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樹木葬のお墓ってどんなもの? /その1:まずは基本を勉強しよう

吉田さらさ

吉田さらさ

寺と神社の旅研究家。

女性誌の編集者を経て、寺社専門の文筆業を始める。各種講座の講師、寺社旅の案内人なども務めている。著書に「京都仏像を巡る旅」、「お江戸寺町散歩」(いずれも集英社be文庫)、「奈良、寺あそび 仏像ばなし」(岳陽舎)、「近江若狭の仏像」(JTBパブリッシング)など。

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樹木葬のお墓ってどんなもの?

基本編

 

 

こんにちは。寺社部長の吉田さらさです。

いつもはお寺や神社を巡る旅や仏教美術の展覧会などについての記事を書いていますが、今回は少し視点を変えて、お寺のより伝統的な要素のひとつであるお墓について取材してみました。それは自分にはまだ早いと思う方もいるかも知れませんが、人間ある程度の年齢になったら、いつ何時、どんな状況になるかわかりません。その時のために、自分がもっとも快適に永遠の眠りにつける場所はどこなのかを考えておく方が安心して生きられるとわたしは考えています。

 

わが国では、ほんの少し前まで、ほとんどの人が、自分は先祖代々の墓に入るものだと考えてきました。しかし、近年は家を継承するという意識も薄れてきたため、さまざまな選択肢が生まれています。わたしは、その中でも「樹木葬」に興味を持ちました。きっかけは、たまたま友人のご主人のお墓参りに同行したことです。

 

お墓は東京近郊のかなり山深いところにある大型霊園の中の樹木葬エリアにありました。自然と同化したような樹木の下でたくさんの人が眠るその場所にはえも言われぬ安らかな空気が流れており、ここで鳥のさえずりを聞きながら永遠の時を刻めるなんてすごく幸せなことではないかと感じました。友人は、ご主人の死後、そのエリアに2人で入れるスペースを購入し、まず、ご主人のお骨を納めました。ご主人は比較的若くして亡くなられたので、友人がそこに入るのはまだ先だと思いますが、「ここはすごく気持ちのよいところで、お参りに来るたびに癒される。最終的に自分が行く場所が決まっていて、それがこんな素敵なところだとわかっていれば、これから先何が起きても怖くないって感じ」と、友人は言います。その言葉を聞いて、わたしも、自分のお墓の場所は自分で探して準備しておきたいなと思うようになったのです。

 

場所を決める前には予備知識が必要。ということで、今回は、各地のお寺の境内で樹木葬・永代供養の墓の企画・販売に携わる株式会社アンカレッジの代表取締役である伊藤照男さん(左)と、顧問を務める堀内克彦さん(右)にお話をうかがうことにしました。

堀内さんは、わたしの古くからの友人で、寺社コン(寺や神社で合コンを開催して結婚したい男女のマッチングを行う)など、寺社とわたしたち一般人を繋ぐ数々の企画やコンサルティング業務を幅広く行っておられます。

まずは、そもそも樹木葬とは何なのかというお話から。

「ひとくちに樹木葬と言ってもビジュアルも方式も千差万別なので、定義するのは難しいのですが、従来の石塔を中心とした墓ではなく樹木や花を中心とした墓で、代々受け継がない永代供養墓の一種と考えていただけばよいと思います」と、伊藤さんはおっしゃいます。

「と言っても中には何代か入れるところもあるし、墓石のあるなしも違います。また、個別にお骨を入れる形もあれば、ひとつの木やモニュメントの下にたくさんの方のお骨を納める形もあります。多くはお寺の境内の一角にありますが、大規模な霊園の中にある場合も。価格も条件もさまざまなので、あちこち見学して詳しく話を聞き、希望に沿うところを選ばれるとよいのでは」

 

高輪庭苑 東京都港区高輪 (写真提供 株式会社アンカレッジ)

 

今ではこのようにいろいろな形のある樹木葬ですが、もともとは、1999年に岩手県一関市の知勝院から始まったもので、山の中に穴を掘ってお骨を埋め、墓石など一切の人工物を残さない形でした。遺骨は土の中でそのまま自然に還ります。これを「里山型」といい、近年都市部の寺でよく見られる「庭園型」や、郊外の大規模霊園などで見られる「公園型」など、人工的に整備された墓地とは異なります。

 

