「足のむくみ」や「つり」でも触れた「下肢静脈瘤」。聞いたことはありますか? 更年期以降の女性に急に増えるこの足の病気、まだ知らない人も多いはず。下肢静脈瘤治療の専門家、阿保先生にくわしく教えていただきます!
40代、50代女性のほとんどが初期の静脈瘤を発症している!?
足にこぶのような血管や青い静脈が浮き出ていたり…見た目にはちょっと怖い下肢静脈瘤。自分には関係ないなんて思っていませんか? 阿保義久先生によれば、
「患者はやはり40代、50代の女性が多いです。更年期以降の女性に増えるのはホルモンのバランスが変わり、血管自体の生理機能も不安定になるからでしょうね。自覚症状はなくても試しにエコーで調べると結構、弁不全が見つかります。広いくくりで言えば、更年期以降は、ほとんどの方が発症していると言っても大袈裟ではないですよ」
下肢静脈瘤は、足の静脈にある弁が壊れた結果、こぶができてしまう病気。静脈が通っていれば足のどこにでもできます。
初期症状は?
「皆さんの言葉を借りると、重い、だるい、かゆい、灼熱感がある、こむら返りが起きる…それが初期症状だったとあとで気がつく方もいます。
遺伝の確率も高いので、親戚に静脈瘤の方がいたら、念のため調べておくといいでしょう。病院は血管外科、なければ心臓血管外科へ。静脈瘤と診断されても、初期であれば運動や食事、セルフケアで十分進行が止められます。進行すると治療をしても治りにくいことがありますから、早期治療するに越したことはないですね」
そもそも下肢静脈瘤は、男性よりも女性に多く発症します。それは女性のほうが筋力が弱いためです。さらに、上のチェック項目が多いほど、下肢静脈瘤ができやすい傾向に。
次回は阿保先生に、下肢静脈瘤のしくみや治療法、予防法についてさらに詳しいお話をうかがっていきます。
イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子