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血管病を引き起こす5大悪の放置は、突然死の第一歩!

血管病を引き起こす「5大悪」。あなたは引っかかっていませんか? 心当たりがある人は、まずはその改善から始めましょう。それがどうして血管によくないのか? 血管のスペシャリストである池谷敏郎先生が解説します。

血管を老化させる原因、5大悪とは?

 

血管内皮細胞には血圧をコントロールしたり、血管についた傷を修復したりする働きが備わっています。それを主に担うのが、血管内皮細胞から分泌されるNO(エヌオー=一酸化窒素)です。

 

「ですから、NOの分泌を促すことが、血管力を若く健康に保つための秘訣です」(池谷敏郎先生)

 

では、どうすればNOの分泌を促すことができるのでしょうか?

大切なのは「血管力低下の5大悪と呼ばれるリスク要因を避けること」だと池谷先生。

 

それは…①喫煙、②高血圧、③脂質代謝異常、④高血糖そして、これらを引き起こす元凶となる肥満(メタボリックシンドローム)です。

 

 

 

「もう聞き飽きた~」と言わないでください。

どうしてもタバコがやめられない、更年期に差しかかり急に太った、健康診断で引っかかっている項目がある…。けれど、これらをなんとなく気にしつつも、改善する行動をとっていない人が結構多いのではないでしょうか?

 

しつこいようですが、これらを放置してはいけません。NOの働きをアップさせるための最も重要な対策は、こうした“5大悪の改善”です!

 

「例えば、健康な人が血管事故を起こす危険度を 1としたら、これらの危険因子がひとつ加わるごとに、危険度が3倍以上になります」

 

リスクが…

ひとつで3倍

ふたつで9倍

3つで27倍

4つで81倍!

 

ひとつ増えるごとに加速度的にそのリスクが高まるのです。それでは、そのひとつひとつを見ていきましょう。

 

喫煙は最大の悪!

 

タバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激して、心拍数の増加や末梢血管を収縮させて血圧を上げます。これが動脈硬化を促進させ、心筋梗塞や狭心症の原因に。タールに含まれる発がん性物質は数十種類も! 一酸化炭素は脳細胞をはじめ、全身の細胞を酸欠状態にします。タバコに含まれる微細粒子は鼻腔でキャッチできず、肺まで入ります。これが炎症や咳、喘息などを引き起こします。

 

タバコを吸っているだけで、狭心症や心筋梗塞のリスクは、男性で2.9倍、女性は3.1倍に跳ね上がるといわれています。活性酸素を増やすので、全身の細胞を酸化させ、見た目だけでなく体内の老化も早めます。今すぐにでも禁煙をしたいものです。

 

 

「いつの間にか高血圧」に要注意!

 

高血圧とは、血管の内壁に常に高い圧力がかかっている状態をいいます。

 

「ずっと高い状態が続くのも問題ですが、急激に上がったり、下がったりすることも血管にダメージを与えます。ネガティブで過度なストレスだけでなく、うれしいことでも興奮しすぎると血圧を急上昇させるので要注意!

女性は更年期に差しかかると血圧が上がる傾向に。いつの間にか高血圧になっていることもあります。特に高血圧の家族歴がある人は要注意ですが、そうでない人でも定期的に血圧を測定するようにしましょう。

血圧を安定させるには、塩分を控え、ウォーキングなどの軽い運動習慣をつけること。お酒の飲みすぎにも注意が必要です」

 

血圧の診断基準グラフ

 

 

脂質異常症の放置はNG!

 

血液中の脂質の値が基準値から外れた状態を脂質異常症といいます。一般的な健康診断だと、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪を調べます。LDLコレステロールは動脈硬化を進めるので悪玉コレステロール、HDLは体内の余分なコレステロールを肝臓に戻す働きがあるので善玉コレステロールと呼ばれています。

そして中性脂肪の増加は、LDLコレステロールのサイズを小型化して血管壁に蓄積されやすくしたり、HDLコレステロールを減少するなどして動脈硬化を進めることがわかっています。

 

動物性脂肪や糖質のとりすぎ、カロリーの過剰摂取は、LDLコレステロールや中性脂肪を増やす原因になります。こうした生活習慣を改善していくことが重要です。

 

脂質異常症の診断基準

●LDLコレステロール 140mg/dL以上 → 高LDLコレステロール血症

●HDLコレステロール 40mg未満 → 低HDLコレステロール血症

●中性脂肪(トリグリセラド) 150mg/dL以上 → 高中性脂肪

 

以上のいずれかひとつでも該当すれば、脂質異常症です。ただし、LDLコレステロールは120mg以上であれば、脂質異常症の予備軍として注意が必要です。これはあくまで目安。正式な診断は専門医を受診してください。

 

 

高血糖が糖化の原因!

 

「血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖の量です。食事で摂取した炭水化物などが、消化・分解されるとブドウ糖になります。これが脳の機能や体温の維持、体を動かすなどの生命活動のエネルギーになります。

炭水化物や糖質を含む食事をすると、一時的に血糖値が上昇します。その後、すい臓から分泌されるインスリンの働きで、健康な人であれば食後1~2時間で元の数値(血糖値は140㎎/dL未満)に戻ります。しかし、血糖値が高い状態が続くこともあります。これを食後高血糖といい、この状態が続くと糖尿病を発症しますが、糖尿病に至る前の段階から、一時的な高血糖状態が動脈硬化の原因となることがわかっています。

高血糖の状態が続くと、血液中のブドウ糖が血管壁のタンパク質と結びついて、AGEs(終末糖化産物)となり“糖化”が起こります。これも活性酸素を出して血管を傷つけ、動脈硬化を促進させます」

 

暴飲暴食に伴う糖質の過剰摂取は、肥満の原因とともに体内の糖化に拍車をかけることになるので、食生活の見直しが必要です。詳しくは、第7回、8回、9回で紹介します。

●高血糖の目安/空腹時血糖値が110mg/dL以上

●食後高血糖の目安/食後1〜2時間の血糖値が140mg/dL以上

 

 

肥満…特にぽっこりお腹が問題!

 

「特に問題になるのは内臓肥満型肥満。内臓脂肪がつくと、糖質、脂質などを体内で利用する代謝機能に異常が生じ、高血圧、脂質代謝異常、高血糖を悪化させ、動脈硬化を進行させます」

 

内臓脂肪蓄積の指標

へその高さで測った腹囲が男性85㎝、女性90㎝以上。

 +

①血圧が収縮期血圧130mmHg以上、かつ/または拡張期血圧85mmHg以上

②空腹時血糖値が110mg/dL以上

③中性脂肪150mg/dL以上、かつ/またはHDLコレステロール40mg/dL未満

 

へそまわりの腹囲に加え、①~③のうちふたつ以上当てはまると、メタボリックシンドロームと診断されます。腹囲が基準値未満であっても、お腹ぽっこりの人は内臓脂肪がたまりはじめている可能性が高いので要注意です。

 

あなたはいかがでしたか?

 

 

【教えていただいた方】

池谷敏郎
池谷敏郎さん
医学博士
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池谷医院院長。1962年生まれ。東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局。1997年に、池谷医院理事長兼院長に就任。専門は内科・循環器科。現在も臨床現場に立つ。心臓、血管、血圧などの循環器系のエキスパート。


 

 

【池谷敏郎先生の著書】
「血管を鍛える」と超健康になる!(三笠書房) ¥649

イラスト/内藤しなこ 取材・文/山村浩子

 

 

 

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