OurAgeが誇る6人の「賢者」が、読者から寄せられた「困りごと」におこたえする“大人のシャベリ場”。今回は「53歳です。今からでも歯列矯正できますか?」という相談に、歯科医師で口もと美容スペシャリスト、石井さとこ先生がアンサー!
石井さとこ
歯科医師・口もと美容スペシャリスト。歯のホワイトニングを日本で広めた第一人者。女性歯科医師ならではの、歯と体を美しく保つための食事や、歯が美しく見える口もとメイクのアドバイスに定評がある。現在「口もとビューティ」について記した、「ご機嫌な口もと」を連載中。最新刊『マスクしたまま30秒!! マスク老け撃退顔トレ』は、テレビなど各メディアで話題になっている。https://s-d-m.jp/talents/ishii-satoko/
<お悩み>53歳です。今からでも歯列矯正できますか?
「年齢とともに歯並びが気になるようになりました。現在53歳ですが、歯列矯正って今からでもできますか?」(53歳・会社員)
<回答>可能です。まずは歯の健康状態のチェックから始めましょう
時間とお金がかかる治療。
覚悟を持って臨んでください
ご相談いただきありがとうございます。中高年であっても、基本的に虫歯や歯周病など、歯の健康状態に問題がなければ矯正治療はできます。難しいのは、これらの症状が重い人、もしくは虫歯で歯を失っている人ですね。後者は本数の問題でできないケースがあります。
インプラントを入れている人も、本数によってはできません。インプラントには歯根膜(※)がなく、歯茎に固定されたまま動かないからです。少ない本数であればできることもあるので、治療を希望される方は事前に歯科医によく確認していただきたいと思います。
※歯根膜(しこんまく):歯の根っこを覆っている膜。歯にかかる力を吸収・緩和し、歯に加わる力を和らげるクッションのような働きをしている
53歳でも健康な人もいれば、35歳で不健康な人も。
口腔内の健康には個人差が大きい
歯の状態には個人差があり、53歳でも口腔内が健康な人もいれば、35歳でも不健康な人もいます。実際、私のクリニックでも、60歳を超える方でマウスピース矯正を受けている患者さんがいらっしゃいます。
あなたが普段から歯のケアをきちんとされている人なら、軽度の虫歯や歯周病があっても矯正は可能なので、まずは一度、行きつけの歯科に行って歯のチェックを受けることから始めてほしいと思います。
矯正治療には時間とお金がかかります。治療が終わるまで1年半から3年ほどを要しますし、前段階での準備も必要です。「明日から矯正治療を始めよう!」と思い立って急にできるものではなく、たとえばあなたが来年か再来年に治療をスタートさせたいと思うなら、今から日々の歯磨きケアをしっかりする、定期的に歯石を取り、虫歯や歯周病を治しておく、親知らずがある場合は抜いておく等の準備を始めなくてはなりません。これらの準備ができている人ほど、早く矯正治療をスタートできます。
(歯列矯正には口腔内の健康が重要と、さとこ先生。まずはセルフケアを見直してみて!)
(連載でさとこ先生がレコメンドしてくれた歯磨き剤3つ。詳細はぜひ記事からチェック!)
ご存じのように、矯正治療は歯にワイヤーをかけたりマウスピースで口の中を拘束したりと、長期に渡って不自由を強いられるものになります。特に最初のうちは多少の痛みを伴うこともあるので、覚悟を持って臨むことが必要になります。
歯の矯正治療のメリットはたくさんあります!
実は私も30代前半で、歯の矯正治療をしています。もともとの歯並びは結構ガチャガチャでした。患者さんの歯を治すことに夢中で、自分のことは二の次、三の次と放置していたのですが、ある日患者さんから「歯科医がその歯では説得力がないよ」と言われて(笑)。確かにそうだなと思い、矯正治療を決意したのです。
(なんと!さとこ先生ご自身も矯正経験者!?信じられないような美しい歯並び…)
治療には約2年かかり、その間はワイヤーのせいで物が食べづらいなど正直大変だったものの、やって良かったと心から思いました。左右の歯でバランス良く噛めるようになって顔のゆがみが解消したといった美容的なことはもちろん、きちんと歯磨きできる歯になったことで、口腔内がグンと健康になりました。
歯並びが乱れていると歯と歯に重なりが出て、そこに虫歯ができてしまいます。矯正治療で歯並びがストレートになると隠れた部分が露わになるため、「私ってこんなに虫歯があったの!?」と驚く人もいます。私自身も重なっていた部分がすべて初期の虫歯になっていたため、矯正終了後に治療しました。
中高年の場合、正しく歯磨きをすることは、歯周病の予防及び進行を抑えるためにも大切です。噛みあわせを治してしっかりものを噛めるようになると、消化器など内臓への負担を軽減できる、唾液がきちんと出るようになるといったメリットもあります。
矯正治療は昔に比べると各段に進歩し、間口が広くなっています。普段あなたが通っている一般的な歯科も、矯正の専門家と連携しているはずなので、まずは「矯正治療を考えているのですが、私の歯はできる状態ですか?」と相談してみることから始めましょう。このタイミングで矯正治療を済ませておくことは、きっとあなたの健康と美容に良い影響を与えてくれると思います。頑張ってくださいね!
取材・文/上田恵子
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