恋する気持ちはヒトを生き生きさせる、といいますが、私もまさに恋するホルモン(?)で劇的に回復。
さらにおまけもいっぱいあって・・・
「私の話を聴いてください」
さて、心も体も最悪の毎日を過ごしていた私(詳しくは『みんなの更年期 第1回』をご覧ください)。
資格試験受験のプレッシャーから半年間、空咳が止まらなかったり、さらに悪いことには、父のことや仕事のストレスからかどんどん太り(過食症ぎみだったのかも)、体重は40歳時に比べて最大14キロ増まで行きました。
授業で畑作業をするため、体重のせいで膝を痛めて整形外科通いとなったり、紫外線浴びまくりで肌が荒れ、シミ、シワは増えるボロボロ状態。そうなると、もうどうでもいいや、とお洒落する気力もなく、興味もわかず、ともかく最低限、一日を回すという生活をしていたのでした。
それでもなんとか日々を過ごすことができたのは、大学院の指導教授だったK子先生のおかげでした。授業助手として週1回お手伝いに通っていた先生の部屋で、1週間分のさまざまなこと―父との葛藤、仕事や人間関係の悩み、体調のこと―など、胸のうちを吐き出してから帰る、というのが習慣になっていました。
話すことで胸のつかえが取れて、あ〜息ができる〜という感じになり、涙も出たりして緊張がほぐれるのでした。K子先生は当時60代後半で、子育てと仕事、離婚、介護などを体験してきた女の人生の大先輩。私のぐちゃぐちゃした話をじっと聴くのはさぞ大変だったろうな〜、と今さらながらに申し訳なく思います。先生が定年で退職されるまで、私は聴いてもらうことで救われていました。当時、私も一応カウンセラーの端くれだったのだけれど。カウンセラーにもカウンセラーが必要なのです。
おしゃべり女子会
とはいえ、更年期の症状自体は相変わらず。そんな私を支えてくれたのは、身内や友人などの女子仲間でした。私はひとりっ子なのですが仲良しの従姉妹が多くいます。また、職場でも女性の先輩、同僚に恵まれ、前の職場の先輩とは今でもたまに「おしゃべり会」をしています。
こんな「女子サークル」の話題で当時盛り上がってたのが「韓流」。先輩のユリコさんはペ・ヨンジュンの大ファン。家に行くと大きな額入りポスターが居間にドンと鎮座しています。見せてくれたフォトブックにはファンとの撮影会で、
なんとユリコさんの車椅子(ユリコさんは持病で外出時には車椅子を使います)の押し手部分をペ・ヨンジュンが持っているではありませんか!
(ユリコさんも写真が届いて初めて気づいたそう)
これがどんなに凄いことかは後に知ることになるのだけれど。もともと英語に堪能で語学センスのあるユリコさんは、韓国語も習い、かなりの上達ぶりなのです。
ときどき遊びにくる従姉のヤスコさんも常時5.6本の韓国ドラマを並行視聴するディープなファン。
うちに泊るたびに「ちょっと見せて」とテレビつけて、悲しい場面ではグスグス洟すすって・・・冬ソナブームもその後の韓流ブームもぜんぜん関係なく暮らしていた私には、やや上世代の彼女たちの姿はカルチャーショックでした。
「だったら一度ちゃんと見てみようか」と、時代劇好きのヤスコさんお勧めの『善徳女王』(62話)をレンタルして観始めたら・・オモシロイ! 止まらなくなり、睡眠時間削ってイッキ見となったのでした。
私もはまった
もともと時代劇好きなので、ドラマや映画を手当たり次第レンタルして観ているうちに、ある映画に出会いました。朝鮮王朝きっての暴君が「女より美しい」大道芸人の青年に恋をし、悲劇が起こるという『王の男』。
映画そのもののレベルも高いのですが、青年が影絵をしながら微笑む美しくも哀しいシーンに目が釘付けになり、思わず「綺っ麗!」とつぶやいていました。主役青年を演じたのが
この映画1本で大スターになった俳優イ・ジュンギ。
以来、今度はイ・ジュンギの出演作品を観まくり(『イルジメ』や『犬とオオカミの時間』など“美しい男”から一転した得意のアクションものも多いのデス)、関連サイトを検索しまくり、買えるグッズはお財布の許す限り買いまくり。YouTubeの動画なんかもほとんど観尽くす、と、まあもともと芸能好きミーハーで熱中しやすい体質も拍車をかけ、空いた時間はすべてジュンギさん追跡行動に費やしたのでした。父が逝き、ぽっかり時間が空いた、ということもあったかもしれません。
もちろん、会いにも行きましたよ。
ファンになった頃、ジュンギさんは兵役中。韓流スターは除隊のときにファンがお迎えをする、ときいて「ゼッタイ現場を見てみたい」とライター時代の好奇心がムクムク。ちょうど従姉のヤスコさんたちと韓国旅行を予定していたので、極寒のソウルの朝まだ暗いうちから、軍隊の門前で世界中から来たファンとともに震えながら待ちました(あまりのヒトの多さに本人が見えたのはほんの一瞬デシタ)。
韓流スターはファンサービスを大事にしていて、年に1〜2回は日本でライブ(ファンミーティング)をしたり、各種イベントなどで間近に見られる機会も少なくないのです。抽選に当たれば握手会やサイン会などもあり、ここで初めて私は、ユリコさんの幸せーペ・ヨンジュンと写真を撮るという凄い倍率の当たりクジを引き当て、かつ優しいヨンジュン氏が車椅子に触れてくれたーを理解したのでした。
ファンミなどでは、昔、ロックのライブに通ってた頃の気分でノリノリに・・・そういえば亡き親友はイ・ビョンホンが好きだった、私はチンプンカンプンだったのに彼女は先見の明があったのだな〜としみじみと、いろんなこと思いました。
私、このネタ話し出したらとめどなくなるので、たぶん編集のふみっちーがそっちにそれるなと言いそう。
恋するホルモン?
で、更年期。
はっと気づいたら、私、薬(HRTなど)が要らなくなっていました。
すぐ疲れるあのヤな感じのだるさ、暗い思考、イライラ感も消えていたのです。これ、体のなかで何が起きたのか、どんなメカニズムなのか、誰か解説してほしい!
誰か(何か)を好きになると、脳のなかで良いホルモンが分泌されるのでしょうか。気分を上げたり、心地よくなるホルモン。恋すると若い女性は肌がツヤツヤになったり、目がウルウルしたり、きれいになる、とよく言うけれど、年齢にかかわりなくそういう作用があるのかな。
私から『善徳女王』のDVDを借りたのがきっかけで、キム・ナムギルファンになった従妹のミナさんは、いまやブログ(「キム・ナムギルまみれ」)を立ち上げ、すっかり通になっているのですが、40代くらいのファン友達(ギル友)のなかで、更年期症状的な「うつ状態が治った」とか、ファンミに行ったら「ずっと来なかった月経がきた」というお話も多いとか。あ、同じ同じと共感するのです。
いつのまにかダイエット
完全に、というわけではないけれど(たまのホットフラッシュと不眠はあり)、おかげさまでだいぶ好転した私の更年期症状。嫌なことがあってもジュンギさんの笑顔を見れば、ふっと頬が緩んで優しい気持ちになるのでした。いまもこれを書きながらもCD聴いて癒されてます。
おまけに、なんと体重が10数キロ減のダイエット効果と美容効果については、また次にお話しますね。
撮影協力/Tatsumi Okada