玄米の麺でさらに栄養アップ!
「グルテンは小麦などに含まれる2種類のタンパク質が、水を加えてこねることで絡み合ってできる成分です。グルテン自体がすべて悪いわけではありませんが、最近ではとりすぎなどにより腸内環境を悪化させ、アレルギー症状や肌あれの原因になるともいわれています。
そこで、そのグルテンをできるだけ減らそうという、グルテンフリーの健康法が注目されています」(沼津りえさん)
グルテンフリーの麺には「米が原料のもの」と「豆が原料のもの」があります。(※詳しくは第1回参照)
本場の「ラクサ」でも米麺を使用しますが、今回は米麺の中でも日本の国産玄米の麺を使用。グルテンフリーであるだけでなく、玄米は白米よりも食物繊維、ビタミン、カリウムや鉄分などのミネラルが豊富で、栄養素の宝庫。
「例えば、玄米に含まれる水溶性食物繊維は、善玉菌のエサになることで腸内環境をサポート。美肌や健康増進の効果が期待できます。また、玄米は低GI食品※で食後の血糖値の急上昇を抑えます」
※GIはグリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後血糖値の上昇スピードを示した数値。低いほど血糖値の上昇が緩やかなことになります。
エビを殻ごと炒めた旨味がスープのベースに!
おもにマレーシアやシンガポールなどで食べられているラクサは、地域などにより大きく2種類あるといわれています。ひとつは魚介からとったスープに酸味の強い食材のタマリンドや唐辛子を使った「スパイシータイプ」と、もうひとつはココナッツミルクを入れたカレー風味の「クリーミータイプ」です。
「今回提案するのは後者のクリーミータイプです。ポイントは殻付きエビを炒め、そこからとっただしをスープのベースに。これにカレースパイスとココナッツミルクを加えて風味豊かでマイルドな味わいに仕上げます。発酵調味料である味噌やナンプラー、豆板醤も健康増進ポイントです」
具に使うエビは低脂肪で良質なタンパク質、カルシウムなどのミネラル、ビタミンEやタウリンが豊富。大豆が原料の厚揚げや豆もやしで、植物性タンパク質もプラスします。
こうしたスープと具材がもちもちと弾力のある玄米麺にからみ、とても滋味深い一品に。お好みでレモンを搾って!
【使用した麺】
スーパー麺(細麺)
原料は宮城県や福井県など有数の米どころで丁寧に育てられた玄米と、北海道の馬鈴薯デンプンだけ。グルテンフリーだけでなく、化学調味料、保存料、着色料、食塩が無添加。ゆで時間わずか60秒で、癖のない味で、弾力があるので、幅広い料理に対応します。1袋(100g)¥365/ウォンツ
【発酵食ポイント】
味噌/原料の大豆が持つ良質な植物性タンパク質に加え、発酵によりアミノ酸やビタミン、ミネラルが生成され栄養素がアップしています。
ナンプラー/生魚を塩漬けにして発酵させた調味料。やはりアミノ酸やビタミン、ミネラルなど健康と美容に欠かせない栄養の宝庫です。
スーパー麺「ラクサ」レシピ
【材料(2人前)】
スーパー麺(細麺):200g(ゆで・2袋分)
殻付きエビ:4尾
厚揚げ豆腐:50g
大豆もやし:80g
油:小さじ1
水:200㎖
ココナッツミルク:200㎖
ナンプラー:大さじ1
レモン輪切り:2枚
香菜:適量
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干しエビ:8g(湯でもどしてみじん切り)
にんにく・しょうが(各みじん切り)・豆板醤・味噌:各小さじ1/2
カレー粉・砂糖:各小さじ1
【作り方】
1 麺を表示時間通りにゆでてザルに上げる。Aを合わせておく。
2 鍋に油を入れ、エビを殻ごと両面をしっかりと香ばしく焼いて、取り出す。
3 2の鍋でAを炒め、水を加えて沸騰したら、ココナッツミルク、厚揚げ、豆もやしを加えて煮込む。
4 1の麺と2のエビを入れ、ひと煮立ちしたら、ナンプラーで味を調える。
5 器によそい、好みでレモンと香菜を添える。食べるときにレモンを搾る。
【料理のポイント】
エビの殻をしっかりと焼くことで臭みを消し、旨味を引き出します。この鍋を洗わずにそのまま使用することで、エビの風味が生きたスープのベースになります。
【教えていただいた方】
管理栄養士・調理師・料理教室COOK会主宰。大手食品メーカーに就職後、管理栄養士として妊産婦指導を行う。その後、製菓・製パン専門学校に通いながら、老舗洋食レストランで料理の基礎を徹底的に学ぶ。結婚を機に子育てをしながら料理教室COOK会をスタート。シンプルでおしゃれなレシピに定評があり、各メディアで活躍。管理栄養士の知識を生かして、企業向けのレシピ開発も行う。最近ではYouTubeが好評で、著書に『米粉があれば! パンもおかずもおやつも極上』(主婦の友社)、『母から娘に伝える はじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)など多数。
撮影/沼津そうる 取材・文/山村浩子