萩名物の夏みかん。花は山口県の県花にも!
山口県の萩といえば夏みかんの産地として有名ですよね。私も萩には何度か行き、魚のおいしさを堪能するとともに、夏みかんも楽しみました。
萩の街を歩いていると、夏みかんの木があちらこちらで見られます。白壁や土塀から黄色い夏みかんの実がのぞく風景は、ほのぼのとしていて、ほっと心が和みました。
夏みかんの花は、よい香りのする白くて可愛らしい花で、山口県の県花にも選ばれています。
夏みかんが萩で栽培されるようになったのは明治時代。明治9年(1876年)に、元萩藩士小幡高政が、小倉県令を辞して故郷の萩に帰ったところ、旧藩士たちは職がなく、生活が困窮していました。そこで、その姿を見た小幡高政は、夏みかんの苗を買い集めて植えるよう奔走したそうです。こうして、士族の間に夏みかんの栽培が広がり、萩の特産品として定着したそうです。
夏みかんには、美肌や免疫力アップに役立つビタミンCや、腸活に欠かせない食物繊維が含まれています。また、外皮や薄皮には、血糖値の上昇を抑える働きを持つ「ノビレチン」や抗酸化作用のある「タンゲレチン」、「ナリンギン」などが含まれています。
皮に含まれる「リモネン」には精神安定作用があるそうです。夏みかんの爽やかな甘酸っぱい香りをかぐと、ほっと癒されるような気分になるのは、そういった成分の働きによるもののようですね。
さて、そんな健康効果の高い成分をいろいろ含む夏みかん。皆さんはどのようにして召し上がっていますか?
そのおいしさをストレートに味わうには、皮を剥いてそのままいただくのがいちばんですよね。ジューシーで甘酸っぱい香りがたちまち口一杯に広がります。
サラダに入れるのもいいですね。爽やかな香りとほんのりとした苦みがアクセントになって、おいしいです。
そして、私は毎年大量にマーマレードを作ります。マーマレードは、パンにつけたり、ヨーグルトにトッピングしたりするだけでなく、甘味料としてさまざまな料理に使うことができます。たとえば、鶏肉を焼くときの照り焼きだれに、砂糖代わりに加えると、甘みとともに爽やかな柑橘の香りがプラスされて、上品なたれに仕上がるのでおすすめです。
夏みかんのマーマレードレシピ
【材料】(作りやすい分量)
夏みかん :3個(約1kg)
砂糖 : 600g
レモン汁: 1個分
【作り方】
①夏みかんはタワシでよく洗いって包丁で切り込みを入れ、外皮を剥いて、取り分けておく。
②中身はひと房ずつに分けて薄皮を剥き、果肉を取り出す。
③ ①で取り分けておいた外皮は熱湯に入れ、ゆでてざるに上げ、ゆでこぼす。柔らかくなるまでこれを3回くらい繰り返す。
④柔らかくなった外皮を、極細のせん切にする。
⑤ ②の果肉と④の外皮、レモン汁を鍋に入れ、混ぜ合わせながら、砂糖を3回に分けて加える。
⑥ ⑤の鍋を中火にかけ、絶えずヘラでかき混ぜながら煮る。最初は水分が出てきて水っぽいが、だんだん照りが出て濃い黄色になってくるので、さらに混ぜながら煮詰めていく。オレンジ色になったら火を消し、完成。