ご興味のある方は、こちらのサイトで詳細をごらんください。

http://www.jumokuso.or.jp/

 

 

イメージとしては海洋散骨にも似ており、子供のいない夫婦やおひとりさま、自分が生きた痕跡を一切残したくないという主義の人にはこの形式が最適と思われます。しかし、自然の中のためどうしても交通の便が悪く、お墓参りに来る人がいる場合はちょっと大変ということもあって、現在では数が少なくなっています。

 

 

魚住庭苑 兵庫県明石市(写真提供 株式会社アンカレッジ)

 

自然の中の「里山型」だけでなく、整備された都会の樹木葬墓地の場合も、子供のいない夫婦やおひとりさまが選ぶことが多いのかなと思っていましたが、実はそうでもないようです。近年では、子供はいるが、昔ながらの先祖代々の墓を守っていくのは大変なので、できるだけ迷惑をかけたくないという理由で樹木葬を選ぶ人も多いとのこと。

 

松戸庭苑 千葉県松戸市 (写真提供 株式会社アンカレッジ)

 

そんな皆さんは、どんなタイミングでお墓を購入するのか。一般的には、すでに亡くなった方のお骨があり、それを納めるためのお墓を買うケースが7割、まだ誰も亡くなっていないうちに買うケースが3割。死ぬ前からお墓を決めるなんて縁起でもないという考え方が根強いようですが、アンカレッジさんの樹木葬墓地の場合は、だいたい半々で、生前にご夫婦で見学に来て買われる方も多いのだとか。つまり、樹木葬を選ぶのは、古い常識に捉われない自由な考え方の人が多いということでしょうか。

 

 

盛岡庭苑 岩手県盛岡市 (写真提供 株式会社アンカレッジ)

 

このように、樹木葬墓地は現代人のニーズにマッチしているため、近年どんどんシェアが高まっています。お墓探しの検索サイト「いいお墓」のアンケート調査によると、2019年、新規にお墓を買った人の中で、樹木葬を選んだ人の割合が41%でトップになったとのこと。従来のお墓を新規で買った人が27%、納骨堂など室内の永代供養墓を選んだ人が24%。前年の調査ではまだ従来のお墓を買った人の方が多く、いかに樹木葬のシェアが急激に伸びているかがわかります。ということは、東京の都心部など人気エリアの樹木葬墓地は、すでに早いもの勝ちの段階に入っているのかも知れません。

 

「いいお墓」のサイトはこちらです。

https://www.e-ohaka.com/

 

 

より自分に合ったお墓を選ぶコツは、まず、入念に情報収集をすることです。

今回お話を聞いたアンカレッジさんのサイトや「いいお墓」のサイトなどを詳しく見て、よさそうなところをピックアップし、資料を送ってもらいます。それらを比較検討してさらに厳選し、見学に出かけましょう。

 

 

現地に行けば、より細かい要素が見えてきます。

お参りに来る人のためには、交通の便がよいかどうかも大切だし、周辺の環境も気になります。場所によって値段も少しずつ違うので、その点も細かくチェックせねば。しかし、何よりも大切なのは、その場所の雰囲気がよく、自分がそこで安らかに眠れそうかどうかです。これって、何かに似ています。そう、家やマンションなどの住居探しと同じですよね。

 

「生前には実際に住むことができないが、以前からこの街が好きだったという理由で選ばれる方もいます。たとえば、港区の一等地のマンションには住めなかったけれど、お墓なら手が届くという場合もありますよね」と、伊藤さん。都心のお寺だと、樹木葬のお墓でもかなりお値段が張りますが、それでもマンションに比べたらずっとお安いですからね。

 

自分が永遠に住むためのマンション探し、もしくは、ずっと滞在するホテル選び。そのように考えると、お墓探しが、がぜん楽しくなってきます。気に入った場所の樹木葬墓地が手に入ったら、いつの日か死が間近に迫った時も、「いよいよあそこに行けるんだわ」とわくわくするかも知れません。

 

アンカレッジさんのサイトは季節の花に彩られたお寺やお墓の美しい写真満載で、見ているだけで、何だか楽しくなってきますよ。

 

https://anchorage.co.jp/

 

 

次回の記事では、実際に東京都心部の二か所の樹木葬墓地を見学し、条件などをさらに詳しくチェックしてみます。

 

 

吉田さらさ 公式サイト

http://home.c01.itscom.net/sarasa/

個人Facebook
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