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緑黄色の優等生=カボチャが、美味しくオシャレに変身!

杉本佳子

杉本佳子

杉本佳子
ファッションジャーナリスト兼美容食研究家
1988年よりニューヨーク在住。1989年よりファッションジャーナリストとしてファッション、ファッションビジネス、小売りビジネスについて執筆。2013年より美容食研究家としても活動し始め、ブログ「YOSHIKOlicious Beauty」とインスタグラムを通じて、美肌効果の高い食材をなるべく使い、美味しくて見た目がお洒落な料理紹介している。見た目がきれいだと気分が上がり、食べて美味しいので嬉しくなり、美容と健康にいいのでさらにハッピーになる「3回ハッピーになる料理」がモットー。ファーマーズマーケットなどで買う生命力のあるオーガニックの食材をなるべく使う。食材の意外な組み合わせでも定評がある。

連載「負けない、メゲない。60代「NYでパートナー探し」の道」の関連トピックに特化した発信をThreadsでやっています。興味をもっていただける方は、是非フォローしてくださいね!

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栄養豊富な「優等生」。でも、なんとなく地味めでどっしりとした、「おしゃれ」からは遠いイメージの野菜といえば、  
 

「カボチャ」

かもしれません。
濃い緑の皮のものを選んで作る、ホクホクとして、甘辛いダシをよく吸った「煮つけ」が、日本の食卓では定番レシピです。
ところが、NYではどうもカボチャのイメージが違うみたい?
皮も中味も鮮やかな色のものが冬も出回り、種類も豊富、サラダやローストなど、使いみちもさまざま。
そう、カボチャこそシンデレラに出てくるみたいに「変身!」できそう。
おしゃれなカボチャと新しく出会う! そんなレシピを、見栄えもよくて美と健康にもいい「トリプル美食」を提唱する、NY在住の杉本佳子さんに、ご紹介いただきましょう。 

 

NYでは、パンプキンより「Kabocha」が人気? 

 

ニューヨークでは、秋から冬にかけていろいろなカボチャが見られます。特にファーマーズマーケットに行きますと、日本では見たことのないカボチャがいっぱい! 冬の日本のカボチャは深緑のものがほとんどですが、そうしたもののほかに、縞々、黄色、オレンジ色など、色とりどりのカボチャが豊富にあります。

 

ゴロンゴロン、もりもり山盛り、色とりどり! お行儀なんか気にせず、個性豊かなファーマーズマーケットのカボチャたち

 

立札を見ると深緑のカボチャはそのまま「Kabocha」、日本では秋に多く見かける「赤皮栗カボチャ」も、「Red Kuri Kabocha」「Orange Kabocha」などの名称で、冬本番の今も売られています。

 

「カボチャ? パンプキンではなくて?」

はい。「kabocha」の名称はニューヨークでは最近よく見かけます。「daikon」「mizuna」の名称もファーマーズマーケットでよく使われていて、一部の日本の野菜が日本語の名称と共にニューヨークで浸透してきています。
カボチャは、体内で必要な量だけがビタミンAに変換されるβ‐カロチンを豊富に含んでいます。ビタミンAは肌と粘膜を健康に保つ手助けをしてくれますので、カボチャが出回る時期、私はなるべくいただくようにしています。

 

これだけいろいろカボチャがある中で、私が特に重宝しているのは、先に触れた赤皮栗カボチャです。その理由は、色がきれいで皮をむかずに使えるから。カボチャの皮は、身の部分よりも栄養がさらに豊富だそうです! それなら、皮もできるだけ食べたいですね。加えて、カボチャの固い皮をむかずに調理できることは時短になります。

 

今回の写真はその赤皮栗カボチャで調理したものが主ですが、日本で一般的な緑のカボチャでも同じ調理方法で美味しくできますから安心して作ってみてくださいね。

 


赤皮栗カボチャは切るとこのような感じで、種をとって使います。

 

オレンジ色を生かした食材を組み合わせて華やかサラダに!

 

カボチャの料理というと、日本では醤油とお砂糖、お酒などで甘辛く煮る煮物を思い出す方が多いのではないでしょうか。美味しいのですが、ちょっと地味な感じは否めません。私は地味なカボチャのイメージを変えたいと思って、このサラダを思いつきました。

 

果肉のオレンジ色とブロッコリーの茎とつぼみの黄緑、効き色のザクロの赤の鮮やかさを、チーズの白が和らげます

 

1センチ目安でスライスして種をとったカボチャ(緑のカボチャの場合、皮をむくかむかないかはお好みで)に、塩胡椒とオリーブオイルをまぶし、175度くらいのオーブンで20~25分くらい、厚みのあるところに竹櫛が通るまでローストします。それをお皿に並べた上に、さっとゆでて水気をとってざく切りにしたブロッコリー、細かくくだいたゴートチーズ、千切りにして水にさらした紫たまねぎ、ザクロを散らしました。クリスマスにもピッタリな華やかなサラダになりました!

