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「OriHime(オリヒメ)」現代のどこでもドア?分身ロボットカフェに行ってきました

hijiri

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都内在住。家族の赴任に伴い、オランダに四年、香港に三年半住み、現地の会社で働いていたことも。”やらない後悔よりやる後悔”がモットー、興味を持ったらまずは行動! 最近のマイブームはランニングです。普段から着物を愛好し、自称普段着物研究家。そんな着物姿でぶらぶら、走りながらきょろきょろと見つけたおでかけ情報を発信していきます。

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「今日は大事な会議がある」そんな時に限って体調を崩してしまったりすることってありますよね。

 

頭は元気なのに、仕事だって過不足なくできるのに、身体がいうことをきいてくれない。
もどかしく感じる気持ちは半端ありません。治る病気ならそれでも一時的なものですが、世の中には例えば寝たきりのまま生活をしている人もいます。

 

そんな人たちが分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を使うことで、状態も場所も飛び越えて働く、まさに未来の夢のようなカフェ「分身ロボットカフェ ver.β2.0」があるときき、興味津々で行ってきました。

「OriHime」とは、オリィ研究所が開発するロボットのこと。パイロットと呼ばれる人たちがインターネットを使い遠隔で操作する分身ロボットを総称しています。

これが「OriHime」です。
起動する前はごく普通のロボットに見えるのですが・・・

 

伺った「分身ロボットカフェ ver.β2.0」は、病気や入院などの理由で外出する事が困難な方々が、自宅や病院にいながら「OriHime」を遠隔操作し、接客を行うという実験の第二段でもあります。
第一回の実験は大反響だったそうで、第二回はクラウドファンディングでなんと1000万円以上を集めたという注目のプロジェクト。

 

この子供時代のウルトラマンみたいな(?)見た目の「OriHime」と少し大きめの「OriHime-D」が、パイロットの人の操作でドリンクの注文をとったり運んできてくれます。

 

パイロットが入った(つまり起動した)「OriHime」は目が光り、頭や腕(羽?)の部分をぱたぱたと動かすことで感情を表現するのですが、これがとにかくかわいい。
お客さんも(もちろん私も)ついつい夢中で画像や動画を撮りまくってしまいます。
動きにもいくつかのパターンがあるようで、単なるYESNOだけでなく、手を振ったりぱちぱちしたり突っ込みをしたり(!?)と、頭と腕だけの動きとは思えないほどとても表情豊か。かなり人間ぽく見えるのでびっくりしてしまいました。

まさにパイロットの人たちの「分身」として”そこにいる!”という存在感があることに素直に感動してしまいます。

こうやって注文を取ったり、自己紹介をしてくれたりします。
パイロットの方と直接おしゃべりしている感じです。

こちらは大きめサイズで自走可能な「OriHime-D」。


彼らが実際にドリンクを席まで運んでくれます。

 

面白いのが「OriHime」とパイロット個人は一対一ではなく、いくつかの「OriHime」を共有しているようで、「では、あちらに行ってきます!」と瞬時に移動したりするんです。まさにドラえもんの「どこでもドア」さながらに、あちらに行けば今度はこちら、本当に自由自在なのです。

 

インターネットさえつながっていれば距離も関係ないので、この東京でのカフェでのシフトが終わったら、次はまた地元の別の集まりに行くというパイロットの方もいましたし、体調不良でお休みするときは瞬時に別のパイロットがシフトに入る、なんて芸当も可能なのだそうです。
むしろ健康な肉体を持つ自分より数段自由に見えて、羨ましくなってしまいました。

パイロットの方には、寝たきりの人から車いすの方、はたまた身体が全く動かせない重度肢体不自由患者の方もいるそうですが、車いすはともかくそういう方がどうやって「OriHime」を動かすのか少し不思議ではないでしょうか?

 

その答えは「OriHime eye+switch(オリヒメアイスイッチ)」にあります。これは眼や指先しか動かせない重度肢体不自由患者のためのもので、視線を動かすだけでモニタに映しだした専用キーボードを操作することができます。

これが「OriHime eye+switch(オリヒメアイスイッチ)」です。


10月ということもあり、ハロウィンコスをしている「OriHime」がキュートです。

カフェの会場にはこの装置を試すことができるブースもあり、私もやらせて頂いたのですが、想像していた以上にスムーズに目の動きに沿ってポインタが動いてくれるのに、驚きを通り越してまたもや感動。
確かにこれなら目だけで「OriHime」を動かすことも、文字を選んでおしゃべりすることもできますよね。

 

ベッドで寝ている状態だと、こんな感じ。

もともと「OriHime」はリモートワーク、テレワークに最適化されたコミュニケーションロボットとして開発されました。けれども、様々な出会いを経て、外出する事が困難な方々の一部として存在する重度障害の方々が社会参加できる取り組みに至ったのだそうです。

上にも書きましたが、正直肉体を持っている自分の方が不自由じゃないのかしら、とつい思ってしまう軽やかな自由を持つ「OriHime」。

目に光を宿した「OriHime」は本当に命を宿しているように実際に見えましたし、身体が動かせないということはなにも病気だけが理由だけでなく、その場に行けない(行くことができない)ということとイコールです。

 

例えば、学校に通えない子ども達、病気で家族や友達と外出できない人、そして育児や介護などで会社に通えない人だって、この「OriHime」があればその場に存在することができてしまいます。
ある意味、肉体と頭を別々の場所で使えるのですから、自由に見えるのは当たり前なのかもしれません。


カフェの司会も”オリィ研究所秘書”ののぞみんさんが「OriHime-D」で担当。
後ろの黒衣の方は、代表の吉藤オリィ氏。この姿はメディアでもおなじみです。

たった60分の実験カフェ体験でしたが、なんだかものすごく先の未来を覗き見たような充実した時間でした。
まだまだ解決しなければならない問題も多いでしょうし、すべての方が社会参加できるようになるには時間もかかると思います。でも、技術の進歩は確実に人類を救うことができるのだとしみじみ感じました。

 

今回の実験は、人気漫画「宇宙兄弟」ともコラボしています。
宇宙旅行だって現実味を帯びてきた昨今、昔だったら夢物語としか思えなかった世界がもうそこまで来ているのかもしれません。

 

オリィ研究所

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