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https://ourage.jp/column/topics/162012/

50代女性に多い掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)って知っていますか?

「手に発症してから20年以上、自分の手で顔を洗えなくなりました」

掌蹠膿疱症1

そんな衝撃的な闘病体験について話してくださったのは、主婦の鈴木久代さん(67歳)です。34歳の時に足の裏に水疱が出来たことから、この病気との付き合いが始まったのだそう。

 

「痒みもあったので何かにかぶれたか、水虫かとも思ったのですが、そのうちに足の裏全体が膿疱だらけになり、皮膚が硬くなってきたのです。病院に行くと、すぐに掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)と診断されました」

掌蹠膿疱症2

外用薬に内服薬、注射などをして一時的に症状が軽くなっても、その治療に慣れてしまうとまた症状がひどくなってくる。病院を変えたり、自分で調べて漢方薬も取り入れてみたものの「すぐに悪化」を繰り返してきたと言います。

 

「朝起きてベッドから降りる時、硬くなった皮膚が足の裏に食い込んで痛いんです。画びょうを5コくらい置いて、そこに素足を乗せるような感覚です」

 

症状が悪化している時には歩くと足の裏の皮がひび割れて出血し、普通に歩くのもままならないほどだったとか。さらに、鈴木さんの症状は足だけでなく他の部位にも及びます。

掌蹠膿疱症3

「手のひらに水疱が出来たのは47歳の時。あっという間にひどい状態になりました。以来、いつも手袋をしています。うつる病気ではないのですが、お買い物に行って、この手で陳列しているものに触ったりお金を支払ったりしたら、周りの人に不快感を与えてしまいます」

 

手のひらが痛くて顔が洗えない。シャンプーも髪の毛が手のひらの皮膚に食い込んで切れてしまうから出来ない…。

 

「手袋をしながら食事の用意をしていますが、包丁を持つのも痛いので時間がかかってしまいます。家族がこの病気を理解して協力してくれているのが救い」と淡々と語りますが、想像できますか? これが毎日、しかも何十年も!

 

お尻や脇腹、太ももの裏にまで膿疱が広がり、大学病院に行ったところ「普通の生活は無理」と診断されて3カ月ほど入院したこともあったそう。また、精神科ではストレス障害と診断され、「ストレスの原因から離れるように」とアドバイスされたとか。聞いているだけで切なくなり、思わず涙が出てきました。

 

 

掌蹠膿疱症ってどんな病気? 

掌蹠膿疱症5

掌蹠膿疱症について、日本大学医学部 皮膚科学系皮膚科学分野 教授の照井正先生が説明してくださいました。

掌蹠膿疱症4

「掌蹠膿疱症とは、てのひらや足の裏に無菌性の膿疱が繰り返し出来てしまう慢性的な炎症性皮膚疾患です。水疱の中に膿疱ができるのが特徴で、無菌性ですから、他の人にはうつりません。原因の詳細は未だに解明されていないのですが、扁桃炎や歯性病巣、喫煙が悪因子と考えられています」

 

 

掌蹠膿疱症は手のひらや足の裏に水疱が出来ることから始まります。鈴木さんは初めに足の裏、10年以上経ってから手のひらに発症していますが、手だけ、足だけに症状が出る人もいるなど個人差があるのだそう。

掌蹠膿疱症6

「その症状も軽いままだったり、どんどん悪化する場合もあったりと個人差があります。また、夏だけ悪化、年に何回か悪化という人もいますし、自然に治る人もいれば、10年以上続く人もいるのです」

 

人にうつらない皮膚疾患には乾癬もありますが、こちらは欧米でも患者が多いため、臨床研究も盛んで薬もたくさんあるのだとか。それに比べて、研究が遅れているのが掌蹠膿疱症なのです。

掌蹠膿疱症追加

研究が遅れているけれど、掌蹠膿疱症の患者は日本国内に13万人いると言われ、上のグラフ※にあるように50代前後の女性が患者数のピークなのだそうです。OurAge編集部員も1人、過去にり患しています。51歳の頃、忙しくて寝不足が続いたときに症状が出て、2年近く足の裏の水疱や膿疱に悩まされたとか。幸い治って、今はすっかり落ち着いたそうです。※PPP=掌蹠膿疱症(pustulosis palmaris et plantaris)

掌蹠膿疱症7

水虫と勘違いしそうですが、皮膚科で顕微鏡やダーモスコピー(特殊な拡大鏡)などでチェックすれば掌蹠膿疱症は無菌なのですぐにわかるとのこと。

 

「肉眼では見えなくても、ダーモスコピーを使えば皮膚を取らなくても水疱の中にある膿疱が確認できます。また、10人のうち3人くらいの割合で骨関節症状を伴うことがあるのも大きな特徴。前胸部痛を訴える患者さんが多いんです」

 

ここ、大事なので太字にします!

胸のあたりが何故か痛い、心臓病?狭心症?と検査をしたけど問題なかったという人は、手足にブツブツが出来ていないか確認を。

その場合は掌蹠膿疱症である可能性が高いそう。放っておくと、関節への悪影響も悪化するのでぜひ皮膚科医での診察をおすすめします。

掌蹠膿疱症8

鈴木さんのお話からもわかるように、手のひらは常に人から見られる部位であり、足の裏は歩行時に痛みを伴うこともあることから、掌蹠膿疱症は生活の質にも大きく影響します。

 

「手のひらに膿疱が出来たことで、寿司職人や美容師であった患者さんが職替えするしかない状況になってしまったことがあります。また、足の裏は50〜60層くらいと皮膚が厚いため、一度炎症を起こすとひび割れしやすくなってしまうのです」

 

新しい治療が始まっています!

掌蹠膿疱症9

過去の編集部員のように比較的軽い症状なら生活習慣を見直すなどの対症療法や外用薬で対応出来ますが、鈴木さんのように重い症状になってしまったら…。実は2018年11月に、ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンファーマが開発した生物学的製剤で日本初の掌蹠膿疱症治療薬が承認されたそうです。

 

照井先生も、中等〜重症患者にとって保険適応となるこの治療薬は福音になるはず、と語ります。

 

 

掌蹠膿疱症の患者は中高年層の女性の方が多いとのこと。気になるブツブツ、そして関節痛があったら、自己判断しないで早めに専門医に相談してくださいね。

 

 

掌蹠膿疱症ネット

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