暗幕のゲルニカ』原田マハ 新潮社……ピカソの名画「ゲルニカ」を巡るミステリー。
『一朝の夢』『夢の花、咲く』梶よう子 文藝春秋……朝顔の栽培に魅せられた同心が主人公の時代小説。
『いまさら翼といわれても』米澤穂信 KADOKAWA……人気ミステリー古典部シリーズの最新刊。
『平成お徒歩日記』宮部みゆき 新潮社……人気作家が時代小説の舞台になった土地を歩く。
『なんでわざわざ中年体育』角田光代 文藝春秋……運動嫌いなのに何度もフルマラソンを完走している著者が、数々のスポーツに挑む。

 

 

マンガでは
『逃げるは恥だが役に立つ』海野つなみ 講談社……ご存じ大ヒットドラマの原作。
『後宮』海野つなみ 講談社……鎌倉時代の女性の日記『とはずがたり』がモチーフ。
『七つ屋志のぶの宝石匣』二ノ宮知子 講談社……宝石のオーラが見える質屋の娘が主人公。
『乙嫁語り』森薫 KADOKAWA/エンターブレイン……19世紀後半の中央アジアを舞台にした人間群像劇。
『プリンセスメゾン』池辺葵 小学館……20代女性の持ち家探しを巡る物語。

 

 

アメリカのヒューストン空港で行きは8時間、帰りは5時間のトランジットがありましたが、これらの本が助けてくれました!

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