腟や骨盤底は日々衰えていくと知っていますか? 素肌のケアと同様に毎日ケアすれば、衰えは確実にくい止められます。
お話を伺ったのは
関口由紀さん
Yuki Sekiguchi
山形大学医学部卒業、横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学修了。医学博士。「横浜元町女性医療クリニック・LUNA」を開設。世界標準の女性医療と、女性たちによる自助的な医療の実践を目指す。日本フェムテック協会代表理事。腟や骨盤底ケアについての著書も数多い。
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骨盤底が衰えるとどうなるの?
まずは!
骨盤底の構造をチェック!
骨盤底とは内臓を支える、いちばん底にある筋肉や靱帯の分厚い層のこと。恥骨から尾骨の間にあり、ひし形のプレート状になっています。筋肉、皮下組織、筋膜、粘膜上皮で構成され、膀胱や子宮、腸などを下から支えています。
骨盤底筋衰え度テスト
●生活習慣について
- 座っているときに膝が開いてしまう
- 長時間座っていることが多い
- 骨盤を後傾させた状態で座ることが多い(車の運転やソファで)
- お尻からドンと座る
●出産・生理について
- 妊娠・出産経験がある
- 3500g以上の赤ちゃんを出産した
- 35歳以上で第一子を出産した
- 閉経している
●排尿・排便について
- 咳やくしゃみをすると尿がもれる
- 便秘がちでトイレでいきむことが多い
- 急に尿意に襲われることがある
チェック数が
- 3個以下:骨盤底筋が健康な状態です。今の状態をキープしましょう。
- 4〜7個:骨盤底筋の衰えが進んでいます。筋力を鍛えて改善に努めましょう。
- 8個以上:骨盤底筋のダメージが大きいので早めに医療機関を受診して。
骨盤底のトレーニングやケアで予防できることは?
「骨盤底は、内臓を支えている筋肉や靱帯、筋膜でできたひし形のプレートです。骨盤底筋は、この中の筋肉の部分を指します。骨盤底は体幹を支え、お尻の大臀筋や内ももの内転筋群とも連動しています。排泄をコントロールする重要な役割も担っているのですが、加齢とともに弾力を失い、薄くなっていきます。
そのほかにもさまざまな衰えの原因があり、一例としては、出産時に骨盤底の筋膜が傷みます。さらに40代からは、運動しないと筋肉量が落ちていき、それに従って骨盤底筋の筋力も低下します」と教えてくれたのは、関口由紀先生。
「骨盤底筋の筋力の低下により、内臓を支える力が下がり、膀胱や子宮、直腸などを支えきれなくなって、頻尿・尿もれ、子宮や膀胱、腸などの臓器脱をはじめ、さまざまなトラブルが起こるようになります。
それだけでなく、内臓が下がるとぽっこりお腹といったボディラインの変化や、便秘も引き起こします。しかしトレーニングをすれば筋力はついていき、症状は改善されます。現在、症状がない人もケアをして、予防することが大切です」
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/金沢由紀子