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今、知っておきたい骨のこと/「骨粗しょう症にならない生活習慣:運動療法」

細井孝之さん

細井孝之さん

健康院クリニック副院長、予防医療研究所所長。

専門分野は老年医学、抗加齢医学、骨粗しょう症などの骨代謝疾患。

東京都老人医療センター内分泌科部長、国立長寿医療研究センター臨床研究推進部長などを歴任。

近著『老化か? 病気か? それが問題だ。』(マガジンハウス)

「ロコモにならない宣言」

いつまでも美しい姿勢で、元気よく歩くために!

転ばぬ先の「美骨レッスン」

 

 

あなたは、自分の命が果てるそのときまで、元気でいる自信がありますか? 女性の平均寿命は今、86歳。でも健康寿命と呼ばれる「日常生活に制限のない期間」は、そこからマイナス13歳ともいわれています。

 

ロコモティブシンドローム(=運動器症候群)になると、要介護や寝たきりの生活に突入するスピードが加速。自分が思い描く人生を最後まで全うするためには、足腰の骨を衰えさせないように、OurAge世代からの生活を見直すことが重要です。

 

さあ、強くて美しい骨を手に入れるために、レッスン開始!

 

 

 

寝たきりにならないための生活術とは? 骨粗しょう症の治療法

 

 

ロコモ予防のために、まずは骨粗しょう症にならない生活習慣を身につけたい。カギになるのは食事療法と運動療法です。

 

取り組みに〝早すぎる〞ことはありません。「骨美人は一日にして成らず」を肝に銘じて、さっそく今日から始めましょう。

 

ここでは、「食事療法」「運動療法」「薬物療法」の3つ観点から、骨量をアップし、骨粗しょう症にならないための生活習慣のアドバイスをご紹介します。

 

今回は、「運動療法」についてです。

 

 

 

 

 

骨量アップは

食事、運動、薬剤の3本柱で

 

 

骨粗しょう症の予防と改善法で欠かせないのが、食事と運動です。

 

「食事面では、骨粗しょう症に限らず、ほかの生活習慣病予防も合わせて、5大栄養素をバランスよく摂取する食事が基本です。そのうえで骨を丈夫にするために、積極的にとりたいのが、カルシウム、タンパク質、ビタミンD、ビタミンKです」(細井先生)

 

 

そして欠かせないのが軽い運動です。

 

「骨粗しょう症予防の運動の目的は、骨量の維持と増加です。それには重力方向への刺激で、骨に負荷をかけるのがポイント。同時に筋力を高め、ストレッチなどで関節を柔軟に保ちましょう。簡単で長続きする運動であることが大事。おすすめは歩くことです」
30分のウォーキングの運動量は、バーベルの上げ下げを10分間行うのに匹敵するとも言われています。

 

 

まずは骨の健康に向き合うことから。今から骨美人を目指して、骨粗しょう症にならない生活を始めましょう。

 

 

 

■運動療法■

 

骨は古い骨を壊して、新しい骨をつくる新陳代謝を繰り返しています。その骨の生成のために、運動も大切な要素です。骨は負荷がかかることで強くなります。宇宙空間にいる宇宙飛行士の骨が急激に弱くなるのは、重力による負荷がかからないから。骨に負荷がかかると、骨の中の骨細胞から骨芽細胞に〝骨をつくるように〞という信号が送られます。

 

骨を強くするには、重力方向への刺激がかかる運動が最適。わざわざ運動の時間を作らなくても、普段の生活に取り入れて、続けることが運動療法の大きなポイントです。

 

 

 

 

【ウォーキング】

背筋を伸ばして颯爽と歩く習慣を!

 

動きやすい服装と靴で背筋を伸ばし、歩幅は広めにとり、やや早足で!

通勤や買い物時もいつも颯爽と歩く習慣をつけるだけでも効果があります

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【筋トレ】

家事の合間にできる簡単体操を実践

 

ロコモ対策に推奨されている簡単エクササイズです。シンプルですが、やってみると意外とキツイ。 毎日の習慣にして骨と筋力、バランス強化で足腰の健康をアップ!

 

 

 

●片脚立ち

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姿勢を真っすぐにして、片脚を5~10㎝上げて1分間静止。倒れそうなら、テーブルや壁につかまってもOK。これを1日に3回

 

 

 

●スクワット

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足を肩幅より少し広く、つま先は30度くらい外に向けて姿勢よく立ちます。次にお尻を後ろに引いて体を沈めますが、このとき、膝がつま先から前に出ないようにしながら、膝が足の人差し指の方向に向くようにするのがコツ。沈んだら、また立ち上がります。これを5~6回

 

 

 

 

 

次回は、骨粗しょう症と診断場合の、骨量を増やす「薬物療法」ついてご紹介します。

 

 

 

撮影/小山志麻(細井先生) イラスト/かくたりかこ

取材・原文/山村浩子

 

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