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中世の街並みが残るプラハ一人旅 (後編)

吉田さらさ

吉田さらさ

寺と神社の旅研究家。

女性誌の編集者を経て、寺社専門の文筆業を始める。各種講座の講師、寺社旅の案内人なども務めている。著書に「京都仏像を巡る旅」、「お江戸寺町散歩」(いずれも集英社be文庫)、「奈良、寺あそび 仏像ばなし」(岳陽舎)、「近江若狭の仏像」(JTBパブリッシング)など。

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寺社部長の吉田さらさです。

今回も、前回に引き続き、プラハの街の独り歩きルポです。

二日目は、プラハ最大の観光地、プラハ城を訪ねました。

プラハ城は,ヴルタヴァ川西岸の小高い丘の上にあります。川べりから歩くとかなり長い急坂を登らねばなりませんが、そのあたりには見どころもいっぱい。行きはトラム、帰りは徒歩で下ってくることをお勧めいたします。

 

こちらはプラハの歴代王の居城で、9世紀に建設が始まり14世紀には現在の形がほぼ整いました。城壁に囲まれた敷地内に、旧王宮、教会、修道院、博物館などが立ち並んでおり、急いで見ても半日くらいかかります。

一番の見どころは、威風堂々とした聖ヴィート教会。遠くから見えているのは、この教会の尖塔です。10世紀に元となる教会が建てられ、14世紀のカレル4世の時代から改築が始まりました。最終的に完成したのは20世紀になってからだそうです。

世にも華麗なステンドグラスが数々あります。

こちらはアルフォンス・ムハ(ミシュシャ)が手掛けたステンドグラス。ムハはアールデコ様式のおしゃれな女性像で知られますが、出身地のチェコでは、国民の心を描く画家でもあります。

聖イジー教会。10世紀に完成したプラハ城内最古の建造物です。こちらでコンサートがあるというチラシをもらったので、行ってみました。

ウィーンもそうですが、プラハでも、こうした歴史ある教会内でコンサートが開かれていることが多く、比較的安い値段で気軽に音楽を聴くことができます。あくまで観光用なので演奏は本格的とは言えませんが、雰囲気もよくて楽しめます。

少し坂を下ったところに「黄金小路」という路地があります。こちらは城に仕える召使たちが暮らしていたところで、のちに錬金術師が住むようになってから、この名前になったのだとか。昔の人の暮らしぶりがわかるこんな展示がある家や、かわいい小物を売る店などがあります。

その先からは、プラハの街並みが一望できる場所があります。真ん中あたりにヴルタヴァ川が流れ、カレル橋がかかっています。

カレル城の観光を終えたら、近くにあるストラホフ修道院にも行ってみたい。中世から受け継がれてきた図書室が圧巻です。

こちらはロレッタ教会。回廊に囲まれた美しいカトリック教会です。

塔の中に27個の鐘があり、毎時、巡礼歌を奏でます。

内部の装飾もこんなに華麗です。

 

次ページに続きます。

三日目は、旧市街のユダヤ人街を探索してみました。

ヨーロッパ各地で、ユダヤ人たちは古くから迫害を受け、隔離された地域に密集して暮らしてきました。こちらも、かつては迷路のような細い道が入り組んだ一角だったのですが、19世紀後半に取り壊され、今のような街並みが整備されました。しかし、いくつものシナゴーク(ユダヤ教会)や墓地は存続し、現在は、観光地のひとつとして賑わっています。

各シナゴークは、こちらの「旧新シナゴーク」を除いてすべてが博物館となっており、共通チケットで見学できます。

こちらは「スペイン・シナゴーク」。アルハンブラ宮殿に似ているため、この名がつきました。

内部の装飾も、オリエンタル調で見事です。

墓石が重なり合うユダヤ人墓地。15世紀から18世紀までの人物が埋葬されていますが、現在は墓地としては使われていません。

ユダヤ人街周辺には、実にさまざまな様式の建物があり、ぶらぶら歩いているだけで楽しめます。

 

 

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プラハもウィーン同様の音楽の都で、気軽な教会コンサートだけでなく、本格的なオペラやコンサートをあちこちで楽しむことができます。

オペラハウスは、エステート劇場、国民劇場、国立オペラ劇場の三つあります。プラハのオペラはウィーン国立歌劇場ほどのレベルではないため、着いてからでも当日券が買えるものだと思って出かけましたが、それは間違いでした。わたしは、ホテルに近いエステート劇場でモーツァルトのオペラを見るつもりでしたが、劇場に行ってみると、「本日は完売」とのこと。少し離れた国民劇場のチケット売り場でも、「本日分は、もう一番安い最上階の席しか残っていません」と言われました。

国民劇場はチェコの作曲家の作品を上演することが多く、その日はスメタナの「売られた花嫁」でした。始めてみる演目でしたが、村人たちの踊りなどもあり、なかなか楽しかったです。ただし、最上階のお席は舞台が遠い上に熱気がこもって、暑くてたいへん。プラハのチケット類もインターネットで事前購入しておかねばならないことを思い知りました。

今回は、「プラハの春音楽祭」のクロージング・コンサートに行くのも旅の目的のひとつでした。市民会館内のスメタナホールで行われます。こちらのチケットは、ずいぶん前に事前購入しておきました。行ってみると、もちろん満席。皆さん、きちんとした服装で、プラハの人々にとって大切なイベントであることがしのばれました。

市民会館内部は、ムハなど、チェコを代表する芸術家による装飾がほどこされ、観光名所のひとつでもあります。スメタナホールのほかにも小ホールやレストランもあります。

スメタナホール内は、どこを見てもムハが手掛けたアートだらけ。演奏が始まる前からすでに大満足です。

コンサート終了後、外に出ると、市民会館のバルコニーでファンファーレが演奏されました。プラハの春音楽祭のクロージングをプラハの市民たちに知らせるためでしょうか。わたしの旅の終わりにもぴったりの、素敵な演出でした。

 

 

吉田さらさ

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