ボディワークプロデューサーのkyoさんと理学療法士の田舎中真由美さんの骨盤底筋についての対談、最終回は骨盤底筋を意識する秘訣をご紹介します。
二人ともお腹すっきり、ヒップもキュッと上がっています。年を重ねて下腹がポッコリしている人の中には、骨盤底筋がしっかり使えていない人がとても多いのだそう
(写真右)
kyoさん
kyo
「骨盤セルフ調整『ペルヴィスワーク』が人気です!」の記事にも登場した、ボディワークプロデューサーのkyo先生。骨盤底筋のことならおまかせあれ!
(写真左)
田舎中真由美さん
Mayumi Tayanaka
1973年生まれ。理学療法士。腰痛、産後の骨盤周囲の痛み(恥骨痛、仙腸関節痛など)、尿失禁や骨盤臓器脱など骨盤底筋群のトラブルに対する骨盤調整、運動指導が専門。2017年9月、骨盤底筋に関する翻訳本を出版(『産後リハにおける腹部・骨盤へのアプローチ 腟・会陰部のケア、尿失禁、骨盤臓器脱、会陰・骨盤痛の予防のためのエクササイズ』 田舎中真由美 訳 ¥4,000/丸善出版)。フィジオセンター所属。
http://www.physiocenter.jp
日常に「骨盤底筋意識」を
ちりばめることが秘訣
kyo ヨガをやる人は腹式呼吸ができるせいか骨盤も弾力のある人が多い。
田舎中 以前、ピラティスに通い続けて逆に尿もれがひどくなった人がいました。ピラティスは全然悪くないんですが、インストラクターが間違った指導をしてしまったんでしょうね。使い方で悪くすることは本当にあります。
kyo 骨盤底筋に関してはまだまだ日本は遅れていますよね。
田舎中 私も最初は普通に運動器をみている理学療法士で、途中から尿失禁のプロジェクトに入ることになったんです。それまで大学では骨盤底筋なんて教えてくれなかった。本当にゼロからのスタート。海外に研修を受けに行きますが、解剖学も研究が進んでいる。
kyo 一般の方はまず間違った使い方を身につけないことですかね。骨盤を後傾させて座る習慣はいちばん直してもらいたいかな。車を運転する姿勢とか、ソファに沈んでいるときとか、骨盤が後傾しまくり。あれを直すだけでがぜん調子がよくなる人もいます。
田舎中 ひとつの姿勢で骨盤が固定されちゃっているのがよくないですね。長時間、後傾の姿勢でいて、急にすっと立つとすごく骨盤底筋に圧がかかる。
kyo 骨盤底筋を含む筋肉って、トレーニング以外の時間が作っているんですよね。歪みや衰えを蓄積させないためには悪い生活習慣を変えるしかない。ちょっと動作を変えるだけで、お腹のポッコリやヒップラインのたるみなんかもシュッとなっちゃいますし。
田舎中 そうですね。骨盤底筋は、まず一度正しく意識してもらったら、日常生活の中に、その意識をどうちりばめて取り入れていくか、だけです。
kyo とにかく意識することですね。MyAge/OurAge世代でも、たとえ今骨盤底筋の使い方が間違っていたり弱っていても、まだ間に合うということ。
田舎中 ええ、十分、間に合います!
骨盤底筋は、硬くならないよう、エクササイズをすることも大切!
次はインナーユニットを作る4つの筋肉をご紹介。
骨盤底筋は体幹を安定させる大黒柱
骨盤底筋はいわゆるインナーマッスル(深層筋)のひとつ。他の3つの深層筋(横隔膜、腹横筋、多裂筋)と連動して動き、体幹の核を形成していることがわかってきました。これを「インナーユニット」といいます。
呼吸に合わせて下のイラストのように動くのが正しい骨盤底筋。大きく吸ったり吐いたりして、自分の骨盤底筋の動きを確認してみましょう
次回は骨盤底筋を日常的に使うコツをご紹介します。
撮影/藤沢由加 ヘア&メイク/渡辺真由美 イラスト/内藤しなこ 構成・原文/蓮見則子