年々劣化し減少していく毛細血管ですが、実は何歳からでも増やせます。
それも日々のちょっとした工夫で、自分で増やすことができるのです。
最新医学に基づいた確かな方法を根来教授が伝授します。
【食事編】
人は食べ物でできています。もちろん、毛細血管の原料も食べ物。
どんなものを、どんなふうに食べるのがよいのか、
毎日の食事を見直してみましょう。
カラフル食材で抗酸化
血液をドロドロにして毛細血管をサビさせるフリーラジカルに対抗するためのマストフードは抗酸化食材。トマトやすいかを赤くしているリコピン、にんじんをオレンジにしているβーカロテンなど、抗酸化成分はカラフルな色をしているものが多く、食材を選ぶ際の目印になります。
この鮮やかな色の由来は、〝ファイトケミカル〞。植物が紫外線や害虫から身を守るために作り出す化学物質です。
鮭のサーモンピンクも、海藻に含まれる〝アスタキサンチン〞という強力な抗酸化成分の色で、食物連鎖によって鮭に蓄積されたものです。ぶどうやりんごの皮に含まれる〝レスベラトロール〞は強力な抗酸化作用があるうえに、老化をコントロールするといわれる長寿遺伝子をオンにします。
これらの抗酸化成分はさまざまな種類を複数摂取することで効果が増強されます。
低GI食材をよく嚙んで
血糖値が過剰になると血管の内皮細胞がダメージを受け、特に栄養吸収の最前線である小腸粘膜の毛細血管に大きな負荷がかかります。そこで血糖値を下げるインスリンが大量に分泌されるのですが、それが続くとしだいにインスリンの効きが悪くなり、ついには枯渇して糖尿病を招きます。
ですから毛細血管の健康を保つためには、血糖値を急激に上げないことが肝心。葉野菜やきのこ、果物、肉、魚、海藻、大豆製品、チーズ、ナッツ類など、血糖値を上げにくい低GI値の食品を意識的にとりましょう。
早食いは血糖値を急上昇させ、インスリンを無駄遣いさせてしまいます。「ひと口30回嚙む」を心がけると、食事時間が30分くらいになり、過食を抑制するホルモンが分泌され、自然と腹八分で満足できます。脳を刺激し、ハッピーホルモンを増やして気持ちを安定させる効果もあります。
朝日を浴びて1時間以内に朝食
朝食は一日の体内リズムを調整し、毛細血管の働きをスムーズにします。
脳には、食事によって体内時計を調節する腹時計があるのですが、朝日を浴びてから1時間以内に朝食をとると、腹時計内の時計遺伝子が刺激され、体が地球に合ったリズムで動き出すのです。
ところが、朝食を抜いて一日の食事を昼食からスタートすると、体内時計にずれが生じ、全身の臓器に負担をかけてしまうことに。さらには、体が飢餓に備えて栄養をため込む方向に働くため、体重やコレステロールの増加も招きます。
朝は食欲がないという人がいますが、それは不規則な食事による体内時計の乱れが原因の胃の不調かもしれません。多少の胃もたれ程度なら、無理にでも3食規則正しく食べて、体内時計を修正するほうが、全身の毛細血管の働きをよくし、調子が上向くはずです。
「血管力」に着目して開発された化粧品も!
化粧品の分野でも、毛細血管は注目を集めています。肌の「土台」、つまり「血管力」に着目して誕生し、発売以来、話題を集めているのが「ソフィーナ iP」の「美活パワームース(土台美容液)」と「クロロゲン酸 飲料」。
「美活パワームース」は高濃度炭酸泡の働きで、血行が悪くなってくすんだ肌に透明感をもたらす働きが。化粧水の前に使うことで、次に使う化粧品の馴染みをよくする効果もあります。
「クロロゲン酸 飲料」は世界2大ポリフェノールのひとつ、「クロロゲン酸」配合で、栄養成分を内側から補給。疲れやストレスで低下しがちな肌に働きかけます。
とはいえ、化粧品の力を最大限に発揮させるには、やはりおおもとの「健康」が大切。根来先生の生活術で、毛細血管を増やす努力をしながら、スキンケアも楽しみましょう。
撮影/角守裕二 イラスト/内藤しなこ 構成・文/石丸久美子