いし こんにちは。ぐうたらライターのいしまるこです。
今回からは根来教授の腎臓よろず相談室を開催します。
腎臓の専門医でもある根来教授が、腎臓についての素朴な疑問にお答えしますよ。
根来 こんにちは。根来秀行です。何でも聞いてくださいね。
いし では、茨城県水戸市のSさんからの質問です。
「健診でタンパク尿が陽性と出たのですが、腎臓の病気でしょうか?」
根来 タンパク尿については、第54回で少し触れましたね。覚えていますか?
いし えーっと、タンパク尿は腎機能が低下して、本来漏れないはずの血液中のタンパクが糸球体でろ過されて尿に漏れ出ている状態でしたよね。
根来 はい、正解です!健康な人でも、尿中にはある程度のタンパクが排泄されるんです。それが一定量を超えて出ているときに、タンパク尿と診断されます。
いし 自覚症状はありますか?
根来 タンパク尿の場合は、オシッコが泡立つのが特徴です。
いし 勢いよくオシッコしても泡立つんじゃないですか?
根来 その場合は、泡がすぐに消えるはずです。
たんぱく尿の場合はタンパクが混じっているせいで粘り気があるため、もっときめ細やかでクリーミーなんです。
いし きめ細やかでクリーミー…。まるでビールの泡のような?
根来 そうそう、そんな感じですね。ただ、タンパク尿だったからといって、必ずしも腎臓の病気ということでないんです。
立ち仕事や激しい運動や入浴の後、発熱、大きなストレスなどが原因でタンパクが尿に出る場合もあります。
いし 採尿のタイミングが影響するってことですね。
根来 はい。他に症状がなく、生活に支障がないと放置しがちですが、なんらかの腎臓の病気が原因になっている場合もあります。
知らず知らずのうちに腎機能の低下を進行させることにもなりかねないので、検査で陽性が出たら、再検査を受けたほうがいいですね。
いし 了解です!
根来 それではみなさん、今日も素敵な1日を!
取材・文/石丸久美子 撮影/森山竜男