年齢を重ねるにつれ、前屈がしにくくなったり、腕が上がりにくくなったり、肩がカチカチに硬くなったり…。こんなふうに体はどんどん硬くなりがち。これを「年のせいだからしょうがないわ」などと放置しておくと、想像以上に大きなデメリットがあり、老化が加速。つまり、若々しさを維持するカギは"体の柔らかさ"にあり! アラフィフからの柔らかい体のつくり方、お教えします!
こんな症状にならないために…
肩コリ
転倒・骨折
腰痛
姿勢の
くずれ
歩行困難
関節の
痛み
ヘルニア
関節と筋肉を柔軟に保つことが老化を遅らせるカギ!
お話を伺ったのは…
Kakuko Nakamura
中村格子さん
James Shuichi Nakano
中野ジェームズ修一さん
なぜ体は硬くなっていくの?
運動不足や女性ホルモンの減少で
体は硬くなっていく
加齢とともに硬くなる体。特に硬くなるのが関節や筋肉なのだそう。
「関節は骨同士をつなぐ部分で、ドアの蝶番のように日々繰り返し使われることで滑らかに動かせて、可動域も大きく維持できます。でも、加齢とともに運動量が減り、関節が使われなくなるため可動域が小さくなります。また、更年期になり女性ホルモンの分泌が減ると関節はさらに硬くなります。関節をまたぐようについている筋肉の動きも、当然悪くなり硬くなります。また、普段の動き方の癖により、使われない部分は血流が低下して筋肉にコリが生じ、使いすぎの部分には炎症が起きます。これをかばおうとして使い方に偏りが生じると、ますます硬くなっていくのです」(中村格子先生)
次ページでは、関節と筋肉が硬くなると老化が早く進む原因について聞きました。
体が硬くなると老化が早く進む!
[ 関節 ]
関節が硬いと姿勢がくずれ、
転倒や骨折、ケガを招く
関節が硬くなるとどんなトラブルが生じるのでしょうか?
「真っすぐに立ちづらくなり姿勢がくずれ、転倒や骨折、ケガのもとに。また、一部の関節が硬いとほかの関節が偏って使われて負担がかかり、腰や膝、股関節などに痛みが生じたり、脊柱管狭窄症や椎間板症などになる場合も。その結果、老化が進んでしまうのです」(中村先生)
ただし、柔らかければ柔らかいほどいいわけではないので注意。
「例えば180度開脚できることは正常な股関節の可動域を超えていて、ここまでの柔軟性は不要です。大切なのは日常動作に必要な柔軟性を保つことです。そのために効果的なのがストレッチ。習慣にして、柔軟性を保ちましょう」
[ 筋肉 ]
筋肉が硬いと高血圧になりやすく
病気の原因にも
筋肉が硬くなることもさまざまな不調を引き起こします。
「筋肉が硬くなるとコリや痛みが生じたり、転倒してケガをしやすくなったり、疲れやすくなったり、血圧も高くなり慢性疾患の原因にもなります」(中野ジェームズ修一さん)
こんな事態を防ぐために効果的なのは、やはりストレッチ。
「筋肉を作る筋線維は、タンパク質からなるサルコメア(筋節)からできていますが、ストレッチをするとサルコメアが増えて筋線維が長くなります。筋肉が柔らかいということは、この筋線維が長いということです。長くなると関節の可動域も広がり柔らかい体に。50歳からでもストレッチをすれば柔らかい体はつくれるので、ぜひ習慣に!」
まずは、自分の体の柔軟性を知ることが大切です。次回から順次ご紹介していく関節と筋肉の柔軟性チェックテストで実際にチェックしてみましょう。
撮影/横山翔平(t.cube) ヘア&メイク/木村三喜 モデル/国本 綾
スタイリスト/程野祐子 構成・原文/和田美穂