良性ではありながら何かとQOLを下げる子宮筋腫。治療法も迷いどころの多い閉経前後、子宮筋腫と賢くつき合う方法を見つけましょう。
閉経前の筋腫の治療は自分の知識と医師選びが鍵
40代以上で断然多いのが子宮筋腫。統計上では40〜50%ですが、外来を持つ対馬ルリ子先生、八田真理子先生の実感では「3人に2人は筋腫持ち」とのこと。
「筋腫は良性なので命にかかわる病気ではありません。約半数は症状なく過ごしています。反対に症状のある人の中には治療法に悩み、奔走する姿も見かけます。筋腫の治療は一人一人違い、医師の力量によるところが大きいもの。特に地方では、情報はあるけれど対応してくれる医療機関が近くにないという問題も」(八田真理子先生)
「今、筋腫の治療の選択肢はとても豊かになりました。昔は医師主導でしたが、もうセカンドオピニオンやサードオピニオンは当たり前。最善の治療法は自分自身が選ぶもの。筋腫を持ちながらも妊娠・出産をして、更年期も元気に過ごせる女性が素敵だと思いませんか?」(対馬ルリ子先生)
子宮筋腫のおもな症状をチェック!
- □ 過多月経(経血量が増える)
- □ 月経期間が長くなる
- □ 貧血(鉄欠乏性貧血)
- □ 下腹部に圧迫感がある
- □ 下腹部にしこりのようなものが触れる
- □ 月経困難症(月経時の強い痛みや腹部痛)
- □ 下腹部痛、骨盤痛、腰痛
- □ 不正出血やおりものの異常
- □ 排尿障害(頻尿・尿もれなど)
- □ 性交痛
- □ 便秘
「過多月経」とは具体的に?
- □ 最も多い日、1~2時間おきにナプキンやタンポンを替える必要がある
- □ ナプキンとタンポンを同時に使用しないと漏れる
- □ 寝ている間も、起きてナプキンやタンポンを替えないと間に合わない
- □ 経血に約2.5㎝以上のレバー状の塊が混じる
- □ 経血量が多いため、鉄欠乏性貧血と診断される
お話を伺ったのは
対馬ルリ子さん
Ruriko Tsushima
1958年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座・新宿理事長。産婦人科医、医学博士。女性の生涯にわたる健康推進活動に積極的。『「閉経」のホントがわかる本 更年期の体と心がラクになる!』(集英社)が大好評。
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八田真理子さん
Mariko Hatta
産婦人科医。1998年、千葉県松戸市で女性のためのクリニック「ジュノ・ヴェスタクリニック八田」を開業。著書に『産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』 (アスコム) など。
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イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子