HAPPY PLUS
https://ourage.jp/kounenki_no_chie/more/305035/

子宮筋腫の治療法はおもに4つ。今の状況と将来を見据えた選択を

子宮筋腫は、卵巣から分泌される女性ホルモン「エストロゲン」によって大きくなります。つまり女性ホルモンが減る閉経後には、徐々に小さくなるのが普通。40代、50代にはまだ妊活中の人もいれば、閉経前後のホルモンの波に翻弄されている人、閉経した人、と状況がさまざま。筋腫があるからといって治療法が同じとは限りません。

 

治療の選択肢が増えた分、後悔のない選択を

「近年、筋腫の治療法は進化しました。選択肢が増えた分、迷うことも多いでしょう。医師側も対応が難しくなっています。筋腫の状態や症状に加え、その人が置かれた状況や、将来のことまで考えて治療法を選択する必要があるからです。よい医師との出会いも大切ですが、患者さん自身が、更年期後も生き生きと暮らせることを見据えて決断することが大事です」(明樂重夫先生)

 

●治療の考え方は? 閉経後の体を見据えて決める

子宮筋腫と診断_チャート

UAE:子宮動脈塞栓術、MEA:マイクロ波子宮内膜アブレーション、FUS:集束超音波療法

 

子宮筋腫の治療法はおもに4つ

①症状を軽減する対症療法

筋腫を小さくするのが目的ではなく、過多月経や痛みなどの症状を軽減する薬物治療のこと。月経困難症の痛みには鎮痛薬、低用量ピルが使われることも。貧血には鉄剤の処方など。

②筋腫を小さくする偽閉経療法

女性ホルモンの分泌を抑えて筋腫を縮小するのが目的。ホルモン療法とも呼ばれる薬物療法です。長期間の使用で骨粗しょう症のリスクが上がるため、使用は原則6カ月間まで。

③筋腫だけを取る一時的手術

子宮を残し、筋腫だけを取り除く「子宮筋腫核出術」のこと。術式もいろいろですが、再発は否めません。筋腫の摘出以外に、子宮動脈塞栓術(UAE)などで小さくすることも。

④子宮を取る根治手術

子宮筋腫を含め、子宮全体を切除する手術。妊娠を望まない人や子宮を残さなくてもよいと考える場合の選択肢のひとつ。子宮筋腫の再発の心配がなくなる唯一の根治療法といえます。

 

EPISODE
子宮筋腫の治療・私の場合

●不妊治療からの手術。医師の判断が助けに

不妊治療を優先させるか手術をするか、だいぶ悩みました。いちばん大きい筋腫が10㎝を超えたとき筋腫を取りました。その後妊娠できて本当によかった!

 

●再手術で子宮全摘。決断を間違えたかも

医師の言うなりに開腹手術で筋腫を20個も摘出。でも半年後にはまたたくさんできていました。結局5年後には子宮全摘出。最初に取ってもよかったかも…。

 

●薬を飲んで治療中! このまま逃げきりたい

最近できたという薬で偽閉経療法をしている最中です。すでに更年期らしいので、少しでも小さくなればこのまま閉経に持ち込めるかも、という期待をこめて。

 

 

【教えていただいた方】

明樂重夫(あきらしげお)
明樂重夫(あきらしげお)さん
明理会東京大和病院院長
公式サイトを見る

日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療指導医。日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医。女性医療や女性ヘルスケア領域の確立に尽力

 

構成・原文/蓮見則子

 

 

この特集も読まれています!

子宮筋腫特集~症状から治療まで
フェムゾーンの悩み解決
ツボ・指圧で不調を改善
40代からでも「絶対痩せる」
広瀬あつこさんの「若返りメイク」
閉経の不安を解消

今すぐチェック!

やや無骨な名前とは裏腹に、上品で優しい芋焼酎! 原日出子さんの簡単おつまみもご紹介中です

やや無骨な名前とは裏腹に、上品で優しい芋焼酎! 原日出子さんの簡単おつまみもご紹介中です

PR
<前の記事

<前の記事
第10回/「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「子宮内膜症」この3つの違いをわかっていますか?

次の記事>

次の記事>
第12回/子宮筋腫を縮小するホルモン療法「偽閉経療法」のメカニズム

この連載の最新記事

【子宮筋腫の手術法】お腹を切る?切らない? 全摘する? 妊娠を望む? 自分にとっての最良なもの見つけてください

第27回/【子宮筋腫の手術法】お腹を切る?切らない? 全摘する? 妊娠を望む? 自分にとっての最良なもの見つけてください

子宮筋腫の治療選択は「卵巣の機能を長持ちさせる」ことを優先して/明樂重夫・産婦人科医

第26回/子宮筋腫の治療選択は「卵巣の機能を長持ちさせる」ことを優先して/明樂重夫・産婦人科医

子宮筋腫で理想の治療を受けるために知っておきたい「医師の選び方」と「セカンドオピニオンの受け方」ルール

第25回/子宮筋腫で理想の治療を受けるために知っておきたい「医師の選び方」と「セカンドオピニオンの受け方」ルール

この連載をもっと見る

今日の人気記事ランキング

今すぐチェック!

OurAgeスペシャル