足のトラブル進行中! 今、ここでくい止めるには?
足裏の痛みや外反母趾…。
足にはさまざまなトラブルが起こります。これらの症状、今すぐにくい止めたい!
足が危ない!
ずっとストレスフリーで歩くために
「かかとがひりひりする」「親指の付け根が痛い」など、足に関する悩みが増えてくるOurAge世代。そんなトラブルはなぜ起こるのか、そして痛みにはどう対処したらいいのか。足の専門医に伺いました。
今回は、あなたが今抱えている足のトラブルのチェックリストと、そのトラブルの元や対処法などをご紹介します。
患者でいちばん多いのは、
40代〜50代の女性
「2013年にクリニックを開院して以来、日本全国から7000人を超える患者さんが来院されました。受診の理由は、皆さん『足が痛い』ということ。患者さんのうち9割が女性で、世代でいちばん多いのは40代〜50代です。
下の表の【女性の疾患トップ5】にもあるように、具体的な症状としては、約3割が外反母趾や指変形、約2割が足裏の痛みになります」
と言うのは、「足のクリニック 表参道」院長の桑原靖先生です。
「私たちの足は、両足で52本の骨、66の関節、214の靭帯から成り立っています。人間の全身の骨は約200ですから、4分の1が足に集中して体全体を支えていることになります。足の骨格構造は、極めて緻密にできているのです」
■「足のクリニック 表参道」女性の疾患トップ5
1位 外反母趾・指変形 28.5%
2位 足裏の痛み 19.1%
3位 タコ 18.9%
4位 陥入爪(巻き爪) 8.1%
5位 関節の痛み 4.8%
■「足のクリニック 表参道」で多い来院理由と診断
角質が厚くなった→タコ・ウオノメ・イボなど
爪の変形と痛み→巻き爪(陥入爪)
足裏やかかとの痛み→足底筋膜炎
母趾(親指)の変形→外反母趾
指の痛み→強剛母趾
次ページでは、もっと具体的にみていきましょう。
下の足跡のイラストを見てください。色が濃い部分は、体重が乗っているところです。
土踏まず以外のすべての部分に均等に乗っている足がベストで、土踏まずが消えている足や、指に体重が乗っていない足などはNG。体重が均等に乗っていないと、骨格構造が歪んで足を支えるアーチが崩れ、さまざまな足の病気の原因になります。
「アメリカでは、女性は男性の4倍足のトラブルが多いという調査結果が出ています。理由は3つ。①妊娠期のホルモンバランスの影響で、足が歪みやすくなる。②もともと女性のほうが靭帯が柔らかい。③ハイヒールなど、足に負担をかける靴を履く時間が長い。女性のほうが、足に痛みが起きやすい条件を備えているのです」
足にトラブルがある場合、放置することでよくなることはありません。ずっと元気に歩くためにも、早い段階で何らかの対策を取ることが大切です。
上のイラストは、かかとの骨を後ろから見たものです。
体重が均等にかからずに土踏まずのアーチが崩れ、かかとの骨が内側に傾くと、足全体の骨の位置がずれます。この動きを「回内」といいますが、冬、柔らかなムートンブーツがこのように型崩れしているのを見たことはありませんか?
異常な回内は「過回内」と呼ばれ、外反母趾など、さまざまな足の病気の原因となることがあります。逆に外側に傾いた状態を「回外」といい、足首の捻挫や靭帯の損傷、腱炎などの原因になります。
DATA
東京都港区南青山5-6-24 南青山ステラハウス3F
電話:03-6434-1082
診療時間/10:00~13:00、15:00~19:00
休診日/日曜(一部診療)・祝日・年末年始
診療科目/形成外科、整形外科
次回は、足に起こるさまざまなトラブルを、その症状とともに詳しくご紹介します。
撮影/鈴木康久(千代田スタジオ) イラスト/かくたりかこ
構成・原文/上田恵子