 

ガラスのお皿に盛りつけ、ホリディシーズンっぽく赤いテーブルクロスに載せると、こんなに映えます!

 

ブロッコリーは、茎も茹でて刻んで使ってください。特に固いところだけ外せば美味しく食べられます。赤いザクロは華やかに仕上がるトッピングですが、日本では売っているお店が限られると思いますので、代替えとしては細かく切った赤ピーマンがいいかもしれません。食べる時に、バルサミコビネガーかワインビネガーを少し垂らして召し上がってください。

ゴートチーズが無い、または好みでない場合は、代わりに細かく切ったモッツレラチーズ、あるいはカッテージチーズにしてもいいかと思いますが、省略しても大丈夫です。

 

こちらはキヌアのサラダです。カボチャを一口大の角切りに切り、それを前述のようにローストして混ぜました。他の具は千切りにした芽キャベツ、オーガニックのレーズン、塩水にちょっとさらしたリンゴ。胡桃やアーモンドなどのナッツ、スライスして水にさらした紫たまねぎを加えてもいいと思います。味付けは、オリーブオイルとビネガーを適量加えてください。塩胡椒はローストする時点でしていますので、私は不要と思いますが、足りない方はお好みで足してください。

 

カボチャの甘味を中心に、芽キャベツの苦みやリンゴの酸味、キヌアのプチプチ感など、異なる素材の組み合わせが楽しい一品

 

ローストしたカボチャに何かをのせたサラダは、つい最近ニューヨークにオープンしたばかりのスターバックスリザーブロースタリーにもありました!
 

こちらは日本風のカボチャで、上に葉野菜とパンプキンシード、サワークリームがかかっていました。日本風のカボチャを甘辛く煮る時と同じようにカットしても、ローストして、こうしたものをのせて食べると、いつもと違う気分でいただけますね。味付けはとてもシンプルでしたので、塩胡椒を適量ふる感じではないかと思います。

 

甘いカボチャにサワークリームを載せ、ナッツやグリーンを散らすだけ。簡単で美味しさ間違いナシ。ホットサラダにしても〇

 

リゾットやブルスケッタに変身! 簡単カボチャマッシュ

 

 

11月末のサンクスギビング(感謝祭)の時は、赤皮栗カボチャのリゾットをつくりました。

 

独特の、濃いオレンジ色が食欲をそそり、テーブルを暖かく彩ります

 

 

赤皮栗カボチャは適当な大きさに切って、塩水で柔らかくなるまで茹でます。ちなみに、私はずっと茹でるのではなく、沸騰してきたら火を止めて蓋をして、余熱で柔らかくするようにします。こうすると、ガス代の節約になりますよね。柔らかくなり、なおかつ人肌くらいまでに冷めたら、マッシュ状につぶします。塩コショウでお好みの味に仕立て、それをリゾットにざっくり混ぜるだけ。

(リゾットの作り方は、10月に掲載された「秋の定番、栗ごはん。今年は「リゾット」でイタリアンに!」をご参照ください)

 

生クリームを少し足してクリーミーな食感に仕上げていただいてもいいと思います。明るい色のリゾットは、食卓を明るくしてくれます!

 

日本風のカボチャで同様につくると、赤皮栗カボチャのような明るいオレンジにはなりませんが、穏やかな黄色も目にやさしく、味は美味しくできあがります。お米を炊く時に入れる水は、カボチャのゆで汁を使いました。

 

個体によって色の違いはさまざまですが、季節や産地ごとに手に入る折々のカボチャで色や味の違いを楽しむのもまた良いもの

 

カボチャマッシュは、ブルスケッタに活用することもできます。こちらは、スライスしたバゲットの上に、スライスしたモッツレラチーズ、マッシュした赤皮栗カボチャをのせ、その上にマイクログリーンとザクロを加えました。クリスマスらしい色使いですよね。

 

こちらは最初のサラダに近い色合いで、オレンジ、グリーン、差し色の赤と少量の白、の組み合わせ。食欲がそそられます!

 

12月は何かとパーティーやイベントが多いのですが、あるファッションブランドのパーティーで、このような色使いのフィンガーフードが出てきて、「あ、マッシュしたカボチャもこんなふうに使える!」と思ってつくってみました。

 

ザクロは小さく切ったプチトマトや赤ピーマン、マイクログリーンはキュウリなどに置き換えてもいいかと思います。

 

地味めのイメージだったカボチャも、使い方次第でこんなに華やかになります。是非お試しくださいね!

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