骨粗しょう症の薬の種類にはどんなものがある? サプリメントの効果は? 運動ってすればするほどいい?
誰もが知りたい情報を、整形外科の先生と、骨折経験者、骨粗しょう症予防に自ら取り組む医師に語っていただきました!
(写真右から)
神保眞理子さん
Mariko Jinbo
63歳 整形外科
神保整形外科
「週に3~4回、リビングで足を投げ出しているときに、膝を伸ばしてももに力を入れ、大腿四頭筋を鍛えるように心がけています」
関口由紀さん
Yuki Sekiguchi
54歳 泌尿器科
LUNA骨盤底トータルサポートクリニック
「サプリの摂取で免疫力が上がったせいか、風邪をひいたり、疲れを翌日に持ち越すことはほぼありません」
窪田美幸さん
Miyuki Kubota
60歳 眼科
三軒茶屋眼科
「パワープレートの上で毎日10分間、スクワットと腹筋運動をしています。効率よく運動できるので、忙しい人におすすめです」
骨粗しょう症の薬、
飲む? 飲まない?
窪田 私は昨年11月の朝、自宅の階段から転落して、大腿骨頸部を骨折しました。そのときは骨折とは思わず、痛みも我慢の範囲内だったのでクリニックへ出勤し、夜も飲みに行きました(笑)。翌日、整形外科を受診したら「すぐに手術します」と言われて緊急入院です。幸い術後3日で退院できたので、以後は普通に仕事も家事もこなしていました。
神保 驚異的な回復力ですね。骨密度はどうでしたか?
窪田 骨折を機に測ってみましたが、ごく平均的でした。今は気休め程度に、骨粗しょう症予防の薬を飲んでいます。
神保 私は整形外科なので、毎日高齢の患者さんから相談を受けているのですが、じゃあ自分はどうかというと、骨密度は年齢に比べて低いほうなんですね(笑)。閉経が42歳と早く痩せ型だということで、もともとリスクは高かったのだと思います。
関口 薬は飲んでいるのですか?
神保 まだ飲んでいないんです。副作用で胃腸障害などが起きて、これ以上痩せたらイヤだなと思って。あと骨だけでなく筋肉も大事で、筋力が衰えると膝が痛くなったり、O脚になったりするので、筋力アップのためにピラティスを6~7年続けています。あとは関節ストレッチですね。関節が正常に動くと、体の安定性が増して転びにくくなります。運動は頭を真っ白にできるので、気分転換にもなるし、いいですよね。
窪田 この先、骨粗しょう症の薬を飲むとしたら、何を飲みますか?
神保 サームですね。女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きをする薬です。比較的副作用が少なく、胃腸障害が起こりにくい。コレステロールを下げる作用も併せ持っているので。活性型ビタミンD3もいいと思います。筋力にもいいというデータもありますから。
次はビタミンD3について詳しくご紹介。
活性型ビタミンD3だけを
長く飲むのは要注意!
窪田 ビタミンD3は活性型のほうがいいのでしょうか?
神保 そうですね。ただ、ビスフォスフォネート剤などと一緒に飲むならいいのですが、活性型ビタミンD3だけをずっと飲んでいると、結石ができやすくなったり腎機能障害を起こしたりするので、時々検査をしながら飲むことが大切です。今は骨粗しょう症の薬も、注射もあれば、半年とか1年に1回打てばいいものも出てきているので、そちらに移行するのもアリだと思います。
関口 私は41歳の時に乳がんになり、そこで治療による閉経をしました。女性ホルモンもサームも飲めないためビタミンDだけ飲んでいたのですが、ついに大腿骨のYAM(骨密度若年成人平均値)が71%になったので、6カ月に1回、デノスマブ(皮下に注射する骨粗しょう症の治療薬)を打っているところです。今は数値も76%に上がりました。
神保 それはいいですね! 私は74%です。YAMは80%以上が正常で、70%以下になると骨粗しょう症と診断されます。
関口 私はビスフォスフォネートが飲みにくくてダメで、患者さんに打つ前に自分で試してみようと思ってデノスマブを始めたんです。やってみたら副作用もなく、いいなあと。ほかに続けているのは、社交ダンスとクリニック併設のジムで行っている週2回の筋トレでしょうか。うち1回は全身の筋肉を鍛え、もう1回は骨盤底筋を鍛えるトレーニングです。これは患者さんに教えながら、自分でもやっています。
次回も素敵女医の鼎談をご紹介します。お楽しみに。
撮影/ケビン・チャン スタイリスト/森 ゆう子 取材・原文/上田恵子