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ファッションの歴史を楽しく体感する

吉田さらさ

吉田さらさ

寺と神社の旅研究家。

女性誌の編集者を経て、寺社専門の文筆業を始める。各種講座の講師、寺社旅の案内人なども務めている。著書に「京都仏像を巡る旅」、「お江戸寺町散歩」(いずれも集英社be文庫)、「奈良、寺あそび 仏像ばなし」(岳陽舎)、「近江若狭の仏像」(JTBパブリッシング)など。

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こんにちは。寺社部長の吉田さらさです。

 

今回は、国立新美術館で開催中(2021年6月9日〈水〉~9月6日〈月〉)の企画展

「ファッション イン ジャパン 1945-2020 ー流行と社会」のご紹介です。

戦後から現在に至る日本のファッションの変遷とその時々の社会状況、世相の流れを体感できる、とても興味深い展覧会です。

手の届かないハイファッションの世界ではなく、

身近で流行した服や雑誌、世相を切り取った写真などが展示の中心になっています。

そのため、ある程度以上の年齢の女性にとって、

自分が生きて来た時代とリンクする部分が多く、青春の思い出も蘇ります。

女性にとって、おしゃれは人生のもっとも大切な要素のひとつなんですね。

 

展示のプロローグは昭和初期から始まります。

日本女性は、古くから、きものという伝統衣装でおしゃれを楽しんできましたが、一般の人が洋装を楽しめるようになったのは、この時代からです。映画の影響なども受けたモダンガールたちが、おしゃれなドレスに身を包んで銀座や丸の内を闊歩しました。

 

湖畔春興 榎本千花俊 1932年

可愛らしいお嬢さんが、ひとりは素敵な赤いドレス、もうひとりは黒いドレスに羽織りを重ね着した和洋折衷スタイルで湖畔をお散歩しています。

レトロきものブームもあって、近年も、この左側の女性のようにきものを洋服感覚で着こなす人を見かけますよね。この人は映写機を持ち、今で言うところの動画を撮影中。

 

こちらは戦時中の国民服や婦人標準服。手持ちのお気に入りのきものを仕立てなおしてもんぺにしています。

戦時中でもおしゃれ心は健在。

 

 

戦争が終わると、女性たちも解放され、自由におしゃれができるようになります。けれど、まだ、既製服などは売っていませんので、自分で作るしかありませんでした。

そこで、洋裁やおしゃれのノウハウを掲載した服飾雑誌が続々と創刊しました。

そしていよいよ、「服飾デザイナー」の先駆けとなるクリエイターたちが登場します。

こちらのコーナーには、田中千代さん、伊東茂平さんなどの作品が展示されています。そのモダンさに驚かされます。

今、これを着て歩いても、まったく違和感なくおしゃれな人に見えるのでは。

 

こちらは、戦前から活躍していた「かわいい」の先駆者、中原淳一さんのきものやお洋服。

パッチワークの楽しさ、色使いの斬新さなど、すべてが乙女心をくすぐります。

 

こちらは、当時、一番の娯楽であった映画の中で、石原裕次郎さんなどの大スターが身に着けた衣装。

なんと、森英恵さんのデザイン。

1650年代後半から、日本は高度成長期に入り、60年代に入っても勢いが拡大。

消費文化も花開き、既製服の全盛時代となります。男性もIVYでおしゃれに。

女性のお洋服も軽やかになってきました。どちらもハナエ・モリの製品です。

 

 

東京オリンピックの開会式用ユニフォーム。今、これを見ると泣けてくる。

当時は、みんながオリンピックに夢を抱いていたのでしょうね。

 

ロンドンのストリートファッションの影響で、ついに日本女性のスカートもここまで短くなりました。

右は、杉野芳子さんデザインのデイドレス、左は日本航空客室乗務員の制服で森英恵さんのデザイン。ああ、憧れのアテンションプリーズ。

 

大阪万博の各種パヴィリオンの制服。コシノジュンコさんデザイン。どれもかっこいい。

いよいよ、日本ファッションの夢の時代、70年代がやってまいります。

アンアンやノンノなどの女性誌も創刊され、原宿が若者ファッションの街として形成されていきます。こちらは、その原宿にもっとも早く開店したブティック、「マドモアゼルノンノン」の製品。

おしゃれ少女たちの憧れの的だった「ミルク」の製品。

やはり、原宿にかわいらしいお店があった。

大人っぽく、よりファッショナブルな「BIGI」。

ファッション界に大きな影響をもたらす存在として君臨。

日本のデザイナーたちは世界に進出。

こちらは、日本人ではじめてロンドンでファッションショーを開いた山本寛斎さんの作品。デヴィッド・ボウイのステージ衣装もデザインしました。

 

 

左:トップ、ドレス|川久保玲|コム デ ギャルソン|1983年春夏|京都服飾文化研究財団(株式会社コム デギャルソン寄贈)
右:コート、トップ、パンツ|川久保玲|コム デギャルソン|1983年秋冬|京都服飾文化研究財団(株式会社コム デギャルソン寄贈)

 

パリのファッションシーンに大きな驚きを与えた川久保玲さんの作品。

今なお世界のファッションに多大な影響を与え続けています。

 

DCブランドの全盛期となった80年代。バブル景気もあいまって、個性的なファッションに身を包んだ男女が街にあふれました。

 

 

一世を風靡したピンクハウス。今見るとかなりインパクトがあるが、全身にピンクハウスをまとった女の子が普通に道を歩いていても、誰も驚かなかったあのころ。

聖子ちゃん、チェッカーズなど、アイドルたちの衣装を真似した人も多かった。

 

 

そして90年代。狂騒の80年代は終わり、バブル経済が崩壊。DCブランドブームも終焉を迎え、ファッションは、メーカー側からでなく、ストリートから発信されるようになります。

こちらは、都市型サバイバルウェアのブランド「ファイナルホーム」。戦争や災害、失業などで家をなくした時、最後の家としての機能を果たす服です。阪神大震災、経済の停滞などの世相を反映しています。

 

 

2000年以降、わたし自身は、ファッションとはあまり関係のない生活を送って来たので、正直なところ、流行と社会の関係性を実感できませんでした。しかし、ファッションの影響をダイレクトに受けるのは、その時若かった人々なので、年齢が違えばまた別の感想もあることと思います。
2000年~2020年の展示物の中で、個人的に、これこそ時代の象徴だと思ったのは、ユニクロのフリースとヒートテックです。経済が長く停滞し、人々は、ファッションにそれほどお金をかけなくなりました。それによって、ファッションは、時代と並走するほどのパワーを持たなくなったのかも知れません。

音声ガイドのナビゲーターはモデルで女優の豊田エリーさん。

ファッション界のレジェンドたちのインタビューや時代を象徴する音楽も収録され、聞きごたえがあります。

 

ファッションがテーマなだけに、ミュージアムショップのグッズも充実しています。

わたしのお気に入りは、中原淳一さんの小物たち。少女趣味は永遠です。

 

 

企画展「ファッション イン ジャパン 1945₋2020 ー流行と社会」

東京展 国立新美術館

2021年6月9日(水)~9月6日(月)

 

詳細はこちらのサイトをごらんください。

 

𠮷田さらさ 公式サイト

http://home.c01.itscom.net/sarasa/

個人Facebook

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イベントのお知らせFacebook

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