塩の話
こんにちは! 野菜料理家の庄司いずみです。
梅雨の晴れ間は気温がグンとあがる日も多いし、雨や曇りの日はじめじめと湿気が多く、汗ばむことの多い季節です。
これから夏場にかけて少し意識したいのが塩のとり方です。塩分のとりすぎはもちろん体によくないですが、いきすぎた減塩もよくないようです。
ナトリウムは体に不可欠。不足すると体内の塩分濃度を保つため体の中の水分も少なくなり、その結果、血液が不足してめまいやふらつきを起こしたり、胃液が減って食欲が落ちるなど胃腸のトラブルも。
スポーツをした日や炎天下をたくさん歩いた日などは、さらに注意がいります。汗とともに塩分もドンドン排出されるから、筋肉からもナトリウムが奪われ、これが原因で痙攣を起こすことも。汗をたくさんかくときは、水分補給とともに適度な塩分が必要。暑い盛りや、運動をした日などは料理にも少し塩気を取り入れましょう。
同じ使うなら、ミネラル分を多く含む天然の塩がいいですね。最近は大きなスーパーでは輸入ものの岩塩などを見かけることもありますし、値段の手頃な天然塩も揃っているので、お好みや料理の用途によって使い分けるのも楽しそう。
粒子の粗い岩塩は味のアクセントとして肉や魚の料理の仕上げや、野菜のグリルなどに。味がよいのでパスタを茹でるのにも向いています。
ふだん使いの塩なら、サラサラしていて固まらない焼塩が使い勝手がいいですが……。手頃な値段の粗塩ひとつあれば、たいていは困りません。
野菜の塩ゆでやスープや煮ものの味付けならそのままで。にがりには吸湿作用があるため、封をあけてしばらくたつと固まってしまい、グリル料理やサラダのふり塩や天ぷらのつけ塩などには向かないようにも思いますが、ひと手間かければ平気です。
粗塩が湿気を吸ってしまったらフライパンに入れて弱火でじっくりから炒りすればいいのです。
炒りつけてサラリとすれば出来上がり。いわば自家製の焼塩ですが、炒って水分を飛ばすとサラサラして使い勝手がいい上、焼くことで風味もよくなります。
炒るだけのひと手間で味がワンランクあがるので、塩だけで味を決めるシンプルな使い方も試してみましょう。
いつでも台所にストックのある切り干し大根をボウルにいれて流水で洗い、ざく切りにします。そこにひとつまみの塩をふりかけ、全体をしっかり揉み込むだけ。料理名もない簡単料理です。
切り干し大根を塩もみしただけのひと皿なのですが、ひとつまみの塩が切り干しの甘みを引き立て、最高のおいしさです。
切り干しは戻さなくても、洗うだけでOK。そのほうが甘みやうまみが逃げないし、コリコリの歯ごたえがくせになりますよ。
ほかに、薄切りの玉ねぎに塩を馴染ませただけの“塩玉ねぎ”や、きゅうりの塩もみ、だいこんの塩もみなど、野菜を自家製焼塩でしんなりさせたひと皿はシンプルなのに野菜の味が引き立ち、ちょっと嬉しくなるおいしさです。
塩を炒るひと手間だけで野菜料理がかわるから、ぜひお試しくださいね。
庄司いずみ
公式アメブロ http://ameblo.jp/izumimirun/
Facebook http://facebook.com/izumimirun