春花粉症の季節が近づいてきましたね。私も花粉症なので、今から憂鬱な気持ちに…。アレルギーの薬を飲みつつ、生活習慣や食事などでも対策をしておきたいところです。花粉症の対策として食べている人が多い「ヨーグルト」について、大切なことをおさらいしましょう!
◆「ビフィズス菌」が腸内で増えるかどうかが花粉症対策のカギに!
日常からヨーグルトを食べていても、花粉症に効果がある人とない人がいますよね。詳しく腸内環境を調べると、その原因は「ビフィズス菌」にあることが分かってきました!
腸内環境研究の権威である辨野義己先生の著書によると、「同じようにヨーグルトを食べても花粉症への効果に差が出るかどうかの違いは、ビフィズス菌がどれだけ大腸内で増えるかにあることが分かっています」
さらに、菌の種類も大事だそう。「日本で開発された“ビフィズス菌BB536”という菌株は腸内のビフィズス菌を増やし、免疫調整力をアップします」。ビフィズス菌入りのヨーグルトを選ぶだけでなく、菌の種類にも気をつけた方がいいんですね!
◆花粉症対策だけでなく、通年性アレルギー性鼻炎対策にも!
また、こんな実験結果もあります。花粉症患者44名にスギ花粉が飛び始める1カ月前からビフィズス菌BB536粉末(1000億個/日)またはプラセボ粉末を13週間にわたって摂取してもらったところ、ビフィズス菌BB536摂取群は花粉症の自覚症状が緩和され、症状と関連する血中マーカーも改善されました。これはビフィズス菌BB536入りヨーグルトを用いた臨床試験でも症状改善作用が認められました。
さらに花粉症のみならず、通年で鼻の不快感があるけれどアレルギー薬を使っていない被験者への臨床実験でも、ビフィズス菌BB536含有試験食品摂取による通年アレルギー性鼻炎の不快感の軽減作用が確認されました。年中鼻がつらい、という人にも朗報ですね!
◆「ビフィズス菌」で免疫調整力をアップ!花粉症対策レシピ
体の中からアレルギー対策をできるビフィズス菌は、普段から摂り入れていきたいところ。そこで、大腸から免疫調整力をアップし花粉症対策となるレシピをご紹介します。下記の3つのポイントをおさえたレシピで、ビフィズス菌を大腸で増やしていき、花粉症対策をしていきましょう!
【1】ビフィズス菌入りヨーグルトを選ぶ
【2】ビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖をセットでとる
【3】ビタミンAをしっかりとる
●たらと春菊のキムチ鍋(マイルドヨーグルトたれ)
【材料(2人分)】
たら…2切れ
絹ごし豆腐…1丁
春菊…1袋(200g)
長ねぎ…1本(100g)
しめじ…1袋(100g)
白菜キムチ…150g
(A)水…600ml
(A)鶏ガラスープの素…小さじ2
(A)みそ…大さじ1
〈たれ〉
(B)みそ…大さじ2
(B)はちみつ…大さじ1
(B)ビフィズス菌入りヨーグルト…200g
〈〆雑炊〉
麦ごはん…軽くお茶碗2杯
ピザ用チーズ…40g
【作り方】
①たらと絹ごし豆腐を一口大に切る。春菊をざく切りに、長ねぎを斜め切りにする。しめじは手でほぐす。
②たれを作る。(B)を上から順に混ぜ合わせる。
③鍋に混ぜ合わせた(A)を入れ、①の具材をのせる。中火にかけ、具材に火が通ってきたら白菜キムチを加えてひと混ぜする。取り分け、②のたれをかけながらいただく。
④具材がなくなったら、残ったスープに麦ごはんと、ピザ用チーズを入れてリゾットにする。
【ポイント】
たらと春菊には、皮膚や粘膜を正常に保つために欠かせないビタミンA(β-カロテン)が豊富に含まれます。また、きのこや春菊には、ビフィズス菌のエサとなる食物繊維が豊富に含まれているので、ビフィズス菌入りのヨーグルトたれにつけて食べると大腸環境が整います。〆で麦ごはんを使うことで、食物繊維量がアップします。
●ドライフルーツが入ったカッサータ
【材料(4人分・7㎝×13㎝×5㎝くらいの型1台分)
(A)ビフィズス菌入りヨーグルト…400g
(A)お好みのドライフルーツ…80g
(B)くるみ…20g
(B)はちみつ…大さじ2(なければグラニュー糖…40g)
【作り方】
①前日に下準備をする。お好みのドライフルーツは、大きいもの(オレンジやいちじく、プルーンなど)は小さめに刻む。ボウルの上にざるを置き、上にキッチンペーパーをのせる。混ぜ合わせた(A)を入れて冷蔵庫で一晩くらいおく。
②くるみを粗刻みにする。ボウルに(B)を入れて混ぜ、ざるに残った①を加えて混ぜる。
③型にクッキングシートなどを敷く。型がない場合は、小さめのタッパーなどでもOK。
型に②を入れ、冷凍庫で2~3時間冷やし固める。
【ポイント】
ドライフルーツとナッツに含まれる食物繊維は、ヨーグルトに入っているビフィズス菌のエサとなり、大腸の調子が良くなり花粉症対策におすすめ。また、自然な甘みで糖分が控えめでも満足感が得られます。ドライフルーツは、ミックスしてあるものを使えば、より手軽に作ることができます!
これから迎える花粉症の時期を快適に乗り切るために、ビフィズス菌を上手に摂って、体の中から対策をしていきましょう!
教えてくれたのは
一般財団法人辨野腸内フローラ研究所
辨野義己(べんのよしみ)先生
東京農工大学大学院を経て、特殊法人理化学研究所研究員として入所。独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室室長、国立研究開発法人理化学研究所特別招聘研究員を経て、同所名誉研究員、現職。農学博士(東京大学)。腸内細菌学・細菌分類学の研究に取り組み、1986年日本獣医学会賞、2007年日本微生物資源学会賞、2009年文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞。「ウイルスに負けない!腸を元気にする新常識」(宝島社)ほか著書多数。
レシピ作成
管理栄養士
柴田真希(しばたまき)先生
女子栄養大学短期大学部卒業後、給食管理、栄養カウンセリング、食品の企画・開発・営業などの業務に携わり、独立。料理コーナーの番組出演、各種出版・WEB媒体にレシピ・コラムを掲載、食品メーカーや飲食店のメニュー開発やプロデュースなどを手がける。
◆参照/「ビフィズス菌パワーで改善する花粉症」(著:辨野義己)
◆資料提供/柴田真希先生、森永乳業
構成・文/倉澤真由美