テレビや雑誌で「美容&健康によい」と何かと話題のオメガ3系オイル。
でも、「知っているけど使ったことはない」「試してみたけど、使い続けてはいない」という人も多いようです。そこで、オメガ3系オイルについてじっくり研究。効果を改めてチェックしてみましょう! さらに、使い続けるためのコツ、上手にとる方法もご紹介します。
お話を聞いたのは….
YUKIEさん
Q オメガ6系脂肪酸も必須脂肪酸なのに、
なぜオメガ3系の摂取が推奨されるの?
A 現代人はオメガ6系脂肪酸のとりすぎ…。
不足しがちなオメガ3系の積極的な摂取が必要です。
オメガ3系とオメガ6系、どちらも食事からとる必要のある必須脂肪酸。互いに不足する性質を補う関係で、ペアで働きます。例えば、体内に侵入した異物を撃退するよう炎症を起こす働きをするのがオメガ6系。それを抑える働きをするのがオメガ3系。オメガ6系とオメガ3系は2対1のバランスで摂取するのが理想といわれています。ところが、オメガ6系脂肪酸は加工食品に多く含まれるため、現代人の多くは過剰摂取ぎみ。逆にオメガ3系は不足傾向に。バランスを整えるよう、オメガ3系の摂取が推奨されています。
Q オメガ3系オイルならどれでもOK?
たくさんとるほど効果がある?
A 品質のよいものを選ぶことが大切です。
また、とりすぎによるカロリーオーバーにも注意!
オイルの原料は天然植物。原料の良し悪しはオイルの品質に大きく影響します。また、オメガ3系脂肪酸は非常に酸化しやすいので取り扱いはとてもデリケート。加工や管理方法により、品質劣化の恐れも。購入の際に次のような点をチェックしましょう。
●原料は有機栽培、自然農法による植物など良質なものを使用しているか。
●化学溶剤を使わない「低温」または「非加熱圧搾法」で抽出しているか。
●遮光性のボトルや外箱入りか。
●JASなど、公的機関による認定マークがあるか。
●無添加表示(保存料や安定剤などを使用していない)があるか。
オメガ3系オイルは体によい成分を豊富に含むうえ、体に蓄積しにくいオイルです。だからと言って、とりすぎはカロリーオーバーに。オイルはどれでもすべて1g=約9kcal。オメガ3系であっても、極端な過剰摂取は避けましょう。オメガ6系オイルをオメガ3系に「置き換える」イメージで。一日の適量、大さじ1杯程度のオメガ3系オイルをとり、オメガ6系脂肪酸を多く含むサラダ油や加工食品、菓子類、市販のドレッシングは控えて。
●オメガ3系脂肪酸の摂取で期待される効果
血液サラサラ効果(血栓の生成抑制と血流改善)
どろどろ血液の原因となる余分な中性脂肪や悪玉コレステロールを抑えてサラサラに。また、血栓の原因となる、血管壁にできるプラーク(こぶ状の塊)を平坦にならし、血栓の生成を抑え、動脈硬化を予防。
ダイエット(褐色細胞増加、脂肪燃焼促進)
オメガ3系脂肪酸には、脂肪を燃やす働きがあるといわれる「褐色脂肪細胞」の増加を促すとの研究結果が。「不要な中性脂肪やコレステロールの増加を抑える」「脂肪を分解する酵素を活性化する」などの働きも。
美肌(細胞膜の柔軟化)
血行を促して代謝を促進し、肌のターンオーバーを整えます。また、細胞膜を柔らかくすることで、弾力や潤いを保つ効果もあります。抗炎症作用により、ニキビや肌あれを改善する効果も期待されています。
リラックス効果(精神の安定)
神経細胞を柔軟にすることで、気持ちが落ち着く効果が。また血流がよくなって筋肉がほぐれることから、心身のリラックスに役立ちます。また女性ホルモンの分泌を促してくれることも気持ちの安定につながります。
アレルギー症状の緩和(抗炎症作用)
オメガ6系脂肪酸の過剰摂取により、免疫機能が異常に高まり、花粉など本来は害のないものまで攻撃しようと炎症を起こすのがアレルギー反応。オメガ3系脂肪酸が炎症を鎮め、アレルギー症状を緩和します。
脳の活性化(認知症予防、記憶力・情報伝達力の向上)
思考や記憶などの脳活動は、脳の神経細胞によって行われますが、神経細胞が柔軟であるほど脳の働きがよく、硬いと働きが悪くなります。オメガ3系脂肪酸の細胞を柔らかくする働きが、脳の働きを活性化します。
いかがでしたか? オメガ3系オイルを1日スプーン1杯! これなら今日からできそうですね。
次回は、使い続けるコツをご紹介します。
撮影/ケビン・チャン スタイリスト/中野径恵 構成・原文/瀬戸由美子