美容と健康に◎で、ますますブームに!
赤身肉&熟成肉のヒ・ミ・ツ
今や、空前の赤身肉&熟成肉ブーム。
おいしい牛肉と言えば、サシの入ったA5等級、と思い込んでいる人にこそ、この赤身肉と熟成肉のすばらしさをお届けしたいもの。
おすすめの店から、家庭でのレシピまで、その魅力を大研究!
今回は、牛肉を中心とした食事を推奨している医師 斎藤糧三先生に、赤身牛肉が持つさまざまなパワーの秘密を教えていただきました。
その不調、もしやタンパク質不足?
今人気の赤身牛肉が強い味方です!
近年、NYやハワイで人気のステーキ店が次々と日本に上陸。国内発の店も含め、多くの女性客でにぎわっています。その理由は、これらの店で提供される赤身肉や熟成肉。おいしいことはもちろん、「美容や健康にいい!」と大人気です。
牛肉を中心とした食事を推奨する、医師の斎藤糧三先生によると、「牛肉は良質なタンパク質の宝庫。タンパク質を構成する
20種類のアミノ酸がバランスよく含まれています」。
タンパク質、そしてそれが分解されたアミノ酸は、筋肉や骨、髪の毛、皮膚、脳の神経伝達物質などを作る材料。不足すると次のような不調の原因に。
■筋肉量が落ちます。筋肉はエネルギーの貯蔵と利用をする臓器であり、その容量が減ると、痩せにくい体に。
■神経伝達物質のひとつ、セロトニン(気分を安定させ、体内リズムを保つ)が不足し、睡眠障害やうつに。
■骨や、髪、爪の材料が不足して、ダメージを受けやすくなります。
■肝臓で有害物質を分解する酵素や、毒素を排出する物質を作ることができなくなり、デトックス機能が低下。
■免疫力の低下。
また、牛肉には鉄分、それも植物性の鉄より吸収されやすいヘム鉄が豊富。鉄分が不足すると、酸素を運ぶ役割を持つ血液中のヘモグロビンの量が減り、貧血、疲れやすい、頭痛、冷え症などの症状につながります。
そのほか、細胞の新陳代謝に関与する亜鉛、赤血球の合成に欠かせないビタミンB12など、牛肉には、美と健康を保つために意識してとりたいビタミンやミネラルが豊富です。
このように、もともと美と健康のパワーが詰まった牛肉ですが、なかでも今人気の赤身肉、熱成肉はより強力! 赤身肉には脂肪が少ない分、霜降り肉よりもタンパク質や、ビタミン、ミネラルが多く含まれます。さらに熟成させると、赤身肉のタンパク質が、肉に備わる酵素や菌の働きでアミノ酸に分解。40日間の熟成で、アミノ酸が5〜6倍に増えると言われています。
「以前、動物性脂肪は健康に悪いと言われて避けられていた時期がありました。しかし、近年の研究では動物性脂肪は、心臓血管病リスクを上げないということが明らかになっています。積極的に食べるようにしたいですね」
斎藤先生が推奨する一日の肉の摂取量は約300g(含有するタンパク質60g)。タンパク質は体内で蓄えられないので、毎日摂取を心がけて。
話題のステーキ店に足を運ぶもよし、自宅でじっくり調理してみるのもよし。その健康パワーをぜひ取り入れて!
撮影/太田隆生 取材・原文/瀬戸由美子