モロヘイヤ 古代エジプト王朝時代の薬膳食材!?
ニューヨークのユニオンスクエアのファーマーズマーケットで、毎年夏になると買えるのを楽しみにしている野菜があります。それはモロヘイヤ!モロヘイヤは、ニューヨークではあまり見かけません。ユニオンスクエアのファーマーズマーケットでも、扱っているベンダーさんは1軒のみ。そして、売り場に並ぶのは1ヶ月くらいです。ですので、旬のうちになるべく買うようにしています。
青々とした葉っぱがいかにも新鮮!
ベンダーさんのサインには、エジプトのほうれん草とも書かれています。古代エジプトの王朝時代、王様はモロヘイヤのスープを飲んで病気を治したとか。古代エジプト王朝時代の薬膳食材だったということでしょうか?消化を助け、視力を向上させ、血のめぐりをよくしてストレスを軽減するのに役立つと書かれていますが、これは中枢神経を鎮めてストレス緩和に有効なカルシウムが豊富に含まれているからですね。
モロヘイヤは皮膚と粘膜を健康に保つビタミンA、体内で必要なだけビタミンAに変換されるベータカロテン、コラーゲンの生成に欠かせないビタミンC、抗酸化作用の強いビタミンE,むくみ解消と血圧を下げることに役立つカリウムもとっても豊富なんです!こんなにたくさんの栄養素をそれぞれ豊富に含んでいる野菜はそうそうありません。まさに、旬のうちにとらなきゃ損!な野菜なんです。
「モロヘイヤ」と言っても通じませんでした!なんて発音するのか聞いたら、「モロキア」だそうです
モロヘイヤの料理といえば、やっぱりニンニクを大量に使ったスープが一番有名ではないでしょうか?かつて、レバノンの血を4分の3引いている友人が、得意そうにモロヘイヤのスープをつくってくれたことがありました。味はまあまあ美味しかったのですが、煮込んだせいか、色があまりきれいでなく、残念ながら食欲をそそる見た目ではありませんでした。
モロヘイヤのきれいな緑色を生かしたスープにするにはどうしたらいいか考えたのが、私流のモロヘイヤとニンニクのスープです。これは冷製スープで、まずブイヨンの類と塩胡椒、ローリエ、おろしにんにく5かけほど入れて具なしのスープをつくり、冷やしておきます。
モロヘイヤは塩を少し入れて沸騰させた湯で1分弱さっと茹でてざるにあげ、水をかけて色止めし、それを刻んでおきます。こうすると、モロヘイヤ独特の粘り気がでます。これを冷やしたスープに加えるだけです。こうすると、モロヘイヤのきれいな緑色はそのままに、ニンニクの味もしっかり感じられるスープができます。暑い夏は冷や汁を飲んでほっとされることがあると思います。この冷たいモロヘイヤとニンニクのスープも、きっといい暑気払いになるのではないでしょうか。
モロヘイヤの葉っぱは茹でて刻むとかなり、かさが減るので、葉っぱはちょっと多過ぎるかなというくらいでちょうどいいです
スープをつくるほど葉っぱがない場合、スクランブルエッグに混ぜるのもお勧めです。私はラクトース不耐性と診断されてしまい、乳製品をとらなくなっています。スクランブルエッグは牛乳か生クリームをいれないととろっとした食感にならないからと、作らなくなっていました。でも、さっと茹でて刻んで粘り気を出したモロヘイヤを混ぜたら、牛乳や生クリームを使わなくてもとろっとした食感を感じながらスクランブルエッグをいただけるのではないかと思い、試してみました。案の定、モロヘイヤのおかげで乳製品なしでとろふわの食感に!これは嬉しい発見!よかったらお試しくださいね。
茹でて刻んで粘り気を出したモロヘイヤを最後にささっとスクランブルエッグに混ぜるだけ。彩りもきれいです
チキンとトマトを合わせたシンプルなサラダも、粘り気のあるモロヘイヤのおかげで、ホウレン草や小松菜など他の葉野菜を混ぜた時とは一味違う食感が楽しめます。ぬるぬるした口当たりは、暑くて食欲が減退している時でも、口に入っていきやすい感じがします。
鶏むね肉は蒸すか茹でるかして、食べやすい大きさに割いておきます。トマトは食べやすい大きさにくし切り。そこに茹でて刻んで粘り気を出したモロヘイヤを混ぜます。味付けはお好みでいいと思いますが、塩胡椒、オリーブオイル、米酢を使いました。