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“新じゃがを茹でるだけ”のフィンランドの夏の味

新谷麻佐子

新谷麻佐子

あらたに・あさこ●イラストレーター&編集者。2014年にムーミンの作者トーベ・ヤンソンが暮らした島「クルーヴハル」に、友人でライターの内山さつきと1週間滞在したのをきっかけに、kukkameri(クッカメリ=フィンランド語で「花の海」の意) を結成。以後、フィンランドの小さな町や四季、暮らしと文化をテーマに取材を続けている。著書に『とっておきのフィンランド』(ダイヤモンド社)がある。http://kukkameri.com

ビビッドかつ大胆なテーブルクロスで華やかに

 

先日、フィンランド語のレッスンで(習い始めてもうすぐ3年になるのに、まだこのレベル!? という状態なので、あまり大きな声では言えないのですけど)、「フィンランドの夏の食べものといえば?」という話題になりました。そこで真っ先に頭に浮かんだのが、新じゃがとディルです。

 

夏にフィンランドを訪れるのは、昨年で4回目くらいだったと思うのですが、その時、改めて思ったのが、どこへ行っても、新じゃが!新じゃが!新じゃが!だなあということ(笑)。茹でたじゃがいもに、ハーブのディルをかけるだけの、究極のシンプルな一品ですが、これがやっぱりおいしいんです!

しかもおうちのガーデンパーティーだったら、茹でた鍋のままドン!とテーブルにのせちゃうスタイル。でもなんだかおしゃれですよね? テーブルクロスにビビッドかつ大胆な絵柄のファブリックを使うところも、北欧らしくて大好きです。

 

華やかなテーブルクロスの上に、新じゃがとディル。これくらいだったら日本でも簡単にフィンランドスタイルの食事ができるのでは? というわけで、おうちでできるフィンランドワンプレートを用意してみました。

 

蒸し暑い夏、白ワインと一緒にいただきたい「ほくほく新じゃが&ディルのワンプレート〜おつまみ編」です。

新じゃがを茹でて、塩をパラパラッと、そこにディルをたっぷりのせていただきます。ディルの香りを嗅ぐだけで、あっという間に心がフィンランドでいっぱいに。昨年一緒に旅した仲間たちや料理上手な友人の笑顔も浮かんできます。味や香りって記憶と密接に結びついていますよね。

 

そこにもうひとつ、フィンランドらしい一品を!と、カレリアンピーラッカを添えてみました。プレートの右下に写っているものです。

 

カレリアンピーラッカとは、一言でいえば、薄く伸ばしたライ麦生地の上に、ミルク粥をのせて周囲を包んで焼いたもの。ピーラッカはパイという意味で、元々はカレリア地方の食べものなので、カレリアンピーラッカと呼ばれています。フィンランドでは朝ごはんの定番で、ホテルの朝食ビュッフェで置いているところも多いです。

フィンランドの人たちは、カレリアンピーラッカの上にエッグバターをのせて食べるのが大好き。上の写真は、ベーカリーカフェでの1枚ですが、この時もたっぷりエッグバターをのせてもらいました。エッグバターは、ゆで卵をみじん切りにして、バターと塩を加えて混ぜるだけ。本当に簡単です!

 

今回用意したカレリアンピーラッカは、手づくりではなくて(手づくりしたこともあります!そのお話はいつかまた!)、お取り寄せしたもの。

 

フィンランド好きの間で有名な鎌倉のパン屋さん「ライ麦ハウスベーカリー」https://raimugihausu.stores.jp/ のカレリアンピーラッカです。フィンランド人のご主人と日本人の奥様とで経営しているパン屋さんで、日本にいながら本場の味をいただくことができます。

 

それにしても、こちらのカレリアンピーラッカは、本当にお・い・し・い! これまで数えきれないくらいカレリアンピーラッカを食べてきて、ヘルシンキにはお気に入りのお店もありますが、ライ麦ハウスベーカリーさんのものは、私のベスト3に入ります。

 

このカレリアンピーラッカが一体どんな味かというと、とっても素朴な味です。でもこちらのライ麦ハウスベーカリーさんのものは、ライ麦の風味が豊かで、しっかりとした食感でした。中心にあるミルク粥は優しいお味。だから濃厚なエッグバターとよく合うのです。

そもそも、私はパンや焼き菓子が大好きで、海外に行った時はベイク本も買い集めてしまうのですが、カレリアンピーラッカは味も見た目も好きすぎて、イラストを描き、マグネットをつくってしまいました。同じく大好きなシナモンロールも一緒に(笑)。

 

フィンランドの夏の味の新じゃがとディル、そして朝食の定番カレリアンピーラッカ。気になる方、ぜひ試してみてくださいね。

 

新谷麻佐子さんの北欧旅連載

『今人気の田園ツーリズム。フィンランド、ラトビア、エストニアに行ってきました!』

 

 

 

 

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