ミーナです。最近よく聞く「糖化」現象。エイジングのファクターとして、肌の糖化はもちろん、血管や臓器など体組織全体に関わっているんです。アンチエイジングのために、まずは毎日の食事から「抗糖化」をめざしてみませんか。
食べ方を変えて不調を一掃!
40歳を過ぎたら実践したい。
「抗糖化」を意識した食事で
元気とキレイをキープ!
アンチエイジングのキーワードとして、近年注目を集めている「糖化」。その予防には、糖質のとり方が大きくかかわっているようです。
ここでは、Q&A形式で「糖化」が体に及ぼす影響や予防策などについて3回に分けて学んでいきます。教えてくださるのは、久保明先生です。
10年後、20年後も若々しく健康でいるために、正しい糖質のとり方を今、身につけておきましょう!
今回は、「糖化」とは何か? 「糖化」による体への影響など、Q1~3までをご紹介します。
Q1
最近よく耳にする「糖化」って何?どのようにして起こるの?
A1
余分な糖質と結びつくことで体内のタンパク質が劣化すること。
皮膚や筋肉、臓器、血管など、人間の体のほとんどがタンパク質でできていますが、これらのタンパク質は体内に入ってきた糖と結びつきやすいという性質をもっています。
そして、タンパク質は糖と結合すると変性し、「AGE(最終糖化産物)」という老化促進物質を生成します。
このAGEが蓄積すると、タンパク質の構造が変異し、硬直化・化石化。つまり、タンパク質でできた体の組織がもろくなります。これが「糖化」と呼ばれる現象です。
AGEは高血糖状態(血液中に糖が多い)で生成されます。血糖値は、糖質を含む食べもの(ご飯やパン、麺類、ビール、甘いものなど)をとったときに上昇します。
そして、過剰摂取で急激に上昇したときや、それをエネルギーとして消費しきれないときに、「血液中に余分な糖が多くなる」→「タンパク質と結びつく」→「AGEが生じる」という現象が起こり、糖化が進みます(詳細は下のコラム参照)。
●高血糖はなぜ起こる?
血糖値上昇のメカニズム
糖質が小腸でブドウ糖に分解され、血液に吸収されると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され、細胞内への取り込みを促します。細胞に取り込まれたブドウ糖は、エネルギー源に。
このように、スムーズに糖が消費されていれば、血糖値が高い状態が続くことはありません。
ところが、血液中のブドウ糖の量が多くなりすぎると、インスリンの働きが追いつかず、処理しきれなかったブドウ糖が、血液中にあふれてしまいます。これが高血糖です。
Q2
糖化が起こると体にはどんな影響があるの?
A2
体内の器官がもろくなり、さまざまな不調、病気、老化現象の原因に…。
AGEにより体内のタンパク質は弾力を失い、もろくなります。これが肌細胞内で起こればたるみやシワに、骨で起これば骨粗しょう症に、血管で起これば動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や脳梗塞につながります。
そのほか、非アルコール性脂肪肝や白内障、アルツハイマー型認知症の原因になるという研究発表もあります。
Q3
糖化を100%防ぐことは可能なの?
A3
人間が生きていく以上糖化は避けられないもの。ダメージを減らす工夫を!
食事をすれば糖化は必ずある程度起きます。これは、吸った酸素の2%は体内で活性酸素になるという「酸化」と同じ。でも、食事も呼吸もやめることはできません。つまり、生きる以上、糖化も酸化も避けられないのです。
しかし、食事や生活習慣でそのダメージを最小限にすることは可能です。糖化も酸化も老いの原因。よりよく老いるためには、抗糖化・抗酸化に気をつける生活がとても重要なのです。
監修
久保 明さん Akira Kubo
profile
東海大学医学部抗加齢ドック教授。石川島記念病院、銀座医院で診療。東京イセアクリニック顧問。生活習慣病やアンチエイジングに関する医療の実践に力を注いでいる。近著に『「糖化」を防いで、老いない・病まない体になる!』(PHP 研究所)がある。
次回は、「糖質」の正しいとり方についてのQ&Aです。
取材・原文/瀬戸由美子