脚が曲がってきた⁉
大人のO脚には要注意
45歳を過ぎたあたりから、O脚がひどくなった、膝に違和感を覚えることが増えた…という人はいませんか?
そんな大人のO脚を放っておくのは禁物です!
膝を守るためのセルフケア
O脚の進行や変形性膝関節症になるリスクを、少しでも減らすために、今できることから始めましょう。それが、足指のバランスのくずれを防ぐことにもつながります。
今回は、膝痛防止のために、大腿直筋の柔軟性を高めることができる簡単ストレッチの方法をご紹介します。
大腿直筋と大腰筋を
鍛えることが大切
O脚の進行をくい止めたり、変形性膝関節症を予防するには、どんなことを心がけたらいいのでしょうか?
「大腿直筋と大腰筋を鍛えることです」(高井先生)
大腿直筋は太ももの前側の、唯一、骨盤と膝の下を結ぶ筋肉。大腰筋は背骨から骨盤、大腿筋を結ぶ深層筋です。
「ともに股関節の屈曲(=膝を曲げる)に大きく関係しており、特に大腿直筋は40歳を過ぎた頃から急激に筋力が落ちることがわかっています。これらの筋肉が弱まり、股関節と膝関節の柔軟性がなくなると、衝撃が上手に吸収できなくなります。10〜15年かけてじわじわと膝に負担がかかり、やがて脚の変形や痛みが現れてきます」
まずは自分の大腿直筋の柔軟性をチェック! そしてストレッチで柔軟性を高め、エクササイズで筋力アップを図りましょう。
Check!
大腿直筋の柔軟性をチェック!
両脚を前後に大きく広げ、前の膝を曲げて腰を落とします。重要なのは後ろの脚。後ろに伸ばした脚の、太ももの前がしっかり伸びているのを確認します。
左右の脚を同様に行い、筋肉の張りや痛みのチェックを!
①脚を前後に大きく開いて
腰に手を当て、片脚を大きく1歩前に出します
↓
②後ろ脚の太ももの張りを確認
前脚の膝を曲げ、体を沈めると、後ろ脚太もも前の大腿直筋が伸びます。十分に柔軟性があればOK!
Stretch 1
アザラシのポーズで大腰筋を伸ばす
うつぶせから上体だけを反らす、ヨガのアザラシのポーズは、硬くなった大腰筋を伸ばすのに最適。へそは床につけたまま行うのがポイント。
大腰筋を柔軟に保つことは、膝痛予防をはじめ、腰痛、肩コリにも効果的です。
①肘をついて上体を反らせる
うつぶせになり、肩幅に両肘をつき、へそは床につけたまま、上体をゆっくり反らせます。この状態で10秒キープ
↓
②ラクな姿勢に戻る
肘を崩して、ラクな姿勢に戻り5秒休みます。これを5回繰り返します。腰が痛い人は無理をしないこと
Stretch 2
大腿直筋を柔軟にするストレッチ
床に横になり、片脚を後ろに反らせて大腿直筋をストレッチ。横になって行うことで、体が安定して、ゆっくりと自分のペースでできるのが利点。
体の向きを変えて、左右の脚を同様に行いましょう。
①横になり両膝を曲げる
床に右を下に横向きになり、両膝をそろえて曲げ、体に引きつけます。右手は頭の下、左手はフリーにしておきます
↓
②上の脚を後ろに引っ張る
左手で左脚(上の脚)の先のほうを持ち、膝を後ろに引っ張ります。引いた太ももの前をしっかりと伸ばします
■Step Up!
右かかとで膝を押す
余裕のある人は、右脚(下の脚)のかかとで左膝を押し、さらに太もも前の大腿直筋をしっかりと伸ばします
次回は、今回の大腿直筋の柔軟性のチェックとストレッチのあとに、筋力アップのために行うエクササイズをご紹介します。
撮影/板野賢治 イラスト/かくたりかこ 構成・原文/山村浩子