殻を割ると、皮の中から思いがけず鮮やかなグリーンが出てきて。食べると香り高くて美味しいナッツ、
ピスタチオ
が今月のテーマ。そう、バーなどで、おつまみで出てくることが多いナッツです。
最近は、間食用にナッツを常備する人も多いから、より身近になってきてるかも?
でも、お料理に使うことはまだ少ない食材です。
そんなピスタチオをキッチンに常備する、杉本さん。
確かに、他のナッツより柔らかめなので、料理にも使いやすいはず。
味はもちろん、香りや歯ごたえにもアクセントがついて、見栄えがする。
そして美味しくなるうえに栄養価もアップ! そんなピスタチオ遣い、ぜひ学びたい!
細かくしたピスタチオをトッピング用に常備しよう!
私はいろいろなナッツが好きで数種類を常備しているのですが、その中でも使用頻度が特に高いのはピスタチオです。それは、味だけでなく、見栄えをよくするのに役立ってくれるからだと思います。
ニューヨークでは殻付き・殻なし、生・ローストしてあるもの、塩味がついているもの・いないものといろいろありますが、私は殻なしで塩味がついていない生、またはローストしてあるピスタチオを買うようにしています。それをフードプロセッサーで大きな塊がなくなって、なおかつ粉状になりすぎない程度に細かくして空き瓶に保存しておくと、ちょっと使いたい時にとっても便利!
ピスタチオは、カリウム、そしてたんぱく質を分解する手助けをしてくれるビタミンB6を、それぞれナッツの中で最も多く含みます。たんぱく質自体も多く含むナッツです。頼もしい美の味方ですね!
9月のターメリックでご紹介したレンティルスープのトッピングにも細かくしたピスタチオを使いましたが、シンプルなスープにぱらぱらっとかけることで素敵な表情をつけられるので、とても重宝しています。こちらは、キャロットスープです。トッピングに使ったのはピスタチオだけです。
オレンジ色に淡いグリーンがよく映えて。香りも複雑になって美味
キャロットスープは、みじん切りにした玉ねぎをオリーブオイルで透き通るまで炒めます。セロリやエシャロットなどがあれば刻んで一緒に炒めてもいいと思います。
その後、乱切りにしたニンジンを加えて炒め、ひたひたの水とローリエの葉っぱを入れて煮ます。タイムなどのハーブがあれば、お好みで加えてください。
塩コショウも加えて、ニンジンが柔らかくなったら火を止めます。粗熱がとれたら、ブレンダーに入れてどろどろにして、鍋に戻して温め直して出来上がり。
お好みで牛乳や生クリームを加えてもいいです。
夏は、冷たいポテトのスープ、ビシソワーズにもトッピングしてみました。葉っぱはフェンネルの葉っぱですが、パセリやセロリの葉っぱを使っていただいてもいいと思います。
ハーブのグリーンを加えることで、緑のグラデーションが完成。スープの白さを引き立てます
サラダやヨーグルトのトッピングにも使えますが、これから寒くなるシーズン、ローストした野菜をお皿に盛り付けて、最後に細かくしたピスタチオをかけるのもお勧めです。
こちらは赤とオレンジのビーツ、紫ニンジン(皮が紫で中はオレンジのニンジンです)、ひよこ豆の水煮をローストしたものです。
目を奪われる鮮やかなロースト野菜のひと皿。ピスタチオの色と香り、歯ごたえが加わることで、ぐっと締まります!
野菜はオーガニックであれば皮付きのまま良く洗って、へたなど固いところを切り落とし、一口大に切ります。
ボウルに入れて塩胡椒し、オリーブオイルを加えて、オリーブオイルで野菜をコーティングするように全体を混ぜます。生のローズマリーがあれば、それも刻んで一緒に混ぜてもいいでしょう。
それをクッキングシートをしいたオーブントレイに重ならないように並べ、摂氏175度に温めたオーブンで20~30分、竹串がすっと通るくらいまでローストします。
ひよこ豆は最初から野菜と一緒にローストすると固くなってしまいますので、オリーブオイルをまぶして最後の7~8分、温める程度にローストすればいいでしょう。
オーブンから出したらすぐにお皿に盛り付け、細かくしたピスタチオをぱらぱらっとかけて、温かいうちにいただきます。秋色の素敵な温野菜サラダになります。
ソフトな歯ごたえを生かしてさまざまにアレンジして
ちょっと目先の変わった冷ややっこに使うこともできます。ピスタチオと一緒にのせたのは、パクチーと刻んだ紫たまねぎ。ソースはナンプラー、ごま油、ライムのしぼり汁を混ぜて、ちょっとエスニック風に仕上げています。
ちょっと大きめに刻んだものを使って、強めのアクセントに。歯ごたえはソフトなので、たっぷり使っても大丈夫
トッピングだけではありません。こちらは、ピスタチオとフェタチーズのディップを詰めたフィンガーフードスタイルのサンドイッチ。刻んだピスタチオと同量のフェタチーズをフードプロセッサーに入れます。そこにヨーグルト、黒コショウ、レモン汁を適量入れて、ほどよく混ざるまでブレンドします。ヨーグルトを多くすると緩くなりすぎますので、このお料理にはあまり多く入れないほうがいいでしょう。ピタパンを半分に切って、ポケット部分にディップを詰めて、扇型に4等分します。ピタパン1つで8切れできます。
淡い色の組み合わせがきれいに映るように、白いお皿に並べて
パーティーでのフィンガーフードで、「美味しくて止まらない!」と言われたことがあります。ディップはこのように挟まなくても、器に入れてスプーンをつけ、クラッカーや野菜スティックにつけながら食べるかたちでもいいと思